参考として:■天和二年の九州巡見使
この浮世絵は「富士三十六景・一石ばし」である。銭亀橋が見え江戸城が見え富士山を望んでいる。
銭亀橋がかかる堀が道三堀、堀の奥に見えるのが道三橋だそうで、図の左手奥が細川家の龍之口邸である。
一石(いちこく)橋は別名「八見橋」、自らを含めて日本橋・呉服橋・銭亀(瓶)橋・道三橋・常盤橋・鍛治屋橋の八つの橋が見渡せ、橋見物の名所であったとう。
石本馨氏の著「大江戸 橋ものがたり」を読んでいるが、それぞれの橋の由来・逸話が面白い。
道三堀は江戸城大手門へまっすぐ進む重要な堀で大どぶとも呼ばれる内堀につながっている。日本橋からこの一石橋・銭亀橋・道三橋へと江戸城への水運の要でもあった。
細川藩邸の様子がもう少し詳しく描かれていたらと残念にも思うが、雰囲気を味わうことのできる貴重な画である。