津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

熊本県立美術館「人間国宝三人展」

2008-02-09 10:25:19 | 熊本
 熊本県立美術館・本館では「人間国宝三人展」(2/7~3/30)が始まった。漆芸家の高野松山、増村益城、肥後象嵌の米光太平のお三方である。これは是非拝見したいと思っている。わが家には松山先生御作の「硯箱」がある。昭和28年の大水害に見舞われたおり、辛くも残った物の一つである。多分これも水に浸かったのだと思うが、漆蒔絵のあの光沢がまったく失われてしまった。おまけに、長男が小さい頃これを踏みつけてしまい、上蓋が壊れてしまった。父母が結婚祝に頂戴したもので、何とか補修できないものかと考えて来たが、そう思うままで今日にいたった。この「硯箱」を携えて、出かけようと考えている。学芸員の方にお見せして、修復の手立てなどもお尋ねし様かと思う。もう一つ壊れかけた漆が掛けられた竹細工の「文箱」もあるのだが、これは正体が分からない。益城先生の御作ではないのかと、密かに考えているのだが、鑑定をお願いし様と思っている。

 熊本県立美術館には、いよいよ4月25日(金)、待ちに待った「細川コレクション永青文庫」展示室がオープンする。熊本城の「本丸御殿大広間」の復元も完成し4月20日から一般公開である。色々楽しみな熊本の春である。
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志水宗加殿散財

2008-02-09 08:42:42 | 歴史
 寛永元年九月十四日「舟難破シ供替ノ家中多数水死ス」という、一大事故が起きている。詳細な場所の特定はないが周防沖加室とされる。志水宗加の多額の銀子も沈んでしまった。福岡県史・近世史料編・細川小倉藩(一)「日帳」から、事故の顛末を追ってみよう。

■9/20 今度御供替被上候舟之内、弐そう破損仕候、志水牛介・林加兵衛、歩之御小性衆弐十壱人、御鉄炮衆四人、其外下々相果候由、村上八郎左衛門(景広)大阪より罷下候、則式部殿へ夜ル之九つ過ニ被集候て、談合ニ候、牛介舟ニハ米田左兵衛(是次)・神谷半七被乗候、左兵衛・半七ハ身斗やう/\別の舟へ乗候てたすかり被申候、左候て、舟ハ弐艘共ニ見え不申候由候間、舟尋旁々御早舟壱艘・小早弐艘、御船頭(岡田)茂兵衛・(橋本)勘左衛門・(三宅)清兵衛三人上せ可申由ニ候事
■9/21 かむろ(加室、周防大島郡)へ九端凡(帆)ノ御舟・小早弐そう、合三艘、御船頭勘左衛門・も兵衛 (ママ) 御奉行ニ友田次郎兵衛被指上せ候間、今日七つ時分ニ出候へと、被申付候事
■9/22 歩之御小性衆乗申候舟そこね申候、たすかり申候御小性十弐人、九人ハ果申候、今橋三右衛門右之舟ニ乗申候へ共たすかり、使ニ参申候事
■9/25 上方ニ上せ申候小早ノ御船頭角(加来)久二郎罷下候、かふろ(加室)ニ而御鉄炮衆七人、松岡久左衛門者壱人のせ下申候事

■9/29 式部殿・與左衛門殿・利斎登城、今日宗加(志水清久)所へ見廻ニ参候へハ、今度ノそこね舟ニ、(志水)牛介ニ被言伝候銀子過分ニすたり申候、半分ほとハあかり申候、残る分を所ノ者かけ候て見可申之由候、然ハ、銀子二百め余入申候、此入目ハ宗加より出可申候、御船頭之内かうしやなる者壱人、小早ニ而被仰付可給哉との儀ニ候、いかヽ可有之哉と御奉行衆へ談合、被指上せ可然由ニ究候て、(鏡)善右衛門ニ被申付候、御船頭ハ太兵衛か弥右衛門か可然之由候、御加子被是入目之儀ハ、重而惣銀より出候か、又宗加より出候か、重而可有沙汰之由候事

■9/晦日 友田次郎兵衛か室より被罷下候、神谷半七歩之御小性衆罷下候、其外破損之様子、か室にて仕置旁之儀、書物具ニ御座候、御奉行衆へ被渡候事
■10/5 今度破損舟之御船頭衆ノ吟味を被仕、書物を上ケ候へ、■■明日之便ニ、江戸へ言上可仕之由、鏡善右衛門・糸川長左衛門・(橋本)勘左衛門ニ被申渡候事
■10/6 今度はそん仕候御舟御船頭ノ衆せんさく之儀、鏡善右衛門、御舟頭三人ニ被申渡候へハ、今度之そこね申候御舟之儀は、あわち(樋口淡路)罷下候まてハ、御待被成候て可被下之由申候ニ付、其分ニさしのへ被申候事
■10/26 今度かむろにて、破損舟之御船頭両人、ともニしちへやへ入置、穿鑿可仕旨被仰下候ニ付、両人共ニしち(へ)屋へ被入置候事
■10/27 御供衆破損舟之御船頭両人穿鑿ニ、瀬崎猪右衛門・町市丞しち(へ)屋ニ参候事、両人共ニ書物仕上ケ候事
■10/28 御船頭助太夫、理右衛門穿鑿ニ猪右衛門・市丞参候、書物仕上ケ候、一昨日ノ書物ニ無相違候事
■11/12 加室にて破損仕ル御舟ニ乗合、身から斗助候かちの御小性十二人、御鉄炮衆十人の分ハ、来年ノ御借米本がし・増がしともニすて被遣候間、新敷之さしかミ相調、御家老衆へ遣候事
■11/13 一、林加兵衛せかれニ御ふちかたの儀、少右衛門ニ申渡候事
一、(志水)牛助せかれニ、牛助知行無相違被遣候通、被成御書、則其旨高田角左衛門・山路太郎兵衛(ママ)ニ申渡候事

 志水宗加の沈んだ銀子がどうなったのか、記録は残されていない。水中埋蔵金になっているかもしれない・・・?


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