今回の史談会の資料として使おうと、8年も前の資料を取り出して読み始めた。
リストにしておこうと思い、すべてを取り出してみるとナンバーリングが出鱈目もよいところで、笑ってしまった。
改めて見てみると、侍稼業も大変だなとつらつら思ってしまう。
なんと決まりごとが多いことか、有吉家は世襲家老のお宅だが、このように立派な記録が残されているのもさすがな事ではある。
この中から、史談会で使うものをチェックしているが、なるだけ少なくしようと目論んでいる。
皆様も御暇があれば御覧じろ。ご先祖様の苦労のほどが判りますぞ。
大津御迎之式
侍帳改定にのめり込んでいたが、史談会10月例会まで10日をきった。
熊本日々新聞に掲載をお願いするための案内が、そろそろタイムアウトの状態になり昨日からパニック状態である。
今回は招聘講師の依頼もしておらず、自らやるしかない。
又「地図散歩」ならぬ「絵図散歩」で行こうと考え、これは以前会員Sさんのリクエストがあっていたのだが、病に伏され、過日帰らぬ人となられた。
遅ればせながら、約束を果たさなければならないという想いである。手元の絵図や各種紙資料を引っ張り出したり、PCの資料を見直したりして、10日もあれば資料の作成もできるだろう。なんとかやれそうだと目途をつけた。
今日は午前中、熊日さんに連絡メールを入れ、会員諸兄に案内状を作り発送を終えた。約3時間の猛スピードである。
三卿家老・有吉家に残されていた文書「年中行事抜粋」は、城中・花畑邸・時習館などで行われる御規式の詳細が記されていて、これを荒尾のS先生に遠路おいでいただきお話を伺った。まだ刊本にはなっていないから、当時の会員だけが所持する貴重な資料である。この有吉家文書に今一度光を当てたいと思っている
絵図を眺めながら、この文書から、該当項を取り出してお話ししようと思っている。
例会は来週の土曜日17日だが、今週の土曜日のような気がしていて、血圧も上り大いに身体に悪い。
日帳(寛永六年二月)廿三日 ~廿七日
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| 廿三日 安東九兵衛
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三齋ヨリ忠利ヘノ |一、三斎様より、追而 忠利様へ被進候 御状壱通幷靏壱つ、爰元ゟ差上せ候様ニとの儀にて、中津
書状幷鶴ヲ江戸へ | 御奉行衆より書状にて、夜前持せ被指越候事、則今日江戸へ上ヶ申候事、
上グ |
江戸へ上グ物数ノ |一、今日江戸さし上候物数覚
覚 |
及台子 | 一、御きうたい 弐つ 箱弐つ入、
大丸盆 | 一、大丸盆 三つ 箱壱つ入、
鶴 | 一、靏 三つ内 壱つハ 三斎様ゟ 殿様へ被進候、
| 壱つハ 源兵衛打候也、
| 壱つハ かい申鶴也、
川口ノ苔 | 一、川口ノのり 一包 壱斗五升、
切熨斗 | 一、きりのし 一箱 三斗入
| 右之分、御鉄炮衆飯田七左衛門・古藤一太夫二渡、江戸へ上候、但、壱駄分也、
江戸大廻ノ船 |一、江戸大廻ノ御船頭中村喜兵衛舟ニ、 御六様へ上候杉原弐束、此詰ニ御国小帋拾束入、此送切手
杉原紙 | ハ林隠岐仕、遣被申候事、
豊前小紙 |
伊勢参宮 |一、小林久助此中在郷へ参、昨夜罷出候由にて、登城被仕候、舟便次第、参宮仕由被申候事
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| 廿四日 加来二郎兵衛
| 先殿ニてノ、
|一、岡部道宇子息ニ付候而、江戸へ被参候歩之御小性衆松岡角太夫登城被申、〇様子申渡候事、
| (有清)
彦山座主ヨリ材木 |一、御寺御材木之儀ニ付、彦山座主御奉行衆ゟ之返事、又■重而座主御坊ゟ之御返事共ニ二通、此方
