
前回の続き。
宿泊予定地の避難小屋に到着し、重い荷物を降ろした。室内にあった温度計は0℃を指している。昼間でこれだと夜はどのくらいになるのだろうか?
ま、心配してもどうにもならないので避難小屋から15分程度にある山頂を目指した。
私の場合山歩きをしていて特に「山頂」を意識しているということはなく、行きたい山域に泊まれそうな場所があるかが最優先でその近くに頂上があれば行く、といった程度の気持ちなのだがやはり山頂は眺めがいいことが多い。

今回も予想通りの展望で、富士山は雲がかかっていて見えなかったが雲取山方面や大菩薩など奥秩父の山々を見渡すことが出来た。
しばらくすると次第に寒くなってきたので避難小屋に引き返し、早くも夕方の気配になって来たのでやはり、というかいつも通り、毎度毎度の宴会準備にとりかかった。

宴会準備とは言っても山での食事なのでたいしてやることはない。寒い中ではあるがビールでカンパイした後になんとなく料理をした。とりあえずの一品は秋田名物「いぶりがっこ」。もちろん作ったワケではなくスーパーで買ったものだが独特の香りがしてウマい。山でのツマミにピッタリだ。
実はこの避難小屋、富士山が良く見える場所だということなので途中何度か外に見に行ったのだがドアを開け閉めしているうちに室内温度も低下、気づけば氷点下3℃になっていた。

そしてメインディッシュは豚汁。寒いのは分っていたのでやはりこういう物になってしまう。予想はしていたが水場は涸れているようだったので担ぎ上げた水を大切に使った。明るいうちから飲み始め、ビール及びウイスキーを飲んだが疲れもあってか早い時間に消灯となった。
夜中に目が覚めたので外に出てみると粉雪の舞う中多くの星が瞬いていた。
続く。