「このマンガがすごい!」1位、なので読んでみた。
確かにおもしろいし、レベルも高い・・・納得の1位でしょう。
一般読者の知らない作家を世間に知らしめる、という意味でも目的達成された。
一部紹介する。(読みやすいように私が句読点をうった)
「ケーキ食いたいけど、太りたくないけど、お金ないけど、ニキビ出したくないけど、モテたいけど、ケーキ食べたいのっ」
「ハハハ」
「女の人って男よりよっぽど色々両立できるのに取捨選択しない・・・ていうか優先順位つけないよね、欲張りっていうか」
「・・・そりゃね・・・だって女だもん」
「・・・その答えはナンセンスだ」
「だって女だもん!」
「・・・かわいいよね、女の人は」
「だって女だもんねー、なんて」
(以下モノローグ)
・・・感情的で、感傷的で
物欲が強くて八方美人で打算的
どうでもいいことですぐ怒るし
全然関係ない昔のことを引っぱり出して
キンキン声で筋の通らない
文句を怒鳴る
女同士のドロドロとか恐ろしすぎるし
ひとの彼氏を値ぶみしたりして
かんたんに男を死ぬほど傷つけて
自分は忘れてケロッとしてる
お化粧ぬったくって
なんか甘い匂いとかさせて
おっぱいとかおしりとか
あほみたいにやわらかいし
優しくされてあたりまえ
みたいな
とかいって誘われている
のかと思ってうかつに
触ると般若になるし
そしてこの後、彼は『爆弾発言』をする。
・・・それは読んでのお楽しみ。
さて、ここまで褒めたけど、あえて批判もしてみよう。
文壇では、このレベルの内容、文章、構成、既に何年も前から達成されている。
例えば・・・
「もっと、わたしを」(平安寿子)
「ガール」(奥田英朗)
「男は敵、女はもっと敵」(山本幸久)
あえてマンガで表現する価値があるのか、と。
さらに言うなら、マンガ界でも1980年代、デビューまもない吉田秋生さんが、これ以上のレベルの作品を軽く描いておられる。
以上、オワリ。(1位になったからこその苦言である・・・その辺をくみ取って欲しい)
それでも、新しい作家が、懸命に努力されている姿に感銘を受ける。
『要チェック作家』にリストアップしておこう、と思う。
(個人的に)努力賞、敢闘賞をさしあげたい。
【参考リンク】
【参考作品】