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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

札幌地方裁判所で刑事裁判を傍聴する

2024-08-21 16:59:03 | 講演・講義・フォーラム等
 大麻を吸引した若者(初犯)の刑事裁判を傍聴した。私にとって刑事裁判を傍聴するのは2度目の体験だった。裁判所独特の厳粛な雰囲気の中で行われた裁判だったが、被告の若者にはどのように映ったのだろうか?

    

 本日午後、札幌市資料館が主催する「刑事裁判の傍聴と解説」という講座を受講した。この講座は実際の裁判を傍聴し、その後その裁判を指揮した裁判長が、当該裁判について解説するという講座である。
 私たち受講者は札幌市資料館に一度集まり、そこから担当者に引率されて裁判が行われる「札幌地方裁判所」に向かった。
 裁判所では持ち物、身体検査が行われ、私たちが傍聴する8階の第804号法廷に案内された。法廷に入る前に、6点の注意事項を受けた。その6点とは…、
 ①傍聴席で発言したり、音を立てたりしない。
 ②みだりに自席を離れない。(トイレに行く場合は静かに)
 ③撮影、録音しN G。メモを取るのは構わない。
 ④帽子を着用しない。
 ⑤携帯、スマホ、タブレットなどは電源を切る。
 ⑥居眠りをしたり、新聞・雑誌などを読んだりしながら傍聴しない。
第804号法廷では本日4件の裁判が予定されていることが表示されていた。私たちが傍聴した裁判については
    令和6年第468号  大麻取締法違反
    ○○〇〇(被告名)新件  刑事第2部
    裁判長 〇〇〇〇
    書記官 ○○○○
と記されていた。
 13時30分の開廷5分前に書記官、検察官、弁護人、被告がそれぞれ着席した。そして開廷時間となって裁判長が登場し、全員で(傍聴者も)で挨拶を交わし、裁判に入った。なお、この日は裁判長の後ろに5人の人が入廷した。私は当初「この裁判は裁判員裁判なのかな?」と思ったが、そうではなく司法修習生が現場研修の一環として裁判の様子を傍聴していたということだ。
 裁判は刑事裁判の法廷での手続きの流れに沿って進められた。その手続きとは…、
  ①人定質問
  ②検察官の起訴状朗読
  ③黙秘権の告知
  ④被告事件に対する陳述  ※ここまでが「冒頭手続」
  ⑤冒頭陳述
  ⑥犯罪事実に関する立証
  ⑦情状に関する立証
  ⑧被告人質問      ※ここまでが「証拠調べ手続」
  ⑨検察官の論告・求刑
  ⑩弁護人の弁論
  ⑪被告人の最終陳述
  ⑫弁論集結       ※この段階が「弁論手続」 
 一連の流れから事件(犯罪)の概要を凡そ把握することができた。その概要は被告Aは当年20歳という青年である。今年5月、密売人から購入した大麻を、付き合っていたB子と二人でB子の姉の部屋で大麻を吸っていたところを現行犯逮捕されたという事件である。Aによると大麻吸引は高校2年生の頃からやっていたが、逮捕されたのは初めてでいわゆる初犯だった。
 裁判は上記の流れどおり進められ、検察官の犯罪に対する立証について、被告も弁護人も反論することなく検察官の立証を認めた。
 今回の裁判での特色(?)は、弁護人の弁論の中で被告の母親が証人として出廷し、反省と悔悟の言葉を陳述したことだった。
 そして検察官は懲役8カ月を求刑し、被告は「執行猶予」を求めた。最後に裁判長が来る9月6日(金)午後1時20分から判決を言い渡すと述べて閉廷した。

    
    ※ 裁判が行われた札幌地方裁判所の全景です。

 閉廷後に少し時間をおいて裁判長が再度登場し、私たちに裁判の背景などについて率直に語ってくれた。裁判長としては、裁判を通して被告が再犯などをしないように説諭などをするのだが、限界もあると率直に語ってくれたところに好感をもった。また、私たちからの素朴な質問にも丁寧に一つひとつ答えてくれたことが印象的だった。
 判決もできれば聴いてみたいなぁ、と思っているのだが…。


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