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桜と絵本と豆乳と

その書名には仕掛けがいる

2022年08月17日 | 読書
 すでに8月に入ってすぐの頃に読了していたが、感想メモをなかなか手につけなかった一冊がある。昨日、町内の「二十歳のつどい」が行われて、図書館だより特別号を出したと館ブログにもアップした。その会の様子が関係者が発信しているわけだが、記念講演の題がその書名と同じだった。講師はブラボー中谷氏。


 講演のこの著書との関連は、中味を聴いてないのでなんとも言えない。ただ、マジシャンであればタイトルの使い方は想像できる。ましてブラボー氏。「このステッキは今から花束になる」と語って演じれば、確かにその通りに進むわけだから…。もちろん、そんなネタを使いながら「言葉の力」を語ったことだろう。


『言葉は現実化する』(永松茂久 きずな出版)



 著者の主張はただ一つ「いい言葉を口にする習慣を身につけること」である。それ自体は、数多の啓発本、ビジネス書によく書かれる言葉である。付随するいくつかのことも目新しいとは言えない。例えば「思考より言葉のほうが強い」「現在の自分を肯定する」「自分はできると口に出す」…言霊の考えが基盤となる。


 類似本は多くあるが、この本の価値は高い。耳障りのいい語だけのように見えても、実はしっかり根が深い。「笑われたところが、あなたの出発点」という覚悟を強調することで、表面的なポジィティブトークのススメと一線を画す。笑われたりバカにされたりする経験を自分にどう取り込めるか、丁寧に説明してあるからだ。


 ブラボー氏は手品と話術で二十歳の観客を笑わせながら、言葉の遣い方を論じたのであろう。彼には地元愛と長い経験に裏打ちされた実績があり、心に響く内容だったのではないか。まったくの想像いや捏造として、締め括りの一節を考えてみれば「言葉は現実化する。しかし手品ではないが仕掛けがいる。それは…


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