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「日本史の内幕 戦国女性の素顔から幕末・近代の謎まで」磯田道史

2018年02月08日 21時05分36秒 | 読書(歴史/時代)


「日本史の内幕 戦国女性の素顔から幕末・近代の謎まで」磯田道史

興味深い歴史トリビアの数々が楽しめる。

P80
家康は大坂城を落としてから一か月近く城内をくまなく捜索させ、倉庫の焼け跡から「精金一万八千枚、白銀二万四千枚」を発見、回収している。

P120
では秀頼の実父は誰か。ややこしい古文書の探索が必要になるので、ここではやめておく。
(ということは、著者は秀頼の父は秀吉でないと判断されているのか。ヘンリー八世同様、秀吉も絶倫で漁色家である。ともに梅毒であったと言われ、子供、特に男子が生まれにくい。ではなぜ、淀君のみ着床率が高いのか?そこが疑問に残るポイントだ。今ならDNA検査が出来るんだけど)

P143
江戸期の資料をみる限り、婚礼は〈1〉夜間に〈2〉自宅で〈3〉神主の関与なしで行っていた。神の前で誓いを立てる戦前結婚は明治以後につくられたものである。(平井直房)

P149
ヨーロッパでは、啓蒙主義の時代というのがあって、17~18世紀に、宗教権威を世俗の君主や知のエリートが否定して、合理的な思想をつくりあげる。しかし、同時期の江戸時代の日本では、エリートばかりか、庶民が家庭教育ですでに子弟の「啓蒙」を完了していた。

P221
江戸人の火事からの逃げ方は興味深い。住民は穴蔵をほり、火事の時はそこに家財を投げ込み身一つで逃げた。穴蔵で江戸の十分の一が穴になったといわれる。(黒木喬)

【ネット上の紹介】
西郷隆盛の性格は、書状からみえる。豊臣秀頼の父親は本当に秀吉なのか。著者が原本を発見した龍馬の手紙の中身とは。司馬遼太郎と伝説の儒学者には奇縁があった―日本史にはたくさんの謎が潜んでいる。著者は全国各地で古文書を発見・解説し、真相へと分け入ってゆく。歴史の「本当の姿」は、古文書の中からしかみえてこない。小説や教科書ではわからない、日本史の面白さ、魅力がここにある!
第1章 古文書発掘、遺跡も発掘
第2章 家康の出世街道
第3章 戦国女性の素顔
第4章 この国を支える文化の話
第5章 幕末維新の裏側
第6章 ルーツをたどる
第7章 災害から立ち上がる日本人