百醜千拙草

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ニュースの意図?

2017-09-08 | Weblog
なんでこれが全国紙にのるのかな、と不思議に思ったニュース。 

世界初、iPS創薬治験7日開始 京大が骨の難病で。

 患者の人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使って京都大の研究チームが見つけた、骨の難病の治療薬候補について、京大病院が7日から臨床試験(治験)を始めることが6日、分かった。
 京大によると、iPS細胞を使って発見した薬の治験は世界初。京大病院は現場の医師が主体となって進める「医師主導治験」で取り組み、7日から対象患者の登録が可能になる。
 この難病は「進行性骨化性線維異形成症(FOP)」。筋肉や腱、靱帯の中に骨ができ、手足の関節の動きが悪くなり、呼吸筋に影響が出ると呼吸困難になることもある。
(共同)

ニュースを見ると、その薬とはRapamycinだとのことで、がっくり。ま、多少は効くかもしれませんけど、あまり期待はできないと思います。難病の患者さんを使って試験をするようなものですかね。しかもiPSは単に薬のスクリーニングに使っただけ。この病気は遺伝子異常もそのメカニズムも10年前にわかっており、スクリーニングに別にiPSを使う意味もないと思います。

現在、すでに非常に効果があると考えらえる抗体医薬が開発されており、おそらく、rapamycinの様な非特異的な薬剤よりもはるかに高い効果が期待されると思います。rapamycinに利があるとすると、古い薬なので、安いことぐらいでしょう。(多分、抗体医薬の最初の薬価は一年で一千万円ぐらいになると予想されます)

しかし、それにしても、記者会見までして流すニュースですかね?こういう活動が、研究費の獲得や寄付の獲得とかに重要なのでしょうかね?

某T大の先生は、一般ウケするようなネタが上がった時は、新聞社各社にファックスを流すのだと聞いた覚えがありますが、新聞に取り上げられると、どのような特典があるのでしょうか。やはりカネですかね。

もしそうなら、カネ集めをするためにiPSと世界初をニュースのタイトルに入れて宣伝するのは、(ちょっとたとえが悪いですが)、森友学園の小学校に、アベの名前を使うのと同じようなものなのでしょうね。
コメント
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