ノ返書 | ゟ彦山へ遣申状二通うつし仕、川田八右衛門・矢野勘右衛門式ア少殿へ持参被申、右之様子被申
| 候段々、式ア殿被仰候ハ、座主若キ人ニて、か様ニ被申候間、いそき落合、山杞取之儀申付可然
| 由被申候事、
日向ノ材木購入ニ |一、日向ニ而御材木被成御買候、此御材木取ニ御舟を被遣候か、無さ候ハヽ、うんちん舟ニ而成共と
船ノ手配 | (白井)(鏡)
| りよせ候様ニと、河田八右衛門被申候、兵介・善右衛門ニ御舟申付候ヘハ、今程御舟無之由申候
惣積衆ノ損得ノ勘 | ゆへ、さ候ハヽ、日向ニ而舟を借、つミ廻候か、爰元ニてかり解候かを、物積衆かんかへられ可
考ヲ求ム | 然由、申候ヘハ、日向ニ而御かり被成、御勝手ニ可成も、爰元ニ而御借リ肥成、御勝手ニ可成哉
| とも不存由被申候ニ付、万事御損徳をかんかへ候へと被 仰付候ヘハ、引切万事沙汰可被仕由、
| かた/\申渡候事、
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| 廿五日 石本三介
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上リ畠ニテ壁土ヲ |一、阿部甚五郎登城ニ而申候ハ、篠崎上り畠にて、御かべ土取申候跡ニ、竿をあて可申候間、御横目
採ル | を一人被下候様ニと申候、其方ハ土を取候役人にて候処ニ、其御役迄を不仕、きこへさる竿を打
白土奉行聞へザル | (河田) (矢野)
竿ヲ打ツカ | 可申とハかつてん不参候、御作事奉行之儀候間、八右衛門・勘右衛門ゟ被申候へと申付、返し候
| 事、
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| 廿六日 安東九兵衛
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秀林院塀ノ修理 |一、秀林院ゟ、使僧を以被仰越候、御寺の東の方之へいころひ申候間、被仰付可被下由被申候、此方
| ゟ申候ハ、御使得其意申候、同作仕様子我々ハ不存候間、御作事奉行衆ニ相尋、可申付候、残へ
| い共ころき不申様ニ、内々御用心可被成旨申渡事、
竹屋喜兵衛刀道具 |一、竹屋喜兵衛登城ニ而申候ハ、明後日日なミ能御座候間、豊後・日向・さつま表迄参候て、道具を
| も買可申と存候、さやうに御座候ヘハ、御銀子をちと被遣候ハヽ、御道具ニ可成物ニ見当候ハ
| ゝ、認可参由申候事、
磨上ゲノ刀ヲ見損 |一、喜兵衛前廉かい申候刀すり上物、銀子卅めニ調参候処ニ、見損、はきれ御座候間、解刀ニ成共た
ヒ刃切レアリ | て候て、仕替可申と存由被申候、一段可然候、かへ可被申由申候、先ゟ八寸ほと前ニこぼれ在
下刀ニ立テ仕替へ | 之、其内ニ刃だけ切れ存之、此方も見届候、 殿様御目ニもかけ置候由、被申候事、
ントス |
肥前鍛冶惣右衛門 |一、同人申候ハ、肥前かち惣右衛門ニ御腰物三つ被仰付候、出来仕由にて、此中持参仕候内、壱こし
ニ誂エシ刀出来ス | ハ出来能候付、取置候、今一腰打直、持参候へと、申聞遣候、重テ主留守中ニ持参仕候ハヽ、
| 取置候へと、申付置由候事、
| (立成)
|一、言上相調、道家左近右衛門尉所へ持せ遣、渡候事、
| (か脱)
京へ柄鮫目貫紫革 |一、京へ、御つさめ・御目貫・紫皮・歳暮ノ小そての切手、松岡角大夫ニ上せ申候事、
歳暮ノ小袖ノ切手 |
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| 廿七日 加来二郎兵衛
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妙円寺住持職認可 |一、妙円寺 御前相済、江戸ニ而、御両 殿様へ御礼申上、昨日小倉着仕候由にて、登城被仕候事、
サル |