古書籍の老舗・舒文堂(河島書店)様から、第49号となる古書目録をお送りいただいた。深く感謝申し上げる。
全9,492点の書籍の一覧と、125点の書画幅類のカラー見本である。
本編に於いても32頁にわたり、153点の貴重な文書その他が紹介されている。
熊本藩関係についても多数の古文書が掲載されており、喉から手が出そうなものばかりで、何とも悩ましい限りではある。
一二点手に入れたいものもあるが、年金生活者としては一挙にとは参らぬ。
ゆっくり拝見して腹をくくらなければならない。
大日本インキ化学工業の「日本の伝統色」というカラー見本(写真左)は、現在「第8版」(9,614円)となっている。
私は第2版を持っているが、商売柄世の中が景気が良かった時代に、塗料店から無料でもらったように記憶する。
40年くらいは経ってっているように思うが、以来大事にしていて、地震の後も幸いにも見つけ出して今日に至っている。
右の「日本伝統色色名辞典」とともに、私の愛蔵品となっている。
それにしても色に関する日本人のなんと感性の豊かな事か、僅かな色相の違いにつけられた素晴らしいネーミングに魅入られてしまう。
二〇八
急度申觸候
一御浦而ニて田畑之役儀は、其御郡之井手・堤・道普請可
被申付候、餘之御郡へ参候筈ニてハ無之候事
一夫米・薪米何ニても、出る物は上村同前可被仰付候事
一船にて通し候ハて不成所は、舟加子共召仕可被申候事
右之外ハ諸役被仰付間敷候、恐々謹言
寛永十年八月十六日 田中 兵庫
宗像清兵衛
牧 丞大夫
御郡奉行中
二〇九
被仰渡候御印之寫
一兵粮を遣し國中を召仕候人足之事、兵粮を遣し候儀、郡
御奉行加判形、其者/\之手前え慥ニ届候様、加申付候
事
一我等取候て以來一國豊前ニてのことく、墨・筆・紙・油
惣庄屋手前其郡より割賦仕候様、又山札ニ至迄申付候日
限、目録ニ仕候て可申上候、印を可遣候、扨郡役仕様之
上中下可為存候、毎年如此可申付候、以上
寛永十年八月十六日 田中 兵庫
宗像清兵衛
牧 丞大夫
御郡奉行中
二一〇
一百姓六ヶ敷無之様ニ可仕候、隙をふさき候様仕間敷事
一百姓走申候事、隣ニ参候て居可申候、此御意少も疑申間
敷事
一御所務之時無油断様、奉行を堅可申候事
一御百姓彌一人も不召仕候様、可申付候事
一來年より物成口米を納可申由、被仰出候事
一鐵炮札銀ニて、はをりを彌誘置可申候事
一御國中、夫米・薪米迄可被召上候、來年之所務より被召
上間敷事
一諸御郡河札銀被成御赦免候、其段可申渡候、但託麻郡江
津之池・玉名郡丸池・川尻御茶屋之前川、此三ヶ所は御
慰被成所ニて候間、堅留可申事
一御小物成、當年も如去年半分被成御赦免候、彌此以後も
半分被成御赦免候間、此旨御百姓中へ可被申渡候事
寛永十年八月十六日 田中 兵庫
宗像清兵衛
牧 丞大夫
御郡奉行中
二一一
浦而被仰出御肩書寫
一肥後御國中御浦々御加子被召仕候時、水夫ハ河尻え寄夫
より壹人一日ニ貮人扶持被下、其跡妻子共一日ニ三人扶
持宛時々ニ可被下候由被仰出候、ヶ様ニ御座候得は、御
浦痛申儀無御座候、御米渡様は、荒瀬・小林・福田切手
ニて浦奉行判を加、水夫勝手之御代官より右之兵粮被下
候ハヽ、算用は御船頭より仕、切手引合に私手前より御
算用仕候得は、支申儀無御座候事
一上方より戻船御荷物は、無逗留候ハヽ、何程も可被仰付
候、御用ニ付て逗留仕候ハヽ、壹人ニ貮人扶持か被仰付
候、其船ニ有所之外、脇より之分は、日限次第麥之兵粮
可被仰付候事
一御下向之砌、大阪ニ御國船御用程居不申時は、他國船
被成御借、登御米御積被成候分は各別之儀ニ御座候間、
御國之船持共申分無御座候事
一御國之御米登り候時は、今迄届百石ニ拾三石之運賃被下
候、此後は拾貮石被下、他國船ニ御米無御積様ニ御座候
得ハ、浦々舟持共辱奉存候通申上候所ニ、申上候ことく
被仰付、忝奉存候、御國中之船不殘登候へハ、一立ニ四
萬貮千石餘登申候間、他國船不参候迚も御事闕申儀無御
座候事
寛永十一年九月五日 片岡新兵衛
右之通御印私手前ニ頂戴仕置候間、寫進之候、以上
九月五日 片岡新兵衛
右之通候間可被得其意候、以上
牧 丞大夫殿
浦手御郡奉行中
二一二
急度申觸候、御國中又上方え被参衆、所々ニ留り、薪銭
不遣候て通り候衆有之由ニ候、何も御組之御侍衆・御鐵
炮者・各被召仕候下々ニ至迄、此通堅可被申觸候、宿主
之切手ニて取候て罷通候様可被申付候、恐々謹言
寛永十一年正月十八日 沢村宇右衛門
長 岡 監 物
有 吉 頼 母
御組頭衆中