北九州在住の「小倉葡萄酒研究会」の小川研次さまから、この郷土史誌をご恵贈たまわった。あつく御礼申し上げる。
氏は九州でおひとりの名誉ソムリエである。細川小倉藩で作られた「日本初の葡萄酒」についてのご研究や、細川家関係のキリシタンに関するいくつかの論考は、冊子にされたりまた原稿をお送りいただき当サイトでもご紹介してきた。
今般のこの郷土史誌にも「田川郡キリシタン小史~キリシタン史料による一考察」を出稿されている。
これは当ブログでもご紹介したことが有るが、このような立派な冊子となると、改めて読み返すにあたり身じまいを正す感じがする。
ほかにも、全国かくれキリシタン研究会会長の安東邦昭氏の「香春キリシタン史私考」、上野焼宗家12代の渡仁氏の「上野焼物やまとその周辺に伝わるキリシタンの考察」など素晴らしい内容で盛り沢山である。
昨夕拝受し、就寝時間を少し延長して読了した。
現在私はこのブログで「細川小倉藩」をご紹介しているが、これは元和末期から寛永初期(現在二年)までであり、
この冊子で紹介されているような濃密なキリシタンの匂いは伺えない。
しかしながら、細川家にはキリシタンの匂いはついて回っているように感じられる事柄も見受けられる。
先に熊本の某お寺から見つかった御位牌などは、明らかにクルスが認められたが、胡粉で塗り隠されていた。
細川九曜紋が見受けられるが、戒名からもどなたであるか解明に至っていない。
家臣団には転び切支丹の数も多く見受けられる。
熊本においては、細川氏のキリシタンの歴史はあまり語られることはないが、小倉時代のキリシタンの歴史の多様さを感じざるを得ない。
勉強不足をおおいに気づかせてくれる佳書であった。