わが家の老犬「ごえもん」は、とうとう歩行不能に陥ってしまった。外では介護もままならないので、十日ばかり前から家の中で過ごしている。あと二月ほどで十九歳になるのだが、果たして誕生日を迎える事ができるかと、心配この上ない。起きるのは食事時と排泄の時だけ、一日の殆どを寝て過ごしている。だからといって、放って外出する事も出来ず、妻と交代での外出となり不自由この上ない。妻の友人の愛犬が「不義密通」して生まれた数匹の内の一匹だが、話しによると兄弟たちは皆死んだらしい。わが家の三代目の愛犬だが、今はいい小父さん・小母さんになっているなっている子供らが、中学・高校のころから居るのだから家族の一員である。孫たちにも可愛がられた。寝返りも出来なくなって、時折悲しげになく。ひっくり返して撫でてやると、安心して眠りにつく。まったく肉がなくなった身体だが、ふさふさの毛で何とか「男前」を保っている。
ごえもんヨ、不謹慎な話しだがお前が死んだ後は、オカアサンは「もう犬は飼わない」と言っているよ。オトウサンもそう思っている。次は「メダカ」を飼う事に決めているんだ。・・・悲しげに声を上げて・・水を飲んで・・又寝てしまった。
ごえもんヨ、不謹慎な話しだがお前が死んだ後は、オカアサンは「もう犬は飼わない」と言っているよ。オトウサンもそう思っている。次は「メダカ」を飼う事に決めているんだ。・・・悲しげに声を上げて・・水を飲んで・・又寝てしまった。