
私の人生も折り返し地点とっくに過ぎ、「在庫僅少」となってきた。
一体どのような最後を迎えるのだろうか?
最近、いろいろ「未来予想図」を思い描いている。
「孤独死」「無縁死」も他人事ではない、と思ったのでこの作品を読んでみた。
すさまじい内容の話が、淡々と綴られていく。
いくつか紹介する。
●(P79)死後二十日で発見された方のお宅へ行って、その方が倒れていたトイレの清掃と死臭を取ってほしいということでした。
●(P79)死後二十日で発見された方のお宅へ行って、その方が倒れていたトイレの清掃と死臭を取ってほしいということでした。
私は自分自身に「よしっ!」と気合いを入れ、現場に向かうことにしました。
現場に到着するやいなや、マンションの管理人さんや隣の部屋の方が私を取り囲んで口々にわめきたてます。
「遅いじゃないか!早くしてくれよ。みんな迷惑しているんだから!」
「吐き気がしてメシも食われへんねん」
「メシどころか、こっちは部屋にもじっとおれんねんで!」
「病気になりそうや!完全に臭わんようにしてくれよ!」
(中略)
トイレの天井にある水タンクからビニール紐がぶら下がっていました。足下を見ると床一面にうごめくウジ虫。全身を悪寒が貫き、体中がムズムズと痒くなってくるのを感じます。見るだけで、体中が痒くなってしまうほどのその数はとんでもなくひどいものでした。
(中略)
独居老人の孤独死は、身内はもちろんのこと、縁もゆかりもない人たちにまで多大な迷惑をかけてしまうことがあるということを周りの人たちも知っておく必要があるのではないでしょうか。孤独死の問題は決して他人事ではないのです。
たとえ孤独死であっても、亡くなってから一両日中に発見されれば、問題は半減します。
●(P102)あたり一面血だらけで、部屋は破壊の限りを尽くされており、なぜか階段の手すりまではずれて投げ捨てられていました。ここでヤクザの抗争事件があったと言われても信じていたと思います。
●(P102)あたり一面血だらけで、部屋は破壊の限りを尽くされており、なぜか階段の手すりまではずれて投げ捨てられていました。ここでヤクザの抗争事件があったと言われても信じていたと思います。
この惨状がたった一人の、しかも六十を越えた女性によってもたらされたとは到底信じられませんでした。
死因は刃物による自殺です。どこをどうやって傷つけたのかは聞かされていませんでしたが、よほど苦しかったと見えて玄関からリビング、和室までほとんどの部屋に血痕が残っています。ドラマや映画などでは、手首を切った人はみんな静かに死んでくようですが、実際は痛さと苦しさで暴れまわることも少なくないようです。
(中略)
亡くなったお母さまは、この家で三年ほど一人住まいされていたとのことでした。ここ一年くらい、この家に来るたびに部屋のどこかが壊されていたので、どうしたのかと聞くと半狂乱になって手のつけようがなかったと言います。
「お酒がまったくダメな人だったから、アルコール依存症とかではないと思うんですけど、まるで酔ったように別人に変わるときがあったんです。三年前に僕が結婚して母と別居するまではこんなことは一度もなかったんですけど」
お母さまは十年ほど前にご主人と離婚、一人っ子の息子も自分の元から離れて、孤独な生活を送るうちに少しずつ歯車が狂っていったのかもしれません。
人間心理の複雑さ、人間が一人で生きていくことの難しさというものをあらてめて感じされられる出来事でした。
●(P129)初めの頃は、私は無意識のうちに独居老人の孤独死は七十歳以上の方であるという先入観を持っていました。ところが実際は、五十五から六十五歳にかけての年齢層の方が非常に多いのです。
人間心理の複雑さ、人間が一人で生きていくことの難しさというものをあらてめて感じされられる出来事でした。
●(P129)初めの頃は、私は無意識のうちに独居老人の孤独死は七十歳以上の方であるという先入観を持っていました。ところが実際は、五十五から六十五歳にかけての年齢層の方が非常に多いのです。
七十歳前後になると遠く離れた親戚や肉親も、自然と日常の安否を気づかうようになるのですが、それ以下の年だと「まだまだ大丈夫」と思ってしまい、あまり気に掛けないものなのです。
●(P167)亡くなった方のお部屋には、アダルトビデオが山のように積み上げてあり、壁には子どもにはちょっと見せられないようなポスターがあちこちに貼られていて、床もその手の写真集で埋め尽くされていました。
●(P167)亡くなった方のお部屋には、アダルトビデオが山のように積み上げてあり、壁には子どもにはちょっと見せられないようなポスターがあちこちに貼られていて、床もその手の写真集で埋め尽くされていました。
(中略)
作業はいつにも増してハイペースで行いました。作業を始めて三十分ほどたった頃でしょうか。タンスに入っていた鞄の書類から、思いがけず私は故人の職業を知ることができました。なんと、三年ちょっと前まで現役の小学校の教師をされていたのです。
(中略)
私のような仕事をしていると、たびたび人間の二面性という現実を目の当たりにしてしまうことがよくあります。残された当事者にとって、どうせなら知らなければよかった故人の秘密を知ってしまうケースは実際よくあることなのです。
・・・以上、いくつか転載したが、いかがでしょうか?
・・・以上、いくつか転載したが、いかがでしょうか?
内容が激しすぎて、頭がついていかない状態でしょうか?
先日ルカラに行ったとき冗談で、「最近、マンスリー課題トライしに来なくなったなぁ、と思ったら白骨化してるかも」、と。
これを読んでいると、冗談でなくなってきた気分。
PS
先日、中野京子さんのブログを読んでいたら、宗教改革をしたマルティン・ルターの名言を紹介されていた。
次のとおり・・・
「20歳で美しくなく、30歳で強くなく、40歳で賢くなく、50歳で金持ちでない人間には、もはや望みはない」
う~ん、私の場合どれにも当てはまってしまう・・・望みのない人生か?
(宗教家にしては、ずいぶん生臭いことを言っている気がするけど)
マルティン・ルター、こんな肖像画です。
この方、「酒と女と歌を愛さぬ者は、一生バカのまま」、とも言っている。
【参考リンク】