tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

振ると古代の鈴の音

2007年12月30日 | 奈良にこだわる
昨日(12/29)、奈良市・猿沢池畔の魚佐旅館で、ブログの常連コメンテーターの皆さんとオフ会(オフラインミーティング)を開いた。

メンバーは6人で、奈良の観光振興やまちづくりについて、美味しい鍋(豆板醤のタレでいただくオリジナル)をつつきながら歓談した。金やんさんや南都さんからは、詳しい資料も頂戴した。話の内容については、今後このブログで小出しに紹介させていただくことにする。

オフ会に先立ち、ご当主(金やんさんのお父さま)から、所蔵されている「お宝」を見せていただいた。さすがに「開運!なんでも鑑定団」に2度も出品されただけあって、素晴らしい書画骨董の数々だった。

中でも驚いたのは、写真の「二重はそう」だ。「はそう」は瓦へんに泉と書く須恵器の1種である(高さ=約12cm)。桜井市の三輪山麓から出土した5世紀の土器だそうだ。名前の通り2階建てになっていて、2階部分は容器だが、1階部分は鈴になっている。振るとカラカラと乾いた良い音がする。大ぶりの土鈴の音だ。

古墳時代は、ほぼ100年ごとに前期(4世紀)、中期(5世紀)、後期(6世紀)と分けられる。この土器は古墳時代中期、つまり堺市の仁徳天皇陵(大仙陵)や、奈良市の磐之媛命陵(いわのひめりょう・仁徳天皇の皇后陵)、ウワナベ・コナベ古墳の時代の遺物なのである。仁徳天皇の愛した八田若郎女(やたのわきいらつめ)や、それに嫉妬した磐之媛命も、この音を聞いたのであろうか。

魚佐旅館は文久2(1862)年の創業で、小泉八雲も泊まった由緒ある旅館だ。庭には興福寺の礎石や十三重石塔がある。ロビーには飛鳥時代の軒瓦(奈良市・横井廃寺)をはじめ、貴重な史料が展示され、まるでミニ博物館だ。この日は、花園の全国高校ラグビー大会に出場する高校生たちも泊まっていた。
http://www.ryokan.or.jp/uosa/index.html

午後5時に入館してからの6時間は、あっという間だった。これからも、ネットを離れたリアル歓談の場を設けることにしたい。ご参加いただいた皆さん、そして何より貴重な場をご提供いただいた金やんさん、有難うございました。
コメント (4)
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