前にも述べたが、看護職はプロ集団である。人員が足りず多忙すぎたとしても、そこで自分が目の前の仕事を放棄して退職したら残された現場がどうなるかはよくわかっているのである。にもかかわらず6人全員が一斉に辞職する道を選んだのは、どうしても管理者の人員配備・補充に起因するものではないと考えるのである。やはり特定保護者における恫喝に近いクレームが継続して行われたことにつきるのではないかと考える。自分の子供への愛情や心配はもちろんよくわかる。それに対して処置がおくれたということであれば、文句の一つも言いたくなるのはわかる。しかし看護サービスは機械が行うのではなく「人」が行うのである。継続する恫喝的クレームがあったとすれば、サービス内容が一層委縮するのは当然ありうる。結果的にクレームは、自分が享受するべきサービスの一層の低下につながることは容易に想像ができるはずである。