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「ポピュリズムとは何か」水島治郎

2018年02月24日 20時42分26秒 | 読書(海外事情)


「ポピュリズムとは何か」水島治郎

硬いテーマの割に、おもしろく読めた。
各国の事情を知ることが出来て興味深かったから。
次のような構成になっている。
1章---導入
2章---ラテンアメリカ
3章---ベルギー
4章---オランダ
5章---スイス
6章---イギリス
7章---アメリカ、グローバルな展開

P5
かつて多様な層の人々の「開放の論理」として現れたポピュリズムが、現代では排外主義と結びつき、「抑圧の論理」として席巻しているのである。

ポピュリズムの語源
P30
ポピュリズムが政治現象として本格的に歴史のなかに姿を現し、幅広く注目を集めたのは、19世紀末のアメリカ合衆国である。1892年に創設され、二大政党の支配に挑んだ人民党(People's Party)は、別名ポピュリスト党(Populist Party)と言われ、人民党の党員はポピュリストと呼ばれた。こうした、人民に依拠してエリート支配を批判する政治運動が、それ以降ポピュリズムと呼ばれるようになる。

P156
そもそも国民投票は諸刃の剣である。

P231
デモクラシーという品のよいパーティに出現したポピュリズムという泥酔客。

【ネット上の紹介】
イギリスのEU離脱、反イスラムなど排外主義の広がり、トランプ米大統領誕生…世界で猛威を振るうポピュリズム。「大衆迎合主義」とも訳され、民主主義の脅威と見られがちだ。だが、ラテンアメリカではエリート支配から人民を解放する原動力となり、ヨーロッパでは既成政党に改革を促す効果も指摘される。一方的に断罪すれば済むものではない。西欧から南北アメリカ、日本まで席巻する現状を分析し、その本質に迫る。
第1章 ポピュリズムとは何か
第2章 解放の論理―南北メリカにおける誕生と発展
第3章 抑圧の論理―ヨーロッパ極右政党の変貌
第4章 リベラルゆえの「反イスラム」―環境・福祉先進国の葛藤
第5章 国民投票のパラドクス―スイスは「理想の国」か
第6章 イギリスのEU離脱―「置き去りにされた」人々の逆転劇
第7章 グローバル化するポピュリズム