田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

戦争すら “他人事” なロシア国民

2024-04-20 19:45:54 | 講演・講義・フォーラム等
 ロシア国民にとっては、ウクライナとの戦争のことより自分たちがいかに楽しく生活するかが最大の関心事だ、と最近までFNN のモスクワ特派員だった講師は云った。いったいロシアの国内事情はどうなっているのか?講師の興味深い話を聴いた。

     
    ※ 関根氏のパワーポイントの1頁目です。写真はロシアの戦勝記念公園です。

 昨日19日(金)午後、かでる2・7において「民放クラブ」が主催する講演会が開催された参加した。「民放クラブ」とは、道内の民間放送に務めた方々のOB・OGの方々の親睦会のようだが、その会が現役の放送関係者を招いてお話を伺う研修会的催しを開催しているのだが、その際一般市民にも門戸を開いているため私も参加できたのだ。
 今回の講演会はUHF北海道文化放送の関根弘貴さん「戦争すら “他人事” なロシア国民」と題して講演された。関根さんは2019年10月から2023年12月までFNN(フジテレビ系列28局で構成されるニュースネットワーク)派遣のモスクワ支局長として派遣された方である。

     
     ※ 講演をする関根弘貴さんです。

 関根氏のお話をレポする前に、関根氏のロシア・ウクライナ戦争に対する立ち位置を明確にしておく必要があると思える。関根氏の立ち位置は多くの日本メディアが伝えるロシアを批判的に見る立場である。
 関根氏は大きく二つの視点からロシアの実状について報告された。
 一つは、ロシア国民(モスクワ市民)のロシア・ウクライナ戦争に対する関心度についてである。ロシア国民の戦争に対する関心度を表す言葉として関根氏は「ロシア国民は、政治は政治、自分たちは自分たち」という態度に徹しているということだ。一般国民(市民)は、日々の生活をいかに楽しむか?言葉を変えると、自分たちの生活を謳歌しているということだという。例えば、モスクワ市民は食事時にウクライナワインを愛飲しているそうだ。
 ロシアのウクライナ侵攻が始まり、西側諸国は経済制裁に踏み切ったが、ロシアは “並行輸入” という手法で、第三国を通して物資を輸入し、スーパーなどの在庫は十分だということだ。また、アメリカの大企業であるスターバックスやコカ・コーラ、マクドナルドなどが撤退したものの、すぐにロシア国内では似たような商品が出回り、ロシア国民はそれで満足しているということだ。
 こうしたプーチン政権が “戦争感” を滲ませない政治が国民を鈍感にさせている一つの要因でもあると関根氏は指摘した。

     
   ※ 左からロシア版のケンタッキー、スターバックス、マクドナルドだそうです。
      これでロシア国民は十分に満足しているそうです。
    
 二つ目に関根氏は「ロシアの “プロパガンダ教育”」の実状について話された。
 ロシアでは最近 “歴史教科書” が改訂されたという。(高校生年代向け)そこでは特別軍事作戦(ロシア・ウクライナ戦争)について28頁も割いて、作戦を遂行した大義を掲載しているそうだ。また、高校生年代には “軍事教練” が復活したそうだが、それに対する拒否反応はないということだ。但し、“部分的動員” 令については忌避感があり、プーチン政権支持率が一時低下したことで、“愛国主義政策” 加速したとも云う。関根氏の言では「日本の戦前・戦時の教育と酷似している」とも話された。

    
    ※ ロシアの新しい歴史教科書についての説明の図です。

 プーチン政権はメディアを完全にコントロールしているが、インターネットの世界は支配することができていないという。そこにアクセスすることにより、ロシア国民の一部には国内の空気と違うものを感じ始めている国民もいるが、大きくは変わらないだろうと関根氏は云う。それはロシア国民が政治に対しては “諦観” しているところがあるからだ、
という。
 それがロシアに4年間滞在した関根氏の結論のようだった。
 国の政治に対して “諦観” するということは、国民としてとても不幸なことではないだろうか?国の政治に対して、私たちも別な意味で “諦観” してしまっている場合があるのではないだろうか?私たちは政治に不満がある場合には異議申し立てができる国に生きていることを改めて感じさせてくれた関根氏の特派員報告だった。

民生委員の仕事って?

2024-04-19 18:31:56 | 講演・講義・フォーラム等
 民生委員って、どんな仕事なのだろうか?そんな素朴な疑問から「民生委員・児童委員入門講座」なる講座を受講してみた。率直な感想として、目立たない仕事ではあるが社会を支えるうえで重要な任務であることを理解できた…。
   

