今23日、午後9時24分ですか。 きょうは天皇誕生日でもあります。 そしてクリスマスイブには一日早いですが、外は雪。 少し積もっています。
電線にも積もっています。
柿の木もお色直し 
きのう午後3時5分、5分遅れで仙台フィルハーモニー管弦楽団特別演奏会、「ベートーベン交響曲第9番ニ短調作品125」の演奏が行われました。 場所は宮城県民会館、今は東京エレクトロン宮城。 去年は東日本大震災の修理のためここは使えませんでした。
私としては「仙台フィルと第九をうたう合唱団」に入って3回(年)目となりますが、県民会館はおととしについで2回目となります。
雪の中車で送ってもらって早めに着いたのが10時25分頃ですか。きょうの集合時間は10時50分と言われていたのですが、それでも4,5人来ていました。すでに本番の服装で来ている人も何人かいましたが、私は白のYシャツと黒の靴だけにして、上下の黒服や蝶ネクタイは持参しました。 男性の集合場所は6階の601号室。
11時から402号室にて発声練習とオケ合わせの時にマエストロから言われたことを指導者から再度言われ、その部分を歌って確認しました。指導者からは何とかリラックスさせようという気持ちが伝わってきます。道化役者になってみんなを笑わせます。狭いところに200人以上が集まると息詰まります。
11時40分頃か廊下に上手・下手に分かれて丹生上順に並び、歩いてステージへ向かいました。ソプラノとテノールは下手、3回とも下手からの入場ですね。私は一番前なので、最後に入場することになります。
12時過ぎにゲネプロ(G.P.)の開始。 緊張感が漂う中マエストロが入ってきて、第4楽章が金管楽器、ティンパニーを中心にして華々しく幕あけ。 G.P.は、ソロと合唱については問題はなかったようですが、弦楽器関係でマエストロと団員のやり取りがありました。さすがプロ、真剣勝負だなという感じを受けました。
合唱の全体としては問題なかったのですが、個人的にはちょっと拙いことがありまして、少し落ち込んでしまいました。 後半の方の出だしが少し早かったのです。隣の人に正直に話して聞いてみたところ、聞こえなかったと言われましたが。 どうもマエストロの指揮の仕方、両手の動きを注視しているのですが、どこから入ればいいのか分かりにくいのです。去年のマエストロは一緒に大きな口で歌ってくれるので分かりやすく、安心して歌えたのですが・・・。今年の「せんくら」までは早く出るなんてことはなかったのに。
午後1時10分過ぎに終了。6階の控室に戻って昼食と休憩。満腹になるときちんと歌えないということは言われなくても身に染みて感じていたので、きょうの昼食は小さめのおにぎりとみかん1個だけです。お茶のペットボトルは1本。のど飴はベテランからもらいました。はじめて分かったのですが、”合唱用ののど飴”なるものが売られているのですね。 音楽大学の何某と共同開発したとかのうたい文句。
昼食休憩後、正装に着替えていよいよ本番を迎えます。普段していない蝶ネクタイはフック式ではあっても正直なかなかきちんと結べないのです。セットの仕方が悪いのか、もともとネクタイが悪いのか、どうしても右側が少し下がってしまうのです。どうでもいいようなことでも、いざとなると気になってくるものです。
2時25分、また402号室に全員集合。発声と注意事項の確認後、廊下に出て順番に並びいざ本番ステージへ。階段で4階から地下を通って1階に出てステージ裏下手側に出ます。1階から地下1階のところが冷えるところ、寒いのです ステージ下手カーテンの後ろに整列します。スタンバイ完了。 入場OKのサインを待ってステージへ。 4段目の人たちから入場し、われわれ最前列のものは一番最後の入場です。
ステージは極めて明るく眩しく暖かい(暑いとあではいかなかった)ところ。合唱団の入場の時はまだ客席も明るい照明です。 数人知り合いの人たちがいるのですが、メガネをかけて客席を見回しても分かりませんね。 客席は1階から3階席までありますが、見渡すわけにもいかず、そうしているうちに楽団員が入場し、マエストロが入ってくると、客席の証明は落とされていきます。 そして立っていた合唱団員は、マエストロの指示で腰を下ろします。
おととしもテノールの一番前で、ティンパニーのすぐ後ろでした。全く今年も同じです。みなさんはティンパニーをどう見ていますか? 太鼓が2つか3つあって、それらを両手でまたは片手で時に強く時に弱く叩くというイメージをお持ちかと思うのですが、この第九に関して言えばとっても大変かつ重要な楽器となっています。
