花咲く風
1953年/日本
会社で働く女性の苦悩について
総合
80点
ストーリー
0点
キャスト
0点
演出
0点
ビジュアル
0点
音楽
0点
主人公で井上商事のタイピストとして働いていた小倉美樹は雨の日に間違って車に乗り込んできた、同じビルにある片山証券の専務である石狩賢二と懇意になる。美樹には小唄の師匠で子紀美という芸名を持つ紀子という姉と、かつて小倉貿易の社長であったが、今は病床についている父親の清造がおり一緒に暮らしているのであるが、幼少の頃に里子に出されていた美樹は父親とは折り合いが悪い。
やがて明らかになるのであるが、紀子は10年前に小倉貿易に勤めていた石狩と恋人の関係であったのだが、経営方針を巡って清造と対立し袂を分かつ際に、紀子は父親を選び、石狩は小倉貿易を去り、学生時代の先輩である片山が社長をしている会社に入社し、片山の妹と結婚するのであるが、妹は既に亡くなっている。しかし石狩は独身ではなく、料亭「平野」の女将である加代を妻にしている。
石狩は片山の片腕として有能なのであろうが、小倉と同じように経営方針で対立するようになる。大阪の吉野鉱業への投資を、かつて大蔵大臣を経験している浜村に取り入って儲けを試みるのであるが、吉野鉱業に将来性を感じられない片山は反対し、石狩は会社を辞めてしまう。しかし石狩は、浜村が紀子の弟子であることを頼みに浜村に取り入ろうとするのであるが、結局、浜村に相手にされずに万事を休する。
石狩に失恋した美樹は、新入社員でライバル視していた滝本と付き合うようになり、妻を亡くしていた片山は紀子と付き合うようになる。
ストーリーの巧みな展開もさることながら、美樹という辣腕の女性が男性の中に交じって仕事をすることの困難さを感じる。実際に、石狩が付き合っていた紀子は会社の‘オフィス’ではなくて、小唄の師匠として生計を立て、石狩の前妻は亡くなっており、現在の妻は料亭の女将であり、愛人は秘書である。片山の妻も亡くなっており、小倉の妻のことは話題にさえならない。本作が製作された1953年当時の女性の、ホモソーシャルで女性に閉鎖的な会社において男性社員に翻弄される困難さが、有能な滝本を毛嫌いする美樹の態度に現れるのだが、実は本当に有能である滝本こそが、川の流れに流されるだけの花のような美樹の立場を真に理解出来る男だったことが分かるのである。
「拉致被害者、9条のおかげで見殺し」石原慎太郎氏(朝日新聞) - goo ニュース
相変わらず石原慎太郎の意見は雑だと思う。近現代史で、日本の高校では戦後の教育で
(戦争を)教えないから、わずか六十数年前、日本が米国と戦ったあの戦争があったことを
知らない大学生が“いっぱい”いるとは思えないのであるが、横田めぐみさんや200人以上
の人たちが拉致されて殺されたのに、その証拠があったのに、憲法9条のおかげで、日本は
返さなかったら戦争するぞと、攻めていく姿勢で取り戻すことが出来なかったというのは
いくらなんでも屁理屈で、そもそも殺された証拠があるのならば、戦争を仕掛けたところで
拉致被害者を取り戻すことなど出来ないはずである。石原は自分が戦争に行く必要もない
から言いたい放題であるのだが、東国原英夫によるならば「あと数年の命」の石原は改憲に
成功したとして戦争を仕掛ける日本の勇姿を見ることは難しいだろう。自分が作り出す政策
が自分自身に跳ね返ってこないような主張をしている人など到底信用できない。
特集:ストローブ=ユイレの軌跡 1962-2012
-年/-
パラドックスを巡る物語
総合
100点
ストーリー
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キャスト
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演出
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ビジュアル
0点
音楽
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19世紀のフランスの作家であるジュール・バレスの「東方の砦」三部作の第一作「ドイツに仕えて」の抜粋に基づき、アルザスの守護聖人の修道院がある聖オディール山の散歩道を歩く、ストローブ自ら演じるロレーヌ人と、ジョゼフ・ロトネールが演じるポール・ヘルマンというアルザス人の青年の対話から『ある相続人』(2011年)は始まる。
