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イスラエル人の話

2024-10-15 | Weblog
先週末、日本の反核運動グループ、被団協がノーベル平和賞を受賞しました。1956年からの地道な運動が国際的に評価されたものと思います。こうした人々の行動と善意が少しずつ世界を変えてきたと私は思います。代表者の箕牧智之理事長は、「パレスチナ自治区ガザで子どもが血をいっぱい出しているのは、80年前の日本と重なる」と発言。80年前のヒロシマ-ナガサキと今日のガザ、共通しているのは、アメリカの殺人兵器による市民の無差別大量殺人であるということです。

多分、キューバ危機以来、今日ほど核戦争のリスクが高まった時代はなかったでしょう。核戦争となれば、人類は破滅です。現在、アメリカが愚かにもロシアを挑発し続けています。アメリカが日本に核爆弾を投下して市民を虐殺した時と、今は時代が違います。もし次に核が使われるときが来るとすると、一発では終わりません。それは核保有国同士が核兵器で攻撃し合う破滅的な世界戦争になるでしょう。

核戦争の危機はアメリカの愚かさとイスラエルの狂気がもたらしています。ロシアが核を使う時、アメリカの1/3が消滅するであろうということをアメリカは理解しているのでしょうか。イランは間も無く核保有国となるでしょう。イスラエルがイランと全面戦争になれば、中東ごと吹き飛ぶことをネタニヤフはわかっているのでしょうか。現実味を帯びてきた核戦争をオスローの委員会は恐れたのではないでしょうか。歴史上、唯一の核兵器投下国であるアメリカに対する警告の意をこめてのノーベル平和賞だったのではないかと思います。

さて、パレスティナ自治区のみならず、シリア、レバノンといった周辺アラブ諸国に戦争をしかけて、中東平和のみならず、イスラエルの安全と経済を破壊してきた狂人ネタニヤフですが、彼が長年イスラエル政府の中枢で活動できたのは、彼を支持する国民が一定数いたからであります。

先日紹介したユダヤ系アメリカ人のNorman Finkelsteinは「イスラエルは狂気の国家であり、ネタニヤフはそんなイスラエル社会を反映しているのだ」と述べました。つまり、彼一人が狂っているのではなく、かなりの数の国民が彼のビジョン(ユダヤ人は神に選ばれ、他民族よりも優れた人種で、ナイル川からユーフラテス川に至る一帯を領地とするユダヤ国家が中東を支配すべきである)を共有しているということです。地図を見れば、その構想は、太平洋戦争前に日本がアメリカに戦争をしかけて勝利するというぐらいに、バカげた妄想であるのは明らかですが、それをおかしいと思わないというのは、イスラエルのシオニズム教義を子供のころから教え込まれることによって、イスラエル国民が「洗脳」されているのでしょう。

これまで、第三者またはパレスティナ側の当事者からの話を拾ってきましたが、今回、過去にパレスティナ解放のために行動したイスラエル人の話を見つけましたので紹介します。


2022年5月15日(ナクバの日)、#Bristol7と呼ばれるグループは、イスラエルがガザとヨルダン川西岸で使用する武器や監視装置を製造するエルビット・システムズUKのブリストル本社を占拠しました。 その運動に参加したイスラエルのシオニスト体制で育ったユダヤ人二人がインタビューに答えています。