 別に民生委員になろうと希望しているわけではない。友人・知人の中に民生委員をしている方がおり、そうした方々の仕事を理解したい、という思いから4月18日(木)午後、拙宅の近くにある市の社会福祉総合センターで開催された「民生委員・児童委員入門講座」を受講してみた。
 講座は、最初に「札幌市民生委員児童委員協議会」の事務局(札幌市職員)の方から民生委員・児童委委員の制度の概要、仕事の任務、そして現況などについての説明があった。続いて、現役の民生委員、主任児童委員の方から実際に任務を遂行している立場からのお話を伺った。
 まず「民生委員」とは、社会福祉の増進のために、地域住民の立場から生活や福祉全般に関する相談・援助活動を行うことが任務で、無報酬ではあるが非常勤の地方公務員という立場だという。なお、「民生委員」は全員が「児童委員」を兼ね、妊娠中の主婦や子育ての不安に対する相談・支援の任務も兼ねているそうだ。
 現在、札幌市では定員2,967人だが、現在活動中の方は2,800人だという。年齢要件は基本的に30歳以上、75歳未満ということになっているが、意欲のある方はこれに限らないともお話された。
 その後、民生委員(児童委員)の役割・職務、実際の活動の状況などについてのお話がなされたが、その部分は割愛したい。
 事務局の方のからの説明の後は、実際に民生委員・児童委員、主任児童委員の任に就いているお二人からお話を伺った。

   
    ※ 左に立たれている方が札幌市民生委員児童委員協議会の会長をされている紙谷京子さんです。

 お一人は札幌市民生委員児童委員協議会の会長をされている紙谷京子さんという方であった。紙谷さんは札幌市の民生委員児童委員2,800名のトップに立たれている方である。委員に就任してから実に36年目という超ベテランである。紙谷さんは住民が困ったことに遭遇した場面で、共に考え、悩んだ末に問題が解決できたときに「ありがとう!」という一言をいただくのが何よりの喜びであると話され、「人のために役立つことは、自分のためにもなっている」ことを痛感されたと強調された。
 もうお一人は主任児童委員五十鈴理佳さんである。主任児童委員とは、専ら子どもや子育て家庭への支援を専門に担当する役割だという。(いわゆる民生委員児童委員とは、やや性格が異なるようである)五十鈴さんは、地域で「子育てサロン」を開設し、担当の保健婦さんたちと一緒に悩める母親や子どもたちに対しての支援に力を入れているとし、自らも地域の住民に一員として、元気な地域となるように努めていると話された。
 民生委員・児童委員の現状は、プライバシー意識の高まりや、役割・活動の増加などにより担い手不足が深刻化しているとも話された。民生委員というと地域の方々から信頼されるような人格高潔な人との印象がある。人格高潔などという品性からほど遠い私にはまったく不向きな仕事であり、ましてや年齢的にも難しい。
 ただ、今回の入門講座の参加者の方々の質疑応答を聞いているかぎり、かなり意欲的な方々も見受けられた。そうした方々を見ていると、「あゝ、素晴らしい方もけっこういらっしゃるなー」との思いを強くした。ある意味、社会にとっては縁の下の力持ち的存在ではあるが、そうした方々に次代を託したいと思ったものだった…。

御朱印収集巡り №25 手稲神社

2024-04-18 15:44:36 | 神社参拝・御朱印収集関連
 手稲神社はJR手稲駅からも近く利便性はあるのだが、境内が狭く、ちょっとした高台の上に建っていることから例大祭やお正月などは大混雑になるのではと想像された。訪れた日、私は危うく御朱印をいただけないのではと一瞬不安になった。

        

         
   ※ 直筆の御朱印です。季節らしい桜の花びらが配されています。

 手稲神社のあるJR手稲駅の南口側の街並みは複雑である。手稲地区が発展する際に区画整理がなされなかったからなのだろうか?私はJR手稲駅から手稲神社に向かう際にマップを手にしながら、かなり回り道をしてしまった。資料によると手稲駅からわずか250mの至近距離にあったのだが…。

    
    ※ 道路際に建つ第一鳥居です。その右側に建つのが社務所でした。

 手稲神社はそんな手稲駅前の繁華街(?)の小高い丘の上に鎮座していた。第一鳥居を潜り、階段を上ったところに本殿(拝殿)が姿を現した。本殿の前はちょっとした広間になっているもののその両側には社務所(らしきもの)と授与所が配されていた。

    
 ※ 第一鳥居から階段をぐんぐんと上がると第二鳥居、そしてその奥に本殿が見えます。

 手水舎に「花手水」がなされているのではと期待したが、特別何も施されてはいなかった。

    
    ※ 手水舎に花手水は施されていませんでした。
    
※ 一瞬、狛犬かな?と思いましたが「御神牛」と表示され、菅原道真公にちなんだ「撫で牛」だそうです。自分の体で悪い箇所と同じ箇所を撫でると良くなる(除くアタマ)そうです。

 私はいつものように拝殿に進み出て、参拝をした後に「御朱印」をいただこうと周囲を見渡したが、「御朱印」を頂けるようなところは見当たらなかった。「社務所」と思われるところも固くシャッターを下ろしていた。「えーっ、ここまで来て御朱印をいただけないのか?」と一瞬ガックリ来た。私は本殿の周りを一周して、どこかに社務所のようなところがないか探したがそれらしきものも見当たらなかった。

    
    ※ 手稲神社の本殿(拝殿)です。

 私はすっかり観念して諦めかけたが、「まてよ」と思い直し、ともかく電話をしてお尋ねしてみようと考えた。電話をしたところ「社務所は丘の麓の第一鳥居の隣に位置しています」との回答をいただき正直いってホッとした。直ぐに社務所へ伺うと、笑顔で迎えてくれて直筆の御朱印を無事にいただくことができた。
                                                                                                                                                                                                                                                                                                                       