アルザス・ロレーヌはフランスとドイツの国境地方であり、普仏戦争でドイツ領に、第一次大戦後フランスに復帰するものの、1940年に再びドイツ領になり、第二次大戦後はフランスに復帰するという紆余曲折があり、両国からイジメの対象にされてきたのであるが、それでもポール青年はパリとは違って階級差別が無い、自分が受け継いだ土地を矜持を持って守ると語る。
場面は変わって、ポールがかつて命を救ったことがある女性の家をストローブと訪れ、提供されたビールを飲みながら、そのいきさつを説明する。
当時医学生だったポールは助けを求める声を聞いて、その家に駆けつけた。妻が流血しており夫と母親が取り乱していたためにポールがその女性を処置するのであるが、それを見ていた夫はポールが本当に妻に対して適切な処置をしているのか疑い出し、ついには斧でポールを襲い、治療を止めさせようとする。しかし女性を助けるためにポールは夫を家から追い出して治療を続けた結果、女性は助かり、夫はポールに謝罪した。
ここで問題となる点は、夫がポールを襲った理由が、ポールが見ず知らずの男だったからなのか、ポールがまだ医者の卵だったからなのか、ポールと夫が違う人種だったためなのか、あるいはポールの語り口の精度が低いためなのかはっきりしないことである。
同時に上映されている『ジャッカルとアラブ人』(2011年)、『慰めようのない者』(2011年)、『母』(2012年)も『ある相続人』同様に複数の要素が複雑に絡み合うパラドックスにまつわる物語だと思う。詳細は専門家に任せるとしても、『ある相続人』と『母』で「斧」がキーワードとされていることだけは指摘しておきたい。ところで『母』の冒頭で流れるオペラに字幕が付かなかったのは何故なのか?
みな実アナ藤森に触れず 突っ込みもなし(日刊スポーツ) - goo ニュース
オリラジ藤森慎吾、女性問題報道認める?吉本側は「記事の大部分はウソ」と抗議の姿勢(クランクイン!) - goo ニュース
モデルの女性を妊娠中絶させ、解決金350万円を支払ったと週刊文春で報じられた
藤森慎吾に関して、TBSの「サンデー・ジャポン」の太田光がスルーしてしまったことは
妊娠中絶の記事に対して吉本興業側は「記事の大部分はウソ。厳重に抗議していきたい」
というコメントを発表しているのとは裏腹に、逆にこれは“マジ”なのだと思わせてしまう。
吉本興業が醜聞をもみ消すためのバーターとして藤森との恋仲が噂されていた田中みな実
との2ショット写真をフライデー側に撮らせたということが事実であるならば、その前に
太田光が番組を通じて、フライデーが取材に来たら藤森と田中のことを教えてやると言って、
本当にフライデーが来たから太田の楽屋で2人が愛し合っていたとネタで言ったことが
記事として書かれたことで藤森が太田に激怒したという一連の出来事も“ヤラせ”だった
のではないかと思えてくる。
キューティ・ブロンド/ハッピーMAX
2003年/アメリカ
法廷から国会へ
総合
80点
ストーリー
0点
キャスト
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演出
0点
ビジュアル
0点
音楽
0点
前作『キューティ・ブロンド』(ロバート・ルケティック 監督 2001年)と比較される本作は、本国アメリカでは驚くほど評価が低いのであるが、主演のリース・ウィザースプーンのパフォーマンス同様に脚本も劣っているようには思えない。例えば、前作でエル・ウッズが担当した裁判において証言者として召喚されたチャトニー・ウィンダムがチオグリコール酸が不活性化するためにパーマをかけたら‘24時間’は濡らさないという常識を知らないはずがないということがキーポイントとなっていたのであるが、本作においても、デートやテレビ取材で顔やTゾーンが腫れたりするために本格的なエステの後‘24時間’は予定を入れないのが常識としてエルがヴィクトリア・ラッド下院議員のアリバイを崩すという‘ネタ被せ’まで丁寧に施している。
しかし前作の裁判所から本作では法律を作る国会を舞台にしているために馴染みにくい部分はあるのかもしれないが、ラストシーンから想像すると、すっかり成熟したリース・ウィザースプーンを主役にアメリカ大統領になるエル・ウッズが主人公の『キューティ・ブロンド3/メガマックス』を近い将来に観ることが出来るかもしれない。
質問に内柴被告「パニックに…隠蔽しようとも」(読売新聞) - goo ニュース
週刊ポスト2012年12月23日号によるならば、「3Pをしたという情報もあるが」と記者に
訊かれた内柴はニヤリと笑って「マジでありがたいね。させてもらえれば、したいですよ」
