百醜千拙草

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クリスマス ランチと旅の終わり

2022-12-13 | Weblog
ストックホルムでは、昔の知り合いがホテルに出迎えてくれて、金曜の午前中は彼女の研究室を訪れ、ゲノムシークエンスセンターをツアー。ガラス張りの綺麗な研究所の中にNova seqが4台に加えて、Nanopore、PacBioのマシンが稼働中とのこと。すぐ隣にはつい数日前にノーベル賞レクチャーが行われた講堂が建っております。

クリスマス ランチは、そこから徒歩15分ほどの湖のほとりにある歴史あるホテルの離れの会場を予約してくれました。この湖の向こう側に王家の墓とプリンセスの宮殿があるそうです。プリンセスと言っても45歳の中年女性、夫は一般人とのこと。夫は王にはなれないのでずっと義理のプリンス。プリンス マスオ。

彼女夫妻、それからヨーテボリの知り合い夫妻と我々の6人でクリスマス ランチ。スウェーデンは肉、魚の料理が豊富で、このビュッフェ スタイルのランチでは多分100種類以上の料理が並べられていました。

まずは食前に暖かい薬草酒のようなものを飲むのが伝統らしく、酸味の少ない赤ワインのような飲み物の中にアーモンドとレーズンを入れて嗜みます。お屠蘇のようなものでしょうか。

食前酒とアーモンドとレーズン

魚料理はサーモンを色々に調理したものが主でしたが、ニシンもよく食べられる食材でニシンのマリネが10種類ほど。肉料理はお馴染みのミートボールの他、ハム、プロシュート、サラミなどの普通のコールドカット、それから、ラム、猪、の他にオオカミの肉。猪やオオカミなどの野生動物は数のコントロールのために一定量駆除されて食肉となるそうです。

クリスマス用の黒ビールとビュッフェ プレート第一ラウンド。
上から右回りにスモーク サーモン、ミニきゅうりとビーツのピクルス、ニシンのクリーム漬け、ハム、卵と小エビのパテ、真ん中のポテトの左側にあるのがオオカミの肉。これは足先の肉を潰して成形したものらしく、パテ状の肉の中にコリっとした肉片が混在し独特の食感と風味があります。一度食べればもう十分。
これを3ラウンドやったあと、食後のデザートとコーヒー。どうもこの国ではアーモンドは幸運のシンボルのようで、クリスマスのデザートはアーモンドを使ったものが多いです。それからクラウドベリージャムのタルトとムース。スウェーデンといえばリンゴンベリー が有名ですけど、クラウドベリーは収穫量の関係か高級食品として扱われているようです。味は普通。スウェーデンでのコーヒーは日本サイズで他のヨーロッパ諸国のようにエスプレッソではありません。

大変楽しいひと時を過ごして、ホテルに帰ったら、日本の家族が急病で容態が悪いとの知らせで、急遽、残りの予定をキャンセルして帰国することにしました。翌日の午後発の飛行機を予約。今は祈る以外に何もできることもないので、翌日の朝は出発までの時間、ガムラスタンまで散歩しました。零下6度でしたが風が穏やかだったので、そう寒いという感じはありません。ガムラスタンも週末の朝のオフシーズンということで観光客もパラパラ、店もほとんど空いていません。前回の三年前の秋は観光客でごった返していたガムラスタンの小道も静かなものです。夏の間はオープンテラスのレストランで賑わう島の中央にある広場では、今の時期は開店前のクリスマス マーケットの屋台が並んでいます。

人気もまばらなガムラスタンの商店街

ガムラスタンの冬の王宮


中央の広場には、クリスマスマーケットが設営。開店前の茶色い屋台


先週はノーベル賞ウィーク。広場にあるノーベル賞博物館の入り口には今年の受賞者の名前。


残念ながら三年ぶりのヨーロッパは、思いがけない形で終わりとなってしまいました。スウェーデンでの任務は果たしましたし、数人の知り合いにも会うことができましたから、目的の半分は達成できました。ベルギーとパリの知人にあえないのは残念でした。前回見れなかったルーブルのモナリザを見るという今回の旅の大目的は達成できず、ローマもケルンの大聖堂も見ずしてヨーロッパを離れることになりました。

ストックホルムの空港について、本来はその日に乗るはずだったローマ行きの飛行機の搭乗口を横目で見ながら、羽田行きへ乗り継ぐべくヘルシンキ行きの飛行機へと向かいました。
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