【手稲神社 情報】
◇旧社格:郷社
◇所属:北海道神社庁
◇住所:札幌市手稲区手稲本町2条3丁目4-25 
◇御朱印:あり(直筆 500円)
◇参拝可能時間:24時間
◇社務所受付時間:概ね 9:00~17:00  
◇例祭日:9月5日
◇駐車場:有り(数台程度)
◇アクセス:JR函館本線「手稲駅」南口から徒歩3~4分(約250m) 
◇創建:1899年(明治32年)
◇代表的ご利益: 〇縁結び・恋愛成就 〇安産祈願・子授かり・子宝 〇合格祈願・学業成就 〇夫婦円満・家内安全 〇商売繁盛 〇病気平癒・健康祈願
〇必勝祈願・勝利成功 〇技芸・武芸・芸能 〇旅行・交通安全     
◇御朱印記帳日 4月16日

銅像から北海道の歴史を辿る

2024-04-17 17:47:20 | 講演・講義・フォーラム等
 道内に建立された銅像の背景を探ることによって、北海道の歴史を辿るということは面白い視点だと思う。講師の武石氏のお話はこれまでも何度かお聞きしたことがあるが、とても興味深いお話を今回も伺うことができた。

 4月15日(月)午後、札幌市高齢者市民講座の中央区会場の講座が開講され参加した。4月の講座は「銅像から北の開拓者の業績を辿る~産業・医学・教育振興編~」と題して、札幌市観光ボランティアの会の会員でいらっしゃる武石詔吾氏が講師を務めた。

     
      ※ 大通公園に建つ石川啄木の像の横に立つ講師の武石詔吾氏です。

 武石氏はまず、戦前に道内に建立された幾多の銅像が戦時の金属類回収令によってそのほとんどが解体され、戦後になって復元されたもの、されなかったものについて触れられた。その中で唯一、中島公園内に建立された「木下成太郎像」だけ供出を逃れたそうである。それは武石氏によると、木下氏の銅像は木下氏の生前に建立され、金属回収令が発せられた時には国会議員をされていたことがその理由ではないか、と述べられたが詳しいことは不明であると話された。
 そして本題に入っていったが、紹介された銅像は次のとおりである。(氏名の後は事績を表し、〇は建立年、△は所在地(設置場所)、□は制作者を表す)
〔産業振興編〕
 ■高田屋嘉兵衛 ~箱館の発展、択捉航路の開発~
    〇昭和33年 △函館市 □梁川剛一
    〇昭和61年 △根室市 □砂原放光
 ■竹鶴 政孝 ~ 国産ウィスキーづくりの先駆者~
    〇昭和34年 △余市町 □本郷新
 ■黒澤 酉蔵 ~ 本道酪農界の先駆者~
    〇昭和37年 △酪農学園大学 □加藤顕清
 ■町村 敬貴 ~近代農業を確立~
    〇昭和48年 △町村農場 □峯孝
 ■佐上 信一 ~根釧地区の酪農経営の基盤形成~
    〇昭和41年 △別海町農業センター □加藤顕清
 ■村瀬 久成 ~開拓使麦酒の生みの親~
    〇平成17年 △知事公館前庭 □中村晋也
        
        ※ 知事公館前庭に建つ村橋久成の銅像です。
    
 ■今井 藤七 ~丸井デパートの創業者~
    〇大正15年 △?(新潟県三条市?) □武石弘三郎
 ■井伊憶右衛門 ~オブラートシェア40%~
    〇 ? △倶知安町 □ ?
〔医学振興編〕
 ■大野 精七 ~札幌医科大学初代学長~
    〇昭和37年 △札幌医科大学 □佐藤忠良
 ■荻野 吟子 ~日本初の女医~
    〇昭和42年 △せたな町 □本田明二
        
        ※ せたな町の公園に建つ荻野吟子像です。

 ■関  寛斎 ~予防医学の提唱~
    〇昭和53年 △陸別町 □小室史
〔教育振興編〕
 ■佐藤 昌介 ~札幌農学校一期生、北海道大学育ての親~
    〇昭和7年 △北海道帝国大学構内 □加藤顕清
    〇昭和31年 △北海道大学構内 □加藤顕清
 ■山田幸太郎 ~札幌一中(現札幌南高校)の名校長~
    〇昭和8年 △札幌一中(現札幌南校) □諏訪頼雄
    〇昭和25年 △札幌南校々庭 □諏訪頼雄
 ■浅羽 靖 ~現北海高校の創設者~
    〇大正15年 △北海中学校庭 □田嶋碩朗
    〇 ?    △北海高校々庭 □ ?
 ■新渡戸稲造 ~世界平和に貢献~
    〇平成8年 △北海道大学構内 □山本正道
      
      ※ 北大構内に建っている新渡戸稲造像です。

 ■三松 正夫 ~ミマツダイヤグラム~
    〇平成5年 △壮瞥町 □米坂ヒデノリ
 ■浅井 淑子 ~服装文化・私学教育振興~
    〇昭和57年 △北翔大学構内 □坂胆道
 ■浅井 猛 ~私学教育振興~
      〇 平成3年 △北翔大学構内 □坂胆道
 ■松尾 三郎 ~道内初、情報系単科大学の創設者~
             〇平成9年 △北海道情報大学構内 □ ?