と答えたらしい。どうやら妻とは離婚したようで、その原因は息子が学校でいじめを受けた
ことだったようだが、離婚しようが、息子が学校でいじめに遭おうが、内柴正人の頭の中は
セックスのことしかないらしい。自分の発言は当然のことながら裁判官や被害者も知ることに
なることは分かっているはずだが、あるいはマイケル・ダグラスでも気取るのであろうか
一芸に秀でている間はそれで褒められるものの、引退した後に残ったものが旺盛な性欲
だけだったというのはやはり教育が間違っていたというしかないのであるが、どのように
間違っていて、どのように対処するべきだったのかは残念ながら想像がつかない。
キューティ・ブロンド
2001年/アメリカ
学園モノから法廷劇へ
総合
80点
ストーリー
0点
キャスト
0点
演出
0点
ビジュアル
0点
音楽
0点
主人公のエル・ウッズは大学でファッションを学んでいた学生なのであるが、恋人のワーナー・ハンティントンを追いかけるようにしてハーバード大学のロー・スクールに入学することになり、さらに努力した結果、キャラハン教授が担当する殺人事件の被告であり、大学のOBでもあるブルック・テイラー・ウィンダムの弁護の助手を務めることになり、ついには主任弁護士を務めることになる。
本作で描かれるハーバード大学のロー・スクールの学生が変わり者だらけなのは、もちろん大胆な脚色であることを望むばかりであるが、作品の前半はいわゆる学園モノとして始まり、後半は法廷劇となる脚本が秀逸であり、若い女の子たちには法曹界のあり方を教える最良のビデオ教材にもなりえるだろう。
空手部主将、指導者蹴り死なせた疑い 「つい足が出た」(朝日新聞) - goo ニュース
この傷害致死事件は容疑者が気の毒な部分が多分にある。成蹊大学3年で空手道部主将
を務めているという容疑者は、後輩部員と稽古中に、77歳の同部OBから指導を受け、
組手の方法について顔を殴られるなどの注意を受けたらしいのであるが、後輩の目の前で
主将が顔を殴られて注意されるというのは屈辱的なのではないだろうか 注意を受けた
直後に思わず右足で蹴ってしまったらしいのであるが、注意をするくらいだから、確実に
受身を取ってくれるものだと容疑者でなくても誰もが思うはずで、実に不幸な事件だと思う。
綱引いちゃった!
2012年/日本
固定とハンディの違いについて
総合
50点
ストーリー
0点
キャスト
0点
演出
0点
ビジュアル
0点
音楽
0点
シーンのところどころで走る列車を絡ませているところなど、映像にこだわっているのかと思いきや、例えば、主人公で大分市役所広報課職員である西川千晶が女子綱引きチームのメンバーたちに大会の出場辞退を提案した際に、千晶の顔が固定カメラで映された後に、メンバーたちがハンディカメラで撮される。もちろんメンバーがハンディカメラで撮される理由は、カメラが千晶の目線だからであり、千晶の目を通して、気持ちがバラバラであることをブレるハンディカメラの映像で表現し、そのようなメンバーたちが団結していく様子が描かれていくところが感動するのであるから、最後にメンバーの中に千晶が映りこんでいくところは気持ちが一つにまとまったという意味を持たせるために固定カメラで撮られなければならないと思うのであるが、そこまでの映像に対するこだわりは見せない。
ラストシーンは賛否が分かれているようであるが、千晶のチームが勝ちそうな雰囲気を残して終わり、その後‘参加’写真が映し出されるということは、現実はそれほど甘くはなく、決してそんなに簡単に優勝出来るわけではないというニュアンスを残しており悪くはない。
とにかく渡辺直美のキャラに頼りすぎているきらいがあり、大分市以上に渡辺直美のPRフィルムになってしまっている。
森光子さんにお別れ 王貞治氏ら弔辞「誰もがファンになってしまう人」(サンケイスポーツ) - goo ニュース
森光子は1920年5月9日生まれであるが、もう一人大物女優が同じ年に生まれている。
1920年6月17日生まれの原節子である。原は1935年のデビューから注目を集めて
若くしてスターの座についたのであるが、森は長い下積みを経験しなければならなかった。
菊田一夫の脚本による芸術座公演『放浪記』の林芙美子役が森の代表作となったのが
1961年であるが、翌年の1962年の作品を最後に原は女優業を引退している。あくまでも
個人的な感想であるが、森の女優業に対する執着心は、美人の原に対するライバル心が
潜んでいたように思う。だから原より先に逝ってしまうことは森としては不本意だったと思う。