Stavit: 「私はアパルタイト政策下のイスラエルで、ホロコーストを生き延びた一家の子供として育ちました。そして、私は「シオニスト教育システム」の産物だったのです。私はパレスティナのことを知りませんでした。私はそれがどこにあるかも知らず、どこか遠い場所にあるものだと思っていました。イスラエルがパレスティナの上に築かれたものであるとは全く思っていませんでした。、、、子供時代、私はユダヤ人以外の人と接触することはほとんどなかったのです。、、、」
Ronnie: 「子供たちは周囲の国を恐れるように教えられました。、、、シオニズムの排他性はその特徴です。、、、、私はシオニズムを「カルト」に例えてきました。時には、シオニズムを「精神病」に例えることもあります。(シオニストは)まさに精神病の症状を示しているからです。彼らは、文字通り、パレスティナ人を同じ人間として見ることができないからです。このことは知っておくべきことです」
Stavit: 「私はシオニスト教育システムの中で、優秀な軍人になることを期待されていました。、、、」
Ronnie: 「徴兵された後、私は、自ら学んで、この教育システムから一年半かけて、抜け出しました。、、、」
Stavit: 「私は、幸運にも徴兵を避けることができて、大学に進学し、植民地主義とアパルタイトについて話す知識人と出会い、パレスティナの原住民の人々を迫害し、彼らの自由と生活を奪う植民地主義と帝国主義の歴史的な力に気付かされました」
Ronne: 「私同様に軍隊を嫌がる人々が軍を抜けれるように手助けする一方で、私は外部で活動する必要を感じ、そして活動家となったのです。、、、」
Stavit: 「エルビットのことは知っていました。2011年のテルアビブではエルビットが作るドローン兵器が二人の子供を爆撃し殺したからです。、、、」
Ronnie: 「エルビットはガザで使われている殺人ドローンの85%を作っています。」
Stavit: 「ホロコーストを生き延びた家系からきた私としては、『人類に対する犯罪』が行われている時に、犯罪者の側に立ってはならないことは自明でした。、、、私が大学教育のために国外に出て、BDS (Boycott-Divestment-Sanctions)運動になどの活動に参加し、政治家や行政担当者に働きかけましたが、いずれも行き止まりに行き着ました。この時点で、(残される手段として)イスラエルに送る兵器製造を止めるための直接的行動に出ることが必須となりました」
Ronne: 「かつては、イギリスにも公平な法体制があり、イスラエルの戦争犯罪を追及することが可能でした。しかし、イギリスは法律の方を変えて、イスラエルの戦争犯罪者が入国できるようにしたのです。2011年、Tzipi Livniがイギリスに来た時、逮捕状が出されたわけですが、検察庁長官であったKeir Starmer (労働党党首、現イギリス首相)が、それを覆したのでした。、、、」
Stavit: 「そして、私たちは、明文化された法律によって、エルビットのようなジェノサイドに使用されるような非合法な兵器を作ることを阻止する権利を行使したのです(エルビットUKの占拠)」
Ronnie: 「ところがイギリスでは、こうした(エルビットのような)犯罪組織に反対するものを犯罪者とラベルを貼るのです。、、、」
Stavit: 「行動を起こさないことは、(行動を起こして)刑務所に行くよりもはるかに悪い結果となったでしょう。なぜなら、それは私たちが私たち自身の監獄に繋がれることを意味するからです。、、、、自由は向こうから出てこない、私たちがその助産婦とならない限り。そして、産みの痛みは避けられないのです。私たちは(エルビットの破壊を試みたことを)誇りに思っています。これはなされなければならなかったと思っています。そして、我々の運動に続く人々が現れてこの戦争マシンを止めて欲しいと願っています」

ついでに、ガザでの診療にあたったアメリカ人医師の証言を追加しておきます。イスラエルが異常精神状態にあって「人の心」を失ってしまっている証拠でしょう。

「、、、、何が起こっているのかについて、いくつかの事が際立っていました。一つは栄養不足と飢餓です。これは完全に明らかなように意図的なものです。、、、二つ目は、子供が意図的に銃撃されているという事です。これは予想していなかった事です。多くの子供が殺されているのは知っていましたが、多くは爆撃によるものだと思っていました。しかし、それでは、子供たちが頭を撃ち抜かれており、しかも毎日それが起こっているということを説明できません。文字通り、毎日、頭を撃ち抜かれた子供を私は見ています。これは事故ではありません。意図的に子供を標的とした殺人です。、、、、」
「私が多く見た外傷は、イスラエル軍の爆撃によるクラッシュ症候群ですが、そのうち6-7割は子供でした。一方、明かに意図的に銃撃されたと思われる例もみました。お腹や胸を撃ち抜かれた子供、手足を撃たれた赤ちゃん、墓地に設置された地雷に吹き飛ばされた子供、、、、医師の立場から見て、これらの損傷のパターンはとても恐ろしいものでした、、、」


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