  以上が今回の講座で武石氏に紹介していただいた偉人たちである。ただ、一覧を眺めてみてもあまりよく知らない方も含まれている。それは今回の「産業・医学・教育振興編」がある限られた地域だったり、産業だったり、私学の関係者だったりで、広く公に活躍された公人の方々とは一線を画す方々が多かったからのようである。
 武石氏は講座の最後に、銅像はある人物の足跡や業績・歴史を知るうえで貴重な財産であると述べられた。さらには、今回提示された銅像の中でも、大正時代や昭和初期に建立された銅像は一度撤去されて、その後再建されたものもある。こうしたことから武石氏は「銅像は動く」と述べられた。つまりそうした過去を紐解くことによって新たな発見・知見が得られるとした。銅像を一つの足掛かりにして地域の歴史を紐解く研究をされている武石氏の着想はなかなか興味深い。
 これからも機会あるごとに武石氏のお話を聴いてみたい。

さっぽろラウンドウォーク 事前踏査  セクション3

2024-04-16 20:05:43 | さっぽろラウンドウォーク
 さっぽろラウンドウォークの2度目の事前踏査を本日、薫風が吹く中を気持ち良くウォークすることができ、事前踏査の役割をそれなりに果たせたと思っている。それにしても今回はアプリの威力を十二分に感得することができた!
※ あれっ? “薫風” って、5月の風でしたっけ? 心地よい風にあたったために思わず “薫風“ などと表現しちゃいました。
      

      ※ 本日はこの「さっぽろラウンドウォーク」のセクション3を歩きました。

 このところ原因不明の腰部の痛み(いわゆる腰痛とはまた違った痛みである)に悩まされてもんもんとした日々が続いていた。整形外科に行っても原因が分からず、とりあえず様子を見るということだったので、痛みが和らいだ今日、様子見を兼ねて思い切ってラウンドウォークを試みてみた。
 本来であれば、3月11日に次いでセクション2の事前踏査をすべきなのだが、セクション2はセクション1に続いて山間部のため、例え雪は消えていたとしてもコースがまだぬかるみ状態なのでは?と考え、セクション3を先に踏査することにした。
 そこでセクション3のスタート地点である「宮の沢ふれあい公園」に近い地下鉄「宮の沢駅」まで地下鉄で移動した。

    
    ※ セクション3のスタート地点である「宮の沢ふれあい公園」です。
    
     ※ 「宮の沢ふれあい公園」の隣は「白い恋人サッカー場」です。J1のコンサドーレの選手たちがトレーニングに励んでいました。 今年はピンチです。頑張ってほしいですね。

 「宮の沢ふれあい公園」からは「中ノ沢川」沿いを下流に向かってウォークするコースだった。「中ノ沢川」はけっして大きな川ではないが雪解け水が勢いよく流れていた。

   
   ※ 「中ノ沢川」の上流部はまだ細く、川沿いの道も整備されていませんでした。

 ここでアクシデントが発生した。実は今年ウォーキングパンツを新調したのだが、それが黒色だったので、それとコーディネートしようと古い黒のウォーキングシューズを用いたのだが、古さゆえにシューズの底が剥がれてしまったのだ。そうなるともう普通にはとても歩けない。「止めようか?」と思った時、幸いにも近くにホームセンターの看板が目に入った。そこで接着剤を購入し、応急処置を施してなんとかそれ以降もウォーキングを続けることができたのはラッキーだった。
 中ノ沢川沿いは途中からはきれいに舗装され、市民のウォーキングコースともなっていて、サクラ並木ももうすぐ開花を控え、蕾が膨らんでいた。

   
   ※ 「中ノ沢川」も下流に来ると、このように散策路が整備されていました。

 スタートから1時間少々歩いたところには「富丘東公園」という小公園があり、トイレもベンチも整備されていたので小休止には最適の場所ではとチェックした。

   
   ※ JR稲積公園駅の駅舎です。
   
   ※ 駅に附設するようにJR函館線を跨ぐ跨線橋が整備されていました。跨線橋の上は道路です。

 コースは「JR稲積公園駅」のところでJR函館線を跨線橋で跨ぎ、各種運動施設が広がる「手稲稲積公園」へ導かれる。そして今度は「中ノ沢川」と同じく「新川」の支流である「軽川」沿いを歩いて「JR手稲駅」へと導かれる。

   
   ※ 跨線橋を渡ると、すぐに「手稲稲積公園」が広がっています。
   
   ※ こちらは「軽川」沿いの散策路です。

 私はここでちょっとコースから外れ、手稲駅の近くにある「手稲神社」に参って御朱印をいただいてきた。(後日レポします)

   
   ※ 「手稲駅」の北口です。

 手稲駅からは駅の北側に広がる住宅街を横断し「新川」に向かうのだが、住宅街を通るコースは「プロムナード手稲」、そして「前田緑道」と車道から少し離れて歩道が設置されていて、どちらも市民が散策するのに適した歩道となっていて、歩いていて気持ちが良かった。この歩道にはベンチも適度に配されているので、どこかで休憩するのに適しているように思われた。

