(中子の桜@新潟県中魚沼郡津南町)
前の投稿で「北信妻有はフォトジェニック」みたいな話をしましたけど、津南町の河岸段丘上にある農業用のため池には「中子の桜」と呼ばれる桜があって、ここもこの季節残雪の中で咲く桜が静かな湖面に映る姿が人気のネイチャー系のフォトスポット。ここは作例を見ると夜明け前の朝もや立ち込める中を幻想的に撮るのがキモみたいですね。昼間に行ったら明る過ぎるのと湖面が波立っちゃって雰囲気があんまり出なかった。既に残雪も消えかかっているし、かように写真と言うのはタイミングが難しいものである。
昼の136Dを待つ間に、時間があるので森宮野原まで出てみる。「森宮/野原」と分けたくなるところだが、正式には「森/宮野原」。長野県側の栄村森集落と、川を挟んだ反対側にある新潟側の津南町宮野原集落の合成駅名である。島式の交換ホームに、かつての貨物ホーム跡と側線が何本か。夜間には翌朝始発の2列車の滞泊があって、乗務員の詰所もある飯山線の主幹駅。冬季は除雪関連の作業基地にもなっているそうな。
森宮野原と言えば、鉄道の数字的なデータが好きな方なら真っ先に「日本の中で最高積雪深を記録したところでしょう」という答えが返って来るのではないかと思われる。昭和20年2月12日に積雪7.85mの記録。戦時中だけにマユツバじゃねーか説もあるらしいのだが、いずれにしろ温暖化の進む昨今では到底更新出来ない記録であることは間違いなさそうである。ちなみに駅から左に出て坂を下り、県境の宮野原橋を渡って最初の信号を右に折れると手書きの看板が印象的な宮野原温泉と言う温泉があって、黄色いツルツルした実にいい温泉だったのだが、建物は残っていたが廃業していたのが地味にショック。撮影の合間に一浴びさせてもらいたかった。
136Dまでのヒマつぶしに飯山線のリゾート列車「おいこっと」を撮影してみる。まあ言うてもタネ車がキハ110なので見た目でそう変わったところはないのだが、中は「日本の正しい田舎」を思わせる古民家風の懐かしいデザインに改造されているらしい。全車指定席だけど快速扱いなので18きっぱーでも乗車出来ますね。JR東日本的には東京~長野(飯山)~十日町~越後湯沢~東京という回遊ルートの提案だろうか。松之山か野沢温泉あたりで一泊とかすれば、土日きっぷで回るにはちょうどいい距離だしね。
「おいこっと」って何ぞやと思うのですが、「東京と対極にあるような沿線の豊かな田舎感」を表現すべく、「TOKYO」をサカサマに読み替えて「OYKOT」としたらしい。長野新幹線が開通した時はポスターのキャッチコピーで「長野は、東京だ」と言ったり、長野支社は何かと東京を意識したがる傾向があるな(笑)。
森宮野原から足滝に向かっての築堤を行くおいこっと。晴れてりゃ背後の山のブナ林がイイ感じで色を出したと思うんですが、ここに来て空がにわかに掻き曇りだしました。「午後は大気の状態が不安定…」なんて言ってたんだけどクソ気象庁様天気ドンピシャじゃないですか。こんな時だけ当てなくていいんだよ!