事実、その日の新幹線ダイヤは大幅に狂い、接続する交通機関の利用者も含め、東京から九州にいたるまで何十万人もの人に多大な迷惑をかけたことになる。また傷者も数多く、1名の死亡も確認されている。警察は殺人の容疑で捜査もすすめたようである。さて開業以来、死亡者0という神話を継続していた新幹線であるが、ついにここで死亡者が出てしまった。もちろん鉄道本来の事故ではないのであるがこの「0」という神話は死亡者が出た現在では消滅したことになる。開業以来、安全第一を考え業務に携わってきた職員はきっと大きく落胆しているに違いない。彼らにより積み上げられてきた努力の結果である「誇り」は、本来の鉄道事故ではなくこの1個人の不祥事により意図的に消滅したのである。