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人生には目に見えない選択がいくつもある。
それらを意識、あるいは無意識に選択しながら生きている。
また逆に、目に見える大きな選択もある。
次の3つである。
①学校(どこに入学するか、それにより出会う友達も全く異なってくる)
②仕事(何を職業とし、どこに就職するか?)
③結婚(誰と結婚し、生活するか?あるいは結婚しないか)
女性の場合、③に際して、さらに選択を迫られる場合が有る。
つまり、結婚か仕事か二者択一の選択。(男性にはこの選択はほとんどない)
この作品は、10巻目に入って未だ完結していないが、
前半部分のクライマックスのテーマがこれである。
ヒロインのセリフ、「まさか私がこんなことで悩むなんて」、と・・・非常にリアリティがある。
(ヒロインがどう選択したか気になる方は、実際読んでみて)
ホント、読みごたえのあるお仕事マンガである。
さて、この作品の特徴を書いておく。
普通、少女マンガというと、ライバルが登場して、意地悪や陰湿ないじめが描かれたりする。
この作品にはそういうのがない。
また、女性向き作品でありながら恋愛濃度が低い。(佐々木倫子作品同様、読んでいてヘンな疲れがなくて嬉しい)確かに、ヒロインの恋愛も描かれるが、「仕事」と「生活」を描くための材料として使われるにすぎない。特にライバルらしき人物もいないし、女性社会だけでなく、一般社会でもよくある足の引っ張り合いもない。登場する皆さん全て、真摯に仕事に取り組んでいるのである。全員が前向きに生き、仕事をしている。熱心に仕事をしていて、そこに出てくる悩みと向き合い格闘する姿を描いている。
だから、読んでいて気持ちがいい。
直球でがんがん勝負する心地よさである。
こんな作品ちょっとない、と思う。
ストレートな快感を味わってみて。
PS
著者は1956年生まれ。
非常に息の長い作家である。
昔はもっと硬いペンタッチだったようにおもうけど、今は柔らかな印象を受ける。
(ちなみに昔、山岸凉子さんのアシスタントをしていたらしい・・・驚いた!)
この作品を読んでいて、(なんとなく)くらもちふさこさんのタッチを思い出した。
ちなみに、くらもちふさこさんは1955年生まれ。
(昔、美内すずえさんのアシスタントをしていたと言う・・・こちらも驚き!)
PS2
むりやりクライミングネタと結びつける。
なぜ若者がクライミング長続きしないのか?
最初に、『人生には目に見える大きな3つの選択の壁』と書いた。
彼ら(彼女たち)には、受験、就職、結婚の三大障壁が立ち塞がっているから。(他にも誘惑がいっぱい!)
逆に、オヤジ連中は、それらを既にクリアーしている。
だから、しぶとくいつまでも続けているのである。(他に楽しみもないし!)
たとえ10年ぶりにジムを訪れたとしても、顔ぶれは同じだと思う。
その分、若者は激しく顔ぶれが変わる。(簡単に上手くなって、簡単にやめていく)
オヤジはなかなか上達しないけど、なかなかやめないのである。
【ネット上の紹介】
入社5年目。「婦人服売り場」へ突然の人事異動。天野絹恵(27歳)、人生最大のターニングポイントに立つ!激戦区・新宿に店を構える大手百貨店「越前屋」ふとん売り場勤務の天野絹恵。「ファッションなんて人間の表皮一枚飾るもの」と思ってたら突然の人事異動に!? 着ること、働くこと、生きること。曲者ぞろいの職場で、絹恵の真価が問われる!