   
   ※ 手稲前田地区の住宅街に延びる「プロムナード手稲」の散策路です。ところどころにベンチも配されています。
   
   ※ こちらは「前田緑道」です。 右手の建物は「北海道科学大学」の建物です。

 二つの散策路を経て、コースはやがて「新川」に導かれる。対岸の「前田森林公園」に向かう「前田森林公園橋」を渡り対岸に出て、「新川」沿いを東に向かう。本来であれば「新川」沿いの散策路がコースなのだが、一部がまだ雪に覆われていた(冬期間の雪捨て場だったのかな?)ため、新川通沿いの歩道を歩く。
   
    ※ 新川に架かる「前田森林公園橋」です。
   
   ※ たくさんの支流の流れを集めた新川の流れです。
   
   ※ 新川沿いの一部にはこのように雪が融け残っていて、ショベルカーが融雪を進めるために出動していました。

 そして「新川中央橋」まで達したところで、新川通を跨いで住宅街へと導かれる。ここで威力を発揮したのが「さっぽろラウンドウォークアプリ」である。コースは住宅街の細い道に導かれたのだが、事務局が発行している25,000分の1のマップでは、住宅街の細かな道はどうしても読み切れない。ところがアプリだと自由にマップを拡大できるために細かな道も迷わずに進むことができる。実はこのアプリを使えるようになるため、私は何度も事務局のお尋ねしてようやく使えるようになったのだが、アプリを初めて使ってみて百万人の味方を得たような気分である。

   
   ※ 新川の北側に広がる住宅街を流れる「発寒吉川」です。なんと私は、この写真以降カメラを構えることを忘れてしまったようで、一枚も写していないというミスを犯しました。

 そして住宅街を進む中で、コースは札幌市域から石狩市の住宅街に導かれた。住宅街をしばらく進むと高校生の下校途中に出会い、ゴールの「石狩南高校」が近いらしいことが分かった。そしてちょっとした市街地に出て、やがて「石狩南高校」の前に到着した。
 ここからはバスで地下鉄「大麻駅」に向かった。
 本番では、ここのバス停「石狩南高校前」から地下鉄「大麻駅」に向かう時と、反対に地下鉄「大麻駅」からバスで「石狩南高校前」まで来なければならない場合がある。そのためバス停の時刻表を写し、地下鉄「大麻駅」のバスターミナルで「石狩南高校前」行のバス時間をチェックしてから地下鉄を駆り、我が家へと帰ってきた。
 気温の方は思っていたほど上がらず、川沿いのコースは適度な風も吹いていて、気持ち良く歩くことができた。
 腰の痛みもまったく感ずることなく歩き通すことができホッとしている。コース自体は約12キロと表示されていたが、S & Gまでの距離や、コースから離れたことも何度かあったこともあり、スマホの歩数計を確かめると19キロと出ていた。それでもそれほど疲れを覚えることなく家に帰りつけたのはちょっと自信になった。
 この後も、機会を見つけて事前踏査を継続したいと思っている。             
 ◇事前踏査実施日 4月16日
 ◇事前踏査距離  約12キロ
   

北海道交響楽団第96回演奏会

2024-04-15 18:24:52 | ステージ & エンターテイメント
 う~ん…。感動するには今一つだったかなぁ~。私ごときがそう評することは、とても失礼なことではあるのだが、敢えてそう表現させてもらった。前日に私が札響の音を聴いていたというディスアドバンテージの状況であったこともあるのだが…。

     
 ※ ポスターに特徴のある絵が描かれています。金沢和彦作「大合戦」という名が付けられています。この日の第2曲目、第3曲目がどちらも大戦の影響を受けた曲だったことから、このような画を採用したのでは、というのは私の解釈です。

 三日連続の音楽三昧である。昨夜(4月14日)、札幌コンサートホールKitaraにおいて北海道交響楽団の第96回の演奏会が行われ友人たちと共に参加した。
 「北海道交響楽団」(以下、道響と称する)はその名が示すとおり、北海道においていち早く結成され(1980年結成)、80名を超える団員を有し、北海道を代表するアマチュアオーケストラとして自他ともに認める存在だと私は理解している。だから演奏会の回数も96回目とアマチュアオーケストラとしてはだんとつの回数を誇っているのだ。

※ 80名を超える大演奏陣による演奏会でした。写真はウェブ上から拝借しました。

 さて、その道響が昨夜演奏した曲目は…、
 ◇D.カバレフスキー/組曲「道化師」
    1.プロローグ 2.ギャロップ 3.行進曲 4.ワルツ 5.パントマイム
    6.間奏曲 7.叙情的小シーン 8.ガボット 9.スケルツォ 10.エピローグ
 ◇J.シベリウス/交響曲第6番 ニ短調 作品104
    1.Allegro molto moderato
         2.Allegretto moderato₋Poco con moto
         3.Poco vivace
         4.Allegro molto₋Doppio più lento
 ◇D.ショスタコーヴィチ/交響曲第9番 変ホ長調 作品70
         1.Allegro
         2.moderato₋Adagio
         3.Presto (attacca)
         4.Largo (attacca)
         5.Allegretto‐Allegro
〈アンコール〉◇D.ショスタコーヴィチ/モスクワ・チェソョームシキ
                             組曲より 第3曲 ダンス(ポルカ・ギャロップ)
 この日のラインナップだけではなく、道響の演奏曲目から感ずるのは「いつも本格的な曲目に挑戦しているなぁ」という印象である。それはやはり伝統的なオーケストラであるという矜持がそうさせるのだろうか、と思ってしまう。
 私のような者から云わせてもらえば「そんなに肩ひじ張らずに、本格的なものと少しリラックスできる曲目を織り交ぜてもいいのでは?」とも思うのだが…。特にこの日の場合は、シベリウスの曲がやや沈んだ曲調だったこともあって聴いていてもやや辛いところがあった。
 ちょっと皮肉になってしまうが、私自身が一番盛り上がったのはアンコールのポルカ・ギャロップの速く激しい一曲だった。客席の反応もこの曲が一番だったのではないだろうか?組曲「道化師」も楽しめたが…。
 まあ、私のような外野の者がどう云おうとも道響は道響の道をこれからも歩んでいくのだろうが、どうか道民や市民に愛されるオーケストラとして、100回と云わず、さらに上を目指して伝統を守り続けてほしいと願っている。

