15分残しての早上がり。車に戻ってさっさと着替えをする。
10時を過ぎて、三々五々選手たちが戻ってくる。話し声が、嫌でも聞こえてくる。予選突破ラインは13匹だとか、いや14匹だとか。
釣友からもどうだった?と聞かれるが、「全く駄目!」いくらかけた?との問いには、「聞かないで!」と返事しなければならない、惨めさ。屈辱。
決勝戦は見ないことにして、帰宅しようかと思ったが、さすがにそれではあまりに情けない!まだ時間はある。折角ここまで来たのだから、基本に返って、泳がせつりの練習をしようかと、殊勝にも考え、実行することにした。
小国川では今後も大会が予定されているし、時間を有効に使わない手はない、もったいない。
そこで、顔なじみのS名人宅に寄り、おとり鮎を購入。
(S名人は、Sビール会社を定年前に退職して、仙台から山形県舟形町に奥さんたちと移住して、漁協の組合員となって、釣りの振興、小国川の振興のために日夜努力している素晴らしい人です。)事情を説明したら、何と1000円で5匹も養殖オトリをくれました。ありがたいことです。
【なお、Sさんからも言われたことですが、おとり鮎は川に放流しないで持ち帰って食べて欲しいとのことです。開きにすれば十分おいしいとか。 また、釣った鮎で小さいものでも、再放流しないで同じく持ち帰って欲しいとのことです。 併せて、もうご存知かとは思いますが、他の川のオトリの持ちよりは厳禁ですので、こちらもよろしくお願いします。 この場をお借りして、オトリのお礼もかねて、細々ながらこのブログでも広報させていただきました。】
オトリは手に入れた、どこで泳がせの練習をするか?
さっきがまかつの全国大会の時に友達となった新庄市在住のKさんが言っていた、下流の身障者用トイレがあるところに入ることにする。
ここには低い堰堤(崩れた堰堤?)があり、荒瀬の上流部はカガミとなっている。
早速、川に入り、川の中央より右岸寄りから右岸を攻めてみることにする。
11時5分、第一投?目。
ここにもあゆはいる、一杯いる。跳ねている。今にもすぐにかかりそうではあるが、またオトリは「劣り」にはならずに、よく泳いでくれるのだが、かからない。
悔しいことに、目印のあたりでいい型の鮎がジャンプする!!
じっと我慢し、集中して泳がせる。しかし、かからない。おかしい??今日は徹底的にだめなのか・・・
今日だけではなく、もしかして今後も駄目だったりして・・・。不吉な考えも頭をよぎったり・・・。
おとりを代えて、一番形のいい大きい元気なおとりにする。そしたら、11時35分、待望のあたりが、目印に出る!!ガツーんという当りではない。ようやくかかった!!今日はじめての鮎、小国川の「松原鮎」として昔から重宝がられてきた鮎が。
しかし、小さい。13cm位か。オトリよりもかなり小さい。
でも待望の1匹。さっそくおとりを代えてよし、いよいよこれからだと意気込んだものの、このおとりはかかりどころが悪かったのか、あまり潜ってくれないし、すぐに浮きたがる(本人(魚)はそんな気はないのでしょうが)。
また養殖おとりに代えて泳がすも、かからず。12時20分に納竿する。
諦めた。今日は何をやっても上手く行かない日なのだと。
よく冷えたざるそばを食べて帰途に着いたという訳でした。
山形県は風は強かったが、晴れ。しかし奥羽山脈を越えると天気は曇りから霧雨へ。仙台は小雨という有様。
山形から持ち帰った6匹の鮎は、別の入れ物に移し変えて、広瀬川に生けておきました。(こういうことはいいことなのでしょうか?)明日できるのであれば、川に入るつもりで。
広瀬川は解禁日よりも水量は豊富になり、濁りも入っていました。予報では明日(10日)も雨で本降りというから無理かもしれないと思いながら。
帰宅して、荷物を整理して、缶ビールを飲みながら新聞を読みました。前にも1回朝日歌壇の歌を紹介しましたが、馬場あき子選の短歌の中に「釣れてよし釣れなくてもよし寧日を寡黙の浮子と対話楽しむ」(銚子市・小山年男)という短歌がありました。選評では「釣りの楽しみ方を少しはずして、精神の養いにしているのが独特」と。
皮肉なんでしょうか?!でもこういう心境で純粋に鮎釣りを楽しむということが必要なのでしょう。一杯釣ろう、人より釣ろう、勝とう、とか思うようでは駄目、釣れても釣れなくても、釣り自体を楽しむ!!
風は強かったが、快晴のもとで竿を出せたということだけでもよかった、ありがたいと感謝すべきだったのでしょうか。
今日の一日は試練の一日、釣りの極意、目指すべきものを教えてもらったのかも。
今日10日の仙台はほぼ一日中、雨降りでした。梅雨そのものです。