百醜千拙草

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ハニ・アブ=アサド監督インタビュー

2024-03-05 | Weblog
先日のイギリス、Rochdale区の補欠選挙でWorkers党のGeorge Galloway氏が与党のConservative党と野党第一党のLabour党に大差をつけて当選し、首相のスナクが慌てて敗北の言い訳会見をすることになりました。日本で言えば、国政議員の選挙区で自民と立民の候補にダブルスコアをつけて山本太郎が当選するようなものでしょうか。

Galloway氏の大勝の原因は明らかです。スナクがアメリカと一緒になって、イスラエルを支援しガザで3万人以上に至るとされる一般市民の虐殺に加担してきたことにRochdaleの住民は怒っているからです。Galloway氏は、数十年に渡って、パレスティナ問題について、反シオニズムの立場でパレスティナ側に立ってきたこと、イギリス政府とアメリカをその虐殺の共犯者として強く批判してきたことが、今回Rochdaleの有権者の40%の共感を得たものと思われます。与党と野党第一党候補の得票率は12%、7%というお粗末ぶり。選挙後の彼のスピーチがTwitterにあったので、リンクします。

因みに、国際紛争に詳しい彼はロシアーウクライナの帰趨については、チョムスキーの予測同じく、ロシアが敗北する可能性はない、そしてプーチンは、ゼレンスキー政権が失脚するまで、ウクライナから撤退しないだろうと考えているようです。

さて、今回は、すこし前にも取り上げた藤永茂さんのブログで、パレスチナ人映画監督のインタビュー記事を翻訳されていましたので、その一部だけを紹介します。翻訳にはかなりの労力が割かれたものと思いますので、是非全文をお読みください。


ハニ・アブ=アサド(Hany Abu-Assad)は1961年ナザレ生まれのパレスチナ系オランダ人映画監督である。これまでに数々の長編、ドキュメンタリー、短編映画を監督した。、、、、パレスチナ人の自爆テロ志願者を描いた『パラダイス・ナウ(Paradise Now)』(2005年)は、アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされ、同賞を受賞し、また、同部門でゴールデングローブ賞を受賞した。、、、、

デビッド・ウォルシュ:私たちは恐ろしい、悲劇的な出来事の最中に話をしています。ガザの状況について、あなたの感情的、知的、芸術的反応は?

ハニ・アブアサド:感情的には、もちろん、苦しんでいる人間がいると私はいつも心をかき乱されるのを感じます。パレスチナやイスラエルだけではありません。アフリカが苦しんでいるときも、ウクライナが苦しんでいるときも、ロシアが苦しんでいるときも、私はそう感じます。アメリカ合州国でも人々は苦しんでいる。例えば、アフリカよりはマシにしても。アメリカにはあまりのも多くの不公平があります。

だから、感情的には、私たちがいまだに弱者を守らないシステムの中で生きていることに怒りを覚えます。つまり、私たちはいまだにジャングルの中で生きているのであって、そこでは、強者が我々の生活の活殺を握っていて、私たちを殺したり、空腹にさせたり、与える金を減らしたり、保健医療制度を破壊したりしようと決めたら、彼らはそれを実行するし、我々はそれに忍従しなければなりません。私は激しい怒りをおぼえます。
、、、、
ガザに住む人々の70%は、ガザ周辺地域からの難民です。彼らは、あるいは彼らの両親や祖父母は、他の場所から立ち去る事を強制されて、この狭い土地に住まわされた。彼らは、最初、そこを巨大な難民キャンプとし、後には強制収容所にした。なぜ強制収容所というのか?それは、200万人もの人々を囲い込み、彼らの生活のすべてをコントロールし、いつでも好きなときに爆撃できるのであれば、それは強制収容所というものです。他の人たちは "野外刑務所 "だと言うが、私はそれよりもひどいと思う。

ガザに住む人々のほとんどは難民であり、自分たちの問題の解決を望んでいる、すでに75年も続いている問題です。彼らは、この特殊な牢獄、強制収容所で20年間暮らしてきた。人口の70%は16歳以下で、何の罪もない無邪気な子どもたちなのです。

それにも拘らず、アメリカ政府とイスラエル政府は、ガザの事態が明らかにジェノサイドであるのに、それを否定している。これを否定することは、ホロコーストを否定するようなものです。、、、、

アメリカでは60%の人が停戦に賛成している。若い世代では、それよりずっと高い。アメリカ人の20パーセントが戦争継続を望み、20パーセントはどう考えていいかわからない。イスラエル支持のプロパガンダが最も強いアメリカで、この話です。アメリカで、一つの問題でこれほど意見が固まったことはありません。また、アメリカの現政権はとても愚かしい。悲しいことだが、とても愚かだ。そして、イスラエル政府はもっと愚かだ。危険で、そして、愚かだ。1789年にフランスで起こったこととまったく同じです。変革が近づいている。、、、

私の場合は、もし私が口を閉ざさなければ、私のキャリアを終わらせてやると、彼らに警告されました。それは脅しだった、言ってみれば、隠れた脅迫でした。「有名人にも、金持ちにもしてやるよ、だが、イスラエル批判はやめろ・・・」とね。、、、、

多くの点で状況は悪化したとは思いますが、でも希望は持っています。オルタナティブな配給、オルタナティブな映画製作があるから、私は楽観的なのです。彼らが全力でコントロールしようとしても、イスラエルに対する南アフリカの大量虐殺の起訴状を読む弁論人たちのような反対勢力は存在します。1500万人が観たイスラエルに対する起訴状。もし10年前に、このようなことが起こりうるとあなたが私に言ったとしたら、あなたの頭はおかしいと私は言ったでしょうよ。、、、、

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