ロジネットジャパンチャリティーコンサート

2024-04-14 12:14:08 | ステージ & エンターテイメント
 「やっぱり札響はいいなぁ…」と思わせてくれた昨夕のコンサートだった!チャリティコンサートという趣旨を考慮した選曲も、より親しみやすい曲目を中心に選定してくれた配慮も嬉しかった。

     
        
 昨夕(土)、札幌コンサートホールKitaraにおいて札幌交響楽団が演奏する「ロジネットジャパンチャリティーコンサート」が開催され、昨年に引き続いて参加した。

   
   ※ プログラムの写真を拝借して掲載しました。

 指揮者は2019年から3年間、札響の指揮者を務めた若き松本宗利音さん(当年30歳)である。私はこの松本さんの名前に注目した。呼び名は「しゅうりひと」と呼ぶ。ちょっと変わった名前なので調べてみると、音楽ファンだった両親がドイツの指揮者カール・シューリヒトの夫人から許可を得て名付けたものだそうだ。そして両親の期待どおりに(?)一流の音楽家になったということだから、両親の応援も松本氏の努力も素晴らしいものだったに違いない。

         
         ※ この日の指揮を執った松本宗利音氏です。

 松本宗利音さんの指揮は昨年の「札響の第九」でも拝聴しているが、その若々しい指揮ぶりが印象に残っていた。昨夕も若さに溢れた心地良いタクトぶりだった。
 さて、昨夕のプログラムは…、
【第1部】
 ◇B.スメタナ/連作交響詩「我が祖国」より “モルダウ” (ヴルタヴァ)
 ◇H.トマジ/トロンボーン協奏曲    トロンボーンソロ 中野耕太郎
【第2部】
 ◇すぎやま こういち/「ドラゴンクエスト」序曲X
 ◇久石譲(直江香世子編曲)/ジブリ名作メドレー
   ・Cinema Nostalgia(金曜ロードショー2代目OP)
   ・ハトと少年(天空の城ラピュタ)
   ・海の見える街(魔女の宅急便)
   ・人生のメリーゴーランド(ハウルの動く城)
   ・あの夏へ(千と千尋の神隠し)
   ・風の通り道(となりのトトロ)
   ・もののけ姫(もののけ姫)
 ◇J.ウイリアムズ/「ハリー・ポッターと賢者の石」組曲
    Ⅰ.ヘドヴィグのテーマ
    Ⅱ.賢者の石
    Ⅲ.ニンバス2000
    Ⅳ.ハリーの不思議な世界
〈アンコール〉 
 ◇久石譲/Summer(菊次郎の夏)
 このラインナップを見て、アニメファンや映画ファンは例えクラシック音楽に興味のない方でも「聴いてみたかったぁ…」と思われる方がいるのではないだろうか?私の場合は久石譲の曲の何曲かは「聴いたことがあるなぁ」と思いながら耳を傾けていた。
 それ以上に札響の音の素晴らしさを再確認させられたのは1曲目の「モルダウ」だった。滔々としたモルダウ川の流れを彷彿とさせられる旋律、そして演奏は鳥肌が立つ思いだった。
 札響の副首席奏者である中野耕太郎氏のトロンボーンは、私にとってはやや難しくその良さを十分には感得できなかったのが残念だった。

        
        ※ トロンボーンソロを披露した中野耕太郎氏です。

 いずれにしても松本宗利音氏の指揮と相まって久しぶりに札響の音を堪能させてもらった一夕だった。

ワンコインでも上質のコンサートが…

2024-04-13 19:44:56 | ステージ & エンターテイメント
 「ワンコイン(500円)で、こんな素晴らしいピアノコンサートを聴けるとは!?」というのが正直な感想だった。主役のピアニスト岩田真由美さんは相当にキャリアの持ち主である。彼女の紡ぎ出す音色は明らかに音の深みを感ずることができた。

     

