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「悪の教典」貴志祐介

2010年12月19日 09時14分54秒 | 読書(小説/日本)


文春ミステリー、今年度ベスト1。
面白かった、圧倒的な迫力。
年度末で忙しく、読書の余裕はないのだけれど、読み出したら止まらない。
上下2冊で、各1冊が相当な厚み。(上P434,下P411)
この厚みが気にならない・・・というか短く感じられる。

内容だけど、学校が舞台。
貴志祐介さん異色学園モノ、と言える。
教師と生徒達の性格と行動がそれぞれ丁寧に描かれる。
よくこれだけヘンな先生が集まったなぁ、って感じ。
でも、充分あり得るリアリティ。
生徒も今時、こんな感じでしょう。
この一種閉鎖社会『学校』にサイコパスが紛れ込むとどうなるか?
モンスターペアレンツとサイコパスの対決は?
変態教師とサイコパスは?
見どころ読みどころ満載。

私の好みは、前半部分・・・なぜならキャラクター中心に語られるから。
後半はバトルロワイアル状態なので、ストーリー中心になる。
そこがちょっと残念。(でも一気読み)
この終わり方はどうだろう?
ハスミンがすごすぎて、対抗できるキャラがいない。
そこが、ちょっともの足りないような・・・・。

まとめとして、怖さでは「黒い家」、
趣味として、「十三番目の人格」
迫力と怒濤では、「悪の教典」・・・かな。

【ネット上の紹介】
学校という閉鎖空間に放たれた殺人鬼は高いIQと好青年の貌を持っていた。ピカレスクロマンの輝きを秘めた戦慄のサイコホラー。