新年を迎えたというのに、去年のことで恐縮ですが、去年の12月に山形県の最上小国川では大変大きな動きがありました。 漁業権を盾にとった山形県の横暴が際立った月でした。さすが行政、ずるい、小賢しい、いや大賢しい挙に出ました。
(写真は午前9時20分頃の撮影です。)
10年ごとに更新される山形県の内水面の漁業権は、ちょうど2013年(平成25年)の12月で10年となり、更新の時期であったのをいい口実にして、それまでは設けていなかった条件、『公益上必要な行為への配慮』という条件を一方的に設置して、漁業権を付与して欲しければ、黙って県の言うことを聞けと言わんばかりの暴挙に出たわけです。
一連の簡単な流れは地元の河北新報で知ったのですが、実際に山形新聞の記事にあたって読んでみました。
2013年12月18日から同月26日までの記事を読めば一連の流れが分かります。
「配慮」の具体例として県は、①治水や内水面漁業振興に関する県の説明を聞くこと、②話し合いに応じること、③測量、影響調査を妨げないこと、を示しています。
結局は小国川漁協の沼沢組合長は苦渋の選択に追い込まれ、あくまでもダム建設には反対ではあるが、「アユ漁などの水産振興も治水対策も公益にかなう」ということから公益上必要な行為には配慮するという文言を入れた文書を提出することになり、山形県は25日に開催された県内水面漁場管理委員会に更新を諮問し、即日委員会は”適格”と答申し、今年1月から10年間の新たな漁業権が付与されることになりました。
山形県農林水産部は、「漁協に『ダム計画に賛成しろ』と言っているのではない。配慮するという言葉の『担保』を示してもらえれば漁業権は付与できる」なんてことを建前論としていていますが、実際問題として受け取る方がどう感じるか、非常に大きな圧力と感じるのが普通でしょう。
今後山形県はこの配慮を根拠にしてどんな圧力をかけ、無理難題を押し付けてくるか、解釈の拡大を図り有無を言わさないような暴挙に出てくるか、どんな言いがかりをつけてくるか、十分に注意しなければなりません。
(漁協の組合員です。)
山形県の小国川漁協に対する締め付けは行政権、許認可権を持っているものとしてあくまでも謙虚でなければならないし、弱者の立場をどれだけ斟酌するかがとっても大事なことと考えます。
(北から南へ飛んでいる飛行機)
(これも南へ向かっていました。)
むかし昔このブログでも書いたことがあるような気がしますが、漁業権の付与に関して各漁協が設定している遊漁料こそ何とかして欲しいと思っています。 山形県の大河、最上川にはたくさんの漁協がありますがその中でも「最上川第八漁協」には大いに問題ありと思っています。
資料となっているのは、(ちょっと古いですが)平成18年2月に山形県農林水産部生産流通課が作成した「釣りのルールとマナー 山形県の内水面」という小さい冊子です。 小さい字で、43ページにわたりびっしりといろんなことが書かれています。
小国川の遊漁料金は1日券で1800円(現在も同じ)、年券が9000円です。 寒河江川がある最上第二漁協は1500円と6000円、この二つの漁協は河川管理やアユの放流等についてもよくやっていると思います、山形県の代表的な優良漁協でしょう。
しかるに最上川第八漁協は、何となんとナント驚くなかれ、1日券 友釣り:3000円、ガラガケ3000円、 年券は友釣り、ガラガケともに10000円なのです。 この金額だけを見れば何という素晴らしい漁協だろうと思うかもしれません。そんなに高い入漁料をとるのであればさぞかし漁協組合の体制も河川管理も、遊漁者に対するサービスも非常に素晴らしいことだろうと思うでしょう。
ところがどっこい、現実は全くその逆なのです。 例えばアユをみると、本当に放流して鮎資源の確保をしているのかどうかさえ非常に疑わしいと言わざるを得ません。 何もしなくても天然鮎は最上川を遡上してきます。 漁業権確保のために放流はしているのでしょう、してはいるのでしょうがどこにどれくらい実際に放流しているのか、内水面漁場管理委員会は確認しているのでしょうか。
最上川第八管内に行ったことがありますが、どこにも養殖アユを売っているところはありませんし、どこで日釣り券を買えばいいのかも全く分かりません。 その時思ったのはこの管内の漁協は何もしていないのではないか、いや正しくは何もしなくてもいいのではないかとさえ思った次第です。する必要がないのではないかと。 ほっといて金を巻き上げるのか!?とさえ感じた次第です。
こういう漁協の漁業権の更新こそしっかりとやって欲しいものです。入漁料を徴収する資格のない漁協としか言いようがありません。 「公益上必要な行為への配慮」ではなく、「公益上必要な行為」を行うように指導して欲しいものです。