田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

宇宙に近い町大樹町の可能性

2019-11-07 20:59:54 | 講演・講義・フォーラム等

 ハイブリッドロケットKAMUIの打ち上げ、IST(インターステラテクノロジズ)の本拠地化と着々と「宇宙のマチ」としての地歩を固めつつある大樹町にまた夢のある企業が進出を目論んでいるという。進出企業のSPACE  WALKERの会長の話を聴いた。

             

             ※ 大樹町の射場から発射されるISTのモモ3号機です。 

 本日(11月7日)は朝から夕方まで一日中講演や対談を聴き続けた一日だった。というのも、本日と明日は私が楽しみにしている「ビジネスEXPO」が開催されているが、併せて「ビジネスセミナー」二日間びっしりと予定されている。私はその全てを受講しようと目論んでいる。それほど魅力的なセミナーがラインナップされているのだ。

 本日は3本の講演、2本の対談、さらに3本の新製品開発の報告があった。その全てをここに再現するのは私の手に余る。何日かに分けてレポすることにする。ということで、ここではセミナーの最初に設定された基調講演と特別対談をレポしたい。その講演と対談とは、(株)SPACE WALKER代表取締役CEOの眞鍋彰秀氏「大樹町から世界へ挑む 有人宇宙飛行ベンチャー」と題して講演をした後、その眞鍋氏と大樹町長の酒森正人氏による「北海道から宇宙への挑戦」と題する対談が行われた。

       

       ※ 講演をする(株)SPACE WALKERのCEOの眞鍋氏です。

 SPACE WALKERは2017年に設立されたばかりの会社であるが、JAXAなどで研究に取り組んだ人材が集まった会社だということだ。眞鍋氏の会社のキーワードは「有翼再使用ロケット スペースプレーン」だという。つまりSPACE WALKERはコストを最小限に抑えて有人宇宙飛行を目指す会社である。そこへ至るスケジュールは、2022年までに高度100kmの宇宙空間へ無人のスペースプレーンを飛ばすことを目ざし、さらに2024年までには最小可能なスペースプレーンを高度700kmの太陽同期軌道に打ち上げるとしている。それらの実績をもとに2027年には高度100kmの宇宙空間へ友人スペースプレーンの初飛行を目指しているということだ。

       

       ※ SPACE WALKERの段階的スペースプレーンの発射計画の図解です。

 SPACE WALKERはロケットの発射場・回収飛行場として大樹町を想定しているということだが、まだ決定はしていないようだ。それは和歌山県串本町が発射場を建設したということもあり誘致合戦も熾烈を極めることになるのかもしれない。

 続いて眞鍋氏と酒森大樹町長との対談だが、大樹町ではさらなる「宇宙のマチ」としての地歩を固めるべくオール十勝、ひいてはオール北海道の体制を構築すべく本年「北海道航空宇宙企画株式会社」を設立したという。そして大樹町としては現状の施設のさらなる拡充を目指しているという。具体的には既存1000m滑走路をSPACE WALKERが求める1,300mに延伸するとか、パイロット射場の整備、さらには将来のロケットの大型化に対応するハイスペックの射場の整備なども構想しているそうだ。

 対して眞鍋氏は大樹町がもつアドバンテージとして①既存の着陸用滑走路を持っていること(300mの延伸が必要だが)。②スペースプレーンが採用する燃料バイオ液化メタンの原料が得やすいこと。③ロケットの先発ISTの存在。などを挙げた。

 SPACE WALKERが大樹町を選択して、民間のロケットの発射あるいは回収の基地として大樹町が大きく成長してほしいと願いたい。