ZENさんがやってきたので、「親が具合が悪いんです」と言う話をすると、「あぁ今そうなの?」みたいな顔つきになって、「どのぐらい病院にいるのよ?」と言う話になって、「オレのおふくろと同じぐらいに入ったんだなぁ」と言った。
「そう言う時は会いに行っても、何もできなくてすぐに帰ってきちゃうのよ」と言うので、「ほんと、そんな感じです」と私は言う。
「でも、時々覚醒するぜ」とZENさんは言い、突然「なんでなかなか来ないんだボケ」と言われた事があるぞ、ああいうのはまだらだから、たまに覚醒することがあるんだよ、と言う。
ZENさんのお母様は美空ひばりが好きだったので、ZENさんはその曲をイヤホンで聴かせていたそうだ。すると時々「覚醒」したそうである。
こうして話を聞いてみると、その時になるとみんな同じような気持でいるのだなぁと思う。
何ができるわけもなくすぐに帰ってきてしまうのに、それでも先週も今週も父の所に通った。妹は行ける日は毎日父の所に行っているらしい。「そうしなきゃいけない」とも思わないのに、足が勝手に向くのである。不思議なものである。
nanuさんやAさんにも父の具合が悪いことをそれとなく言ってみたが、「それは大変だね」ぐらいで終わってしまう。自分も今までだったらそうだっただろう。親が死ぬ、それは大きな出来事だ。でも打ちひしがれるほど辛い事でもなく、かと言って何も思わず通り過ぎていくものでもない。
今までは「死ぬ」と言うことが大きなことだと思っていたけれど、それは最後の章なのであって、すでに少しづつ始まっているような気がする。
生きるか死ぬか、白か黒ではなくて、グレーというものが、それも少しづつ濃くなるグレーがあるのである。それが分かるには、やはり経験しなくてはならないのかな。
そんな折に、今度ぜいむ調査が入ることがわかった。
私は直接立ち合うことは無いが、帳票類を全て管理しているのが自分なので、その日は待機して指示された帳簿を見せたり、万が一社長が思い出せない場合があれば伝票を掘り出して思い出したりするのが役目である。不謹慎なのは分かっているが、それとこれが重ならないでくれることを何気に祈ってしまう。もしそうなった時は誰かに頼んで(?)、あとは野となれ山となれ。
「そう言う時は会いに行っても、何もできなくてすぐに帰ってきちゃうのよ」と言うので、「ほんと、そんな感じです」と私は言う。
「でも、時々覚醒するぜ」とZENさんは言い、突然「なんでなかなか来ないんだボケ」と言われた事があるぞ、ああいうのはまだらだから、たまに覚醒することがあるんだよ、と言う。
ZENさんのお母様は美空ひばりが好きだったので、ZENさんはその曲をイヤホンで聴かせていたそうだ。すると時々「覚醒」したそうである。
こうして話を聞いてみると、その時になるとみんな同じような気持でいるのだなぁと思う。
何ができるわけもなくすぐに帰ってきてしまうのに、それでも先週も今週も父の所に通った。妹は行ける日は毎日父の所に行っているらしい。「そうしなきゃいけない」とも思わないのに、足が勝手に向くのである。不思議なものである。
nanuさんやAさんにも父の具合が悪いことをそれとなく言ってみたが、「それは大変だね」ぐらいで終わってしまう。自分も今までだったらそうだっただろう。親が死ぬ、それは大きな出来事だ。でも打ちひしがれるほど辛い事でもなく、かと言って何も思わず通り過ぎていくものでもない。
今までは「死ぬ」と言うことが大きなことだと思っていたけれど、それは最後の章なのであって、すでに少しづつ始まっているような気がする。
生きるか死ぬか、白か黒ではなくて、グレーというものが、それも少しづつ濃くなるグレーがあるのである。それが分かるには、やはり経験しなくてはならないのかな。
そんな折に、今度ぜいむ調査が入ることがわかった。
私は直接立ち合うことは無いが、帳票類を全て管理しているのが自分なので、その日は待機して指示された帳簿を見せたり、万が一社長が思い出せない場合があれば伝票を掘り出して思い出したりするのが役目である。不謹慎なのは分かっているが、それとこれが重ならないでくれることを何気に祈ってしまう。もしそうなった時は誰かに頼んで(?)、あとは野となれ山となれ。