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「アニマルアイズ動物の目で環境を見る」(2)宮崎学

2010年12月01日 23時06分24秒 | 読書(写真エッセイ)
シリーズ第二作目「死を食べる」。
動物写真と言うと、動物の可愛らしい表情や生態を表現したものが多い。
宮崎学さんの写真は、それらと一線を画する内容となっている。
動物、生き物が死ぬとどうなるのか、時間を追って撮影している。
ここには様々な死が表現されている。
文章を一部紹介する。

死なない生きものは、いない。小さなウジにも、キツネやタヌキ、シカ、それにぼくたち人間にだって、うまれたいのちの数だけ、死はかならずある。
死ぬと、その死はだれかに食べられる。死を食べて、ほかの生きものがいのちをつなぐ。生きているから、ほかの生きものの死がいを食べる、死んでしまったらこんどは、ほかの生きものに食べられる。
人だって、おんなじだ。ぼくらが毎日食べている魚も、牛や豚、ニワトリの肉だって、つきつめて考えれば、動物の死がいなのだから。スーパーマーケットでは、きれいにカットされ、パックされているから、気がつかないことが多い。けれど、ぼくらも、死を食べているんだ。
死は食べられることで、ほかの生きものの、いのちにかわっているんだ。もしかしたら、死ぬことも、死を食べることも、いのちとおなじくらい、たいせつなことなんじゃないだろうか。だから、ぼくは、いっしょうけんめい死を食べて、いっしょうけんめい生きたいと思う。きみはどう思うだろうか。