 昨夜(4月12日)、札幌時計台において「時計台ワンコインコンサートvol.2」が開催され参加した。コンサートは道銀文化財団の「道銀芸術文化助成事業」の後援を受けてのものだったようだ…。
 出演されたのは、ピアノデュオの岩田真由美さん山川充さん「マ・コルド・ダルク」とヤングアーティストとしてピアノの畠山伶寧さん、ソプラノの畠山瑠那さんの姉妹だった。
 岩田さんは東京芸大付属の音楽高校、そして東京芸大器楽科ピアノ専攻を卒業し、ヨーロッパで研鑽を積み、現在は岩見沢市在住で札幌市を中心に音楽活動をしながら、教育大岩見沢校で非常勤講師として後進の指導にも当たっておられるという。
 一方、デュオを組む山川充さんも東京音大ピアノ科を卒業後、ヨーロッパを中心に各地で演奏活動をされたキャリアを持つピアニストである。
 畠山伶寧さん、畠山瑠那さんの姉妹は二人とも教育大岩見沢校の音楽専攻で伶寧さんは卒業してプロを目指し、瑠那さんは在学中ということでいわば岩田さんの教え子に当たる方々である。
 この日のコンサートでは「フランス音楽の夕べ」と題して、フランスを代表する作曲家ガブリエル・フォーレ(1845-1924)を特集した内容だった。(フォーレ以外の演奏も加わっていたが…)コンサートレポの例によって演奏された曲目を演奏者とともに羅列すると…、
 ◇J.P.ラモー/ロンド―形式によるミュゼット 鳥のさえずり 
 ◇G.フォーレ/月の光            岩田真由美(ピアノソロ)
 ◇阿部俊祐/「かぼちゃごよみ」より 六月   畠山瑠那(ソプラノ)
                                                                                    畠山伶寧(ピアノ伴奏)
 ◇G.フォーレ/パヴァーヌ              
 ◇G.フォーレ=メル・ボニス/月の光    マ・コルド・ダルク(連弾)
 ◇G.フォーレ=アールワイルド/「夢のあとに」による即興曲  
                         山川充(ピアノソロ)
 ◇C.サンサーンス/「動物の謝肉祭より」
  1.序奏とライオンの行進曲
  6.カンガルー
  7.水族館
  12.化石
  13.白鳥
  14.終曲              岩田真由美・畠山伶寧(連弾) 
 ◇C.ドビュッシー/「ベルガマスク組曲」より
   1.前奏曲
   3.月の光
   4.パスピエ                畠山伶寧(ピアノソロ) 
 ◇G.フォーレ/組曲「ドリー」作品56
   1.子守唄
   2.ミ・ア・ウ
   3.ドリーの庭
   4.キティ・ワルツ
   5.優しさ
   6.スペイン風の踊り          マ・コルド・ダルク(連弾)
以上だったが、正直言ってG.フォーレなどという音楽家は私にとって初耳だった。その良さを感得せよ、と云われても私にはチンプンカンプンだったのが正直なところである。私的には多少とも聴き憶えのあったサンサーンスの曲がやはり心地良く聴こえた。
 ところで岩田さんの紡ぎ出す音色だが、教え子である畠山伶寧さんと聴き比べてみると、明らかにその違いを感ずることができた。畠山伶寧さんとてプロを目指しているくらいだからその技量には十分なものを感じさせてくれたが、やはり両者を聴き比べてみるとその違いは歴然としていたように思えた。いわゆる岩田さんが紡ぎ出す音には深みのようなものを感ずることができたのである。やがては畠山もそのような技量を獲得していくのだろうが…。
 岩田さんは、できれば今後もワンコインコンサートを継続していきたいという。岩田さんの中にはクラシック音楽をより多くの人たちに親しんでもらいたいという願いがあるのだろう。私もできるかぎり応援したい。                 

レリーフ「大地」制作記録映像「三人の手」上映会

2024-04-12 14:13:25 | 映画観賞・感想
 「三人の手」とは、1960年代に北海道に縁のある著名な彫刻家だった本郷新、山内壮夫、佐藤忠良の三人の手を表している。彼ら三人は、北海道銀行本店に掲げられている幅41m、高さ3.3mの国内でも他に例をみない巨大なレリーフ「大地」を共同で制作したのだった。

     

 昨夜(4月11日)、市民交流プラザのSCARTSスタジオにおいて本郷新記念札幌彫刻美術館が主催する表記記録映像の上映会があり、参加した。
 実はその巨大なレリーフは、北海道銀行本店が移転と建物取り壊しとなるため、間もなく私たちの目の前から姿を消す運命にあるのだ。銀行などには縁のない庶民の私は通常の預貯金などで訪れたことはなかったが、本店ロビーで開催される「道銀ロビーコンサート」などで時折り訪れた時にはその巨大なレリーフを眺めさせてもらっていた。
 上映会は上映時間が短い(22分間)こともあり、3回の上映が設定されていたが、私は初回の午後6時の部に参加した。定員は60人ということだったが、満員の大盛況で後から椅子を補充していたことから80人近くがいたのではと思われ関心の高さを伺わせた。
 さて三人の彫刻家とは、当時国内的にも著名だった本郷新山内壮夫佐藤忠良の三人である。三人の作品は大通公園にもそれぞれ展示されている。
 その三人が「大地」というテーマのもと、北海道の産業や歴史風俗をどのように表現するのかというディスカッション、そしてデッサンと共同で作業を進める様(場所は東京の本郷新のアトリエだったようだ)が克明に描かれていた。
 そして実際の制作模様が描かれていたのだが、そこで私は意外な光景を目にした。彫刻ではまず最初に粘土でもって成形するのだが、その段階で彫刻家たちは粘土を丸めて壁にぶつけるようにして貼り付け、それを指でもって平らに均していた。それから各々の手で粘土を成形していた。私は巨大なレリーフを制作するというのに、なんと非効率的な方法を取っているのかと思った。最初の段階など、何か機械によって平均に均された粘土を用意してもよさそうにと思ったのだが…。あるいは彫刻家にとっては、そうした些細な作業の過程が大切というのかもしれないと思わされた。
 続いて成形された粘土の造形を石膏によって型取りがされ、最後にその石膏にポリエステル樹脂を流し込んで完成という過程を辿った。
 巨大レリーフは、1m四方のポリエステル樹脂板93枚に分割されて制作され、それを銀行本店の壁に設置されるまでを映し出してくれた貴重な映像だった。
 レリーフは見たところブロンズ製のように見えたが、実際はポリエステル製だということだった。その訳は、ポリエステルが銅の重さの13分の1という軽さで、銀行本店の壁に設置するには危険もなく好都合ということがあったのかも知れない。
 さて、問題は北海道にとっては貴重な文化遺産でもあるレリーフ「大地」だが、巨大ゆえに転居先が見つからず、しばらくは倉庫に眠らざるを得ないということだ。どこかで再び私たちの目の前にその巨大な姿を現してほしいと願うのだが…。

