「結び布 着物始末暦」(10)
本巻でオワリ、最終刊。
まぁ、ストーリーは実際読んでもらうとして、
う~ん、いくつかモヤモヤしたものが残った。
筒屋店主・愁介と六さんを襲った女の関係は?
おみつはお玉に一生仕えるのか?
お玉と姑のその後は?
唐橋は堅気となり平穏な生活を送ることができたのか?
千吉は京に行って、生活は落ち着いたのか?
お糸の赤ちゃんはすくすくと育ったのか?
あぁ、いろいろと気になる。
P271
【著者の言葉】
今の世の中、娯楽はいろいろあります。
その中で、読書はなかなか面倒くさいものだと思います。文字を追い、登場人物の名前を覚え、場面を想像し、時には「こんな設定があったっけ」と首をひねり、ページを遡り……。そういう手間をかけて、ようやく作者の考えた物語が「見える」のです。(著者の次の「物語」を待ちたい。どんな世界を見せてくれるのだろうと、楽しみにしている)
【蛇足】
千吉を追いかけて、おみつには京まで行って欲しい気もする。そして「挫折」を味わって欲しい。
【ネット上の紹介】
呉服太物問屋の若旦那・綾太郎は悩んでいた。商売敵とはいえ、三百年続いた京の呉服問屋・井筒屋の暖簾をこのまま消してよいものかと。悩んだ末に相談に行った本両替商・後藤屋の大旦那からまさかの条件を突き付けられた綾太郎は、決着をつけるため、着物始末屋の余一とともに井筒屋へと向かった。一方、一膳飯屋の看板娘・お糸は十五のときから一途に思いを寄せていた余一と結ばれ、これから生まれてくる我が子の幸せを願い、ひと針ひと針、愛情を込めておしめを縫っていた―。市井の人情や温かさを描いた感動の大人気シリーズ、堂々の完結!!