第九にとってティンパニーはなくてはならない楽器です。第1楽章、第2楽章、第4楽章はティンパニーがなくてははじまりません。今回は大きいのと少し小さいのと二つが活躍しましたが、奏者は常に音色に注意し、ハンドルを何度も動かしたりして太鼓表面の張り具合を調整しています。表面に耳を近付けて聴きます。 また足もとには頑丈そうな分厚いペダルがあります。それは何をするのか、空気の調節なのかも。
和太鼓であればバチにあたるものマレットというようですが、それが2本セットで何セットも用意されています。ほとんどは布状のもので覆われていますが、覆いがないものもあってそれも大活躍します。 そしてティンパニーはマレット(ばち)で叩くだけではなく、叩いてすぐに掌で音を止めたり、手のひらを滑らせてみたりと後ろから見ていると大変だなあと思ってしまいます。
我々合唱団員は35分から40分近くじっと、それこそジーと座っています。低い方の客席からは見えないとは思うのですが、だからといって左右を見たり、体を動かしたりするわけにはいきません。肩さえ動かしてはいけないように思ってしまいます。そのためか、肩が凝り始めます。折角発声練習等で肩や顔、顎、口回りを柔らかくほぐしてきたのに、固まっていきます。口回りを動かしたいのですが、そうすると自分だけがいわゆる”変顔”をしているのではいかと思ってしまうのですね。一番前だから団員の様子が分からないといううこともあるかな。こんなに固くなっては高い声が出るはずがない、出せない、でもどうしようもない。
それと私にはもう一つ心配事がありました。くしゃみとかあくびを抑えるということは3回目ということもあって何とかなるだろうとは思っていたのですが、座っていると固まるのは肩や顔だけではなく、腰もあるのです。 ここ数年全く”腰”には自信がなく、長いこと座っていると立ち上がるのも一苦労というか、”よっこいしょ”という掛け声が(声に出す、出さないの違いはありますが)必要ですし、どうしても腰に手を回し、叩くという一連の動作?が必要になってきています。 腰が頑丈な人には想像もつかないのかもしれませんが、椅子から立ち上がるのも腰には負担になるのです(と思っています)。
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第4楽章が始まって7分後くらいに大きな音が鳴り響きます。そのときに一斉に立ち上がるという約束になっています。 心配は杞憂となり、ほっとしました。
バリトンのソロが216小節から入ります。 それを受けて男性陣(バスとテノール)の第一声が明るく続きます。 Freude! Freude! この第一声が出ると、もうあとは歌うだけ、進むだけです。流れに乗って「歓喜」を歌うだけです。 合唱団全員が一つになって声高らかに歌い進みます。 今までの座って待っていたことはどこへやら、歌い始めると時間の経つのが早いこと、早いこと。 今回はマエストロの指揮が早いのです。テンポが終盤にかかればかかるほど早くなってきます。今まで経験したことのない早さでした。
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(543小節~)Freude,schöner Götterfunken, Tochter aus Elysium, Wir betreten feuertrunken, Himmlische, dein Heiligtum!
(595小節~)Seid umschlungen, Millionen! Diesen Kuβ der ganzen Welt!
654小節からの”二重フーガ”も乗り切り、 809小節 alle Menschen werden Brüder, wo dein sanfter Flügel weilt ・・・・
そして、最後の855小節へ。 Freude schöner Götterfunken! Götterfunken!
終わりました。歌い終わりました。歌い切りました。 会場からは万雷の拍手が鳴り止みません。これは本当に嬉しいことです。 これを経験するともうやめられなくなります。一種の中毒、麻薬のようなもの?
402号室に集まっての解散式。大入り袋と参加認定証が配られました。
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大入り袋の中身はご存じのように 5円硬貨 です。
控室の601号室へ。 さらに嬉しいことにこの私に花束が待っていたのです。 上の写真がそうです。元の同僚たちからの花束です。
ということで感激しながら、余韻に浸りながら帰途に就いたというわけです。ありがたいことです。 みんなに、家族に感謝です。