リニューアルオープンした青少年科学館を覗いてみた

2024-04-11 16:43:30 | 札幌ぶらり散歩 & Other
 約一年半の休館を経て、4月1日にオープンしたという札幌市青少年科学館を覗いてみた。子どもたちが喜ぶように工夫された展示が並んでいた。しかし、当たり前のことだが青少年科学館は教育施設である。小学校高学年くらいの子たちに科学的興味を抱かせるような仕組みが随所に見られた施設だった。

   
   ※ リニューアルオープンした「札幌市青少年科学館」の正面入口です。

 学校の一学期が始まり、しかも平日ということでオープン当初の混雑は避けられるだろうとの読みで本日午前に青少年科学館を覗いてみた。
 入館料はシニア(65歳以上)で500円、さらにプラネタリウム観覧料が360円の計860円だった。
 「混雑はないだろう」という読みは、半分は当たっていたようだが、幼児を連れた親子連れがけっこう訪れていて、展示室はそれなりに賑わっていたが、休日ほどではないのだろう。
 内部の展示は、1階はプラネタリウムの観覧会場が主で、後はチケット売り場、売店などで展示室は2階、3階になっていた。
 リニューアルの目玉は、美しい雪の映像を楽しめる「スノードームシアター」や、食べ物になったつもりで迷路をたどって消化の過程を学べる「食べ物の旅」などが売りとなっていた。
 私はせっかく遠くまでやって来たのだからと一応全ての展示を見て回った。
 その中で2階の「環境・気象エリア」は雪国北海道の気候を中心とした展示が目を惹いた。クイズ形式で北海道の気象を理解させようとする展示は興味深かった。また、冬のスポーツである「スケルトン」、「カーリング」を模擬体験するコーナーもおそらく新しく導入された遊びのコーナーだったようだ。

   
   ※ 北海道の冬の気候を説明する展示です。
   
   ※ 今回のリニューアルの目玉の一つ、スケルトンの模擬体験コーナーです。
   
 3階展示での呼び物はやはり「食べ物の旅」を売り物にした「ボディアドベンチャー」だろうか? 開いた口の模型から人間の内に入り、食べ物の通り道を体験するというものだったが、入口の模様がけっこう刺激的なのだが、内部はそれほど精巧には再現できなかったきらいがあったと感じたが、他の人たちははたしてどのように感じられるのだろうか?

   
   ※ インパクトの大きい「食べ物の旅」の入口でしたが…。

 私はそれよりは3階のフロアで1時間ごとに行われる「サイエンスショー」に期待を抱いた。4月~7月は「炎いろいろ」というテーマでの15分程度のショーであったが、なかなか興味深かったが、これもまた小学校高学年くらいの子たちを対象としたもののようであった。

   
   ※ サイエンスショーで炎の色にもいろいろ違いがあると示した実験です。

 私はそれより興味を抱いたのは、今回のリニューアルで新たに導入されたらしい「企業展示エリア」だった。現在は(株)ドーコン、北海道ガス(株)、大和ハウス工業(株)の3社の展示がされていたが、興味を抱いたのは(株)ドーコンの展示だった。ドーコンとは総合建設コンサルタントの会社ということなのだが、同社が北海道の開発にどのように寄与しているのかについて、分かりやすくDVDで説明している展示が意外と良かったなぁ、と思われた。

   
   ※ (株)ドーコンが提案した(?)新札幌駅界隈のビル群の模型が展示されていました。

 教育施設において企業のPRとも思える展示はいかがなものか?という疑問がないわけではないが、社会的に意義深い(あるいは、科学的興味を促す)企業活動を展開している企業に展示スペースを開放することはもっと積極的になっても良いのではないか、と展示を見ながら思ったものである。
 以上、対象はあくまで小学校高学年を主としたものであろうが、どの年代の方でも興味は十分持てる施設である。夜空に夢を馳せるプラネタリウムと共に、一度は足を運んでみる価値のある青少年科学館だと私には思えた。