津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

痛烈な細川家批判

2013-09-01 11:04:18 | 史料

 「肥後諷刺文学」にある細川家の仕置きを痛烈に批判した落書である。頭書きには「左の一篇ハ米田家書類中に有之候由佐田氏より借写す、いつ比の落書なるや」とあり、「閑餘漫録巻廿の八十」から写し取られたものであることが判る。
「他所に出て行け」という言葉は胸をえぐる。 

         去年より當春迄の飢餓誠に憐レなる有様也 細川の家の仕
         置ニ万民あきはて申候歌に
           今ははや餘所ニもゆけよ細川よ一期の内と約束もせす
         天下も万民を不便ニ思召候ハゝ細川殿を他國ニ被遣よ 餘の
         國にか様ニ五穀の高直なる所ハなし 聞合せても御覧ぜよ 扨ニ
         情もなき事也 十匁米壱升なしとてハ諸職人諸牢人何として
         渇命をつなぎ可申候哉 米高直ニして銀子餘■御座候を
         銘ニよき事と思召■ 国家を治る事ハ唯万民をあまき様ニ
         被来こそ御じひなれ 越中様ハ唯人をいのちを助け給ふ計
         心得られ候 御若輩なる様ニ存候 御存不被事と見へ申候大

         過の者ハ速ニ罪ニ行たるがよし 今度も北国米が川口ニ来り
         たて共餘國ハ皆ニ入らるれ共御國計不入唯万民をかつハかし
         給不計の御仕置 さりとててハなさけなし 此分に五穀も高直ニして
         渇命ニ及ならバ乍恐無是非候間家老衆・奉行衆の家々ニ火を
         付焼死ニわれ/\も可仕存候也 萬一御慈悲の心も出来たらバ
         他国の米をも御入被来御国の米さこくも再苗被成国の万民
         此うらめしさを忘申様ニ奉願候 乍返餘りのぜひなさに如此
         分外仕候 よく/\御心を付給へ われ/\腹のふとけれハ下々のかつ
         しをしらず よくふかくおごりをかまへたまハゝ天下もにくまれ
         給ふべし 

文面から察するところ、治年公の時代だと推測しているが、宝暦の改革の効果もうすれた天明期の庶民の難儀ぶりであろうか。
この文書が家老・米田家に残されていたというのも大変興味深い。この類の落書は奉行所に届けられるとされるが、このような痛烈な批判の落書は、仮令奉行所たりとも人目を憚ったものではなかろうか。 

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不棄徳處

2013-09-01 06:56:56 | オークション

                        不棄徳處  「徳の處棄れず」と読むのだそうです。細川重賢公の書とあり銀臺の署名が見えます。

                                      鑑定 肥後熊本7代藩主・細川 重賢 筆 一行書 掛軸 極箱

                                      

                                            鑑定 肥後熊本7代藩主・細川 重賢 筆 一行書 掛軸 極箱

 

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