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構えを持った生き方を学ぶ

2020年03月28日 | 読書
 今週初めから『人を助けるすんごい仕組み』(ダイヤモンド社)という震災の翌年に出た本を読んでいた。著者の西條剛央氏についてネットを使った学習のことで見かけてたどっていったら、「ほぼ日」につながったりして興味が湧いたので買い求めてみた。「構造構成主義」の研究者というが、まさに「行動」の人だった。


 この本を携えながら、週末に三陸・気仙沼へ年度末家族慰安旅行(笑)。気仙沼へは震災翌年から意識的に出向き、わずかばかりの買い物支援をしている。ここ2,3年ご無沙汰していたので、ずいぶん整備は進んでいると感じた。昨年建てられた「震災遺構・伝承館」も見学した。「忘れない」ことは大事だと改めて思う。


 どうしても学校を取り巻く状況に目が向く。苦難を乗り越えて期日遅れで卒業式を行った映像が印象深い。しかし実際出来なかった学校も多かったはずだ。今の感染による状況と考え合わせると、結局この時代の災禍が自然災害と感染症流行という二つにあることが、ここ十年で明確になったというべきではないか。


 備えという以上に、構えを持った生き方が必要になる。『人を助ける~~』で最終的に強調されるのは「問いの立て方」だった。それも単純な形ではなく、目前の事象の意味や自分の心の底に光を当てるような問いである。例えば「緊急事態宣言の是非」ではなく「宣言下における問題抑制のあり方は」となるだろうか。



 構造構成主義の何たるかはまだ理解できないが、「何にでも通用する『原理』」の志向は「状況」と「目的」を考えることに尽きるようだ。情報に振り回されがちな現況。しかし目的を忘れてはいけない。そうすれば何かしら「方法」が導き出せる。置かれた場で為すべきことを為そうと、穏やかな海を眺めて思った。