「ひとりの老後は大丈夫?」吉沢久子/岸本葉子
吉沢久子さんと岸本葉子さんの対談。
先日、「昭和二十年夏、女たちの戦争」を読んだが、吉沢久子さんの印象がよかった。
岸本葉子さんは、昨年2冊読んでいる。
この二人の対談はどんなだだろう、と思ったのが読むきっかけ。
P25
遊園地で孫がおじいさんに、「金も出さないのになんでついてきたんだよ」と言ったとか。そんな家の中で毎日暮らしている人は、孤独の牢獄にいるようなものですね。(孫も、嫁も息子もお金には弱い、って)
P27
私が三十歳になる頃、独身女性が3~4人手を取り合って、「歳をとったら一軒の家で暮らしましょう」というのが流行のようになっていました。その場では調子を合わせていたけれど、私はできないなと内心思っていました。(中略)物事の優先順位が違う他人同士が、歳をとって一緒に暮らすのは並大抵のことではないですよね。(近藤ようこさんの「ルームメイツ」っていう作品がある。この影響は大きかった、と思う。大いなる幻想を抱かせる作品である)
P32
歳をとるにしたがって、自分自身の体力の問題を考えると、「お義理を欠くのが健康法」と言われるのは本当ですね。自分の健康を守るためには、嫌な人とはつき合わないこと。価値観の違う人とつき合っても重苦しい気分になります。
P47
確か私も、ひと月近く入院したときは、郵便は局留めにして、新聞は止めて、宅配便の会社に連絡しました。(歳をとるといろいろある…留守にすることもあるでしょう。入院の際の保証人など、考えるときりがない)
P124
豊かさというのは、人それぞれではないでしょうか。
【著者二人】
【参考リンク】
「昭和二十年夏、女たちの戦争」梯久美子
「週末介護」岸本葉子
「ちょっと早めの老い支度」岸本葉子
【ネット上の紹介】
住まい、お金、健康、孤独。どれだけ準備しても尽きない「老後の不安」について、ひとり暮らしの達人(96歳vs53歳)がとことん語る。食事メニューから公的制度、生活便利グッズにネットワーク作りまで具体的アドバイスが満載!読めば元気が湧いてくる、心たのしい老後のための必携書。文庫特別編「おしゃれと買い物」も収録。
第1章 老後に大切なのは、人間関係
第2章 体の衰えをカバーしつつ、病気に備える
第3章 苦にならない家事のやり方を見つける
第4章 寂しくても晴れ晴れと生きる
第5章 どうする?住まいとお金
第6章 ひとりの食を楽しむ
第7章 やっぱり楽しいおしゃれと買い物(文庫特別対談)