ラーメンきみちゃんは、2014年9月中旬に一旦閉店
同年10月14日（火）東紀寺町2丁目1-10で移転開店！
昨年12月、蔵武Ｓさんから「船橋通り商店街（奈良市油阪～芝辻町）にある“風の盆”の隣りに、新しいラーメン屋さんができてますよ」と、教えていただいた。風の盆とは、地元では有名な居酒屋で、メニューにお好み焼きがあることでも知られている。私も、何度か足を運んだことがある。
早速先週（1/9）、軽くお酒を飲んだ後に訪ねてみた。当ブログにアップしようと思っていた矢先、毎日新聞奈良版（09.1.14付）「なら羅針盤」欄の「船橋通り商店街」篇に登場していたので、あわせて紹介することにしたい（以下、引用はすべて同紙から）。
http://mainichi.jp/area/nara/news/20090114ddlk29040485000c.html
船橋通り商店街は《線路の地下化で廃止された近鉄奈良線・油阪駅から北へ約800メートル、桜並木の佐保川まで続く》《明治時代にわずか９年だけ存在した関西鉄道大仏鉄道の大仏駅跡地を記念する公園もあり、石畳風の商店街には時が止まったかのようなのんびりとした雰囲気が漂っていた》。
地名の油阪（あぶらさか）は、中世の「油座」に由来する。由緒ある土地柄なのだ。近鉄油阪駅があった当時は商店が建ち並び、奈良県立大学、奈良高校、育英高校などに通う学生・生徒たちもたくさん立ち寄った。
《日ごろから店を回っているのが商店街の横田好弘理事長（67）だ。かつて100軒が立ち並んだ商店街も現在は20軒台にまで減った。さみしくなりつつある商店街だが、商店主らを集めて地域安全講習会を開くなど、積極的に住み良いまちづくりに取り組む》。
《昨年末は明るいニュースもあった。ラーメン店きみちゃんが商店街内に店を構え、昨年12月1日に新規オープン。商店街にとって15年ぶりの新会員となったのは川端公則さん（48）と優子さん（45）夫妻だ。優子さんの実家は商店街のすぐそば。「自分の店を持ちたい」という夫の夢が「地元で店を」という妻の夢に重なった。店の自慢はあっさりしたとんこつスープと口の中でとろける自家製チャーシュー。わずか8席の小さな店の前には行列ができる日もあった》。
冒頭の写真は「チャーシューメン（大）」（1000円）である。お好みに応じてニンニクが入り、ヌキ（ニンニク抜き）からガバ（ニンニクたっぷり）まで、４段階から選べる。この日は３連休前の金曜日だったので、迷わず「ガバ」を注文。
あっさり豚骨に塩味の利いたスープ、トロトロでぶ厚いチャーシュー。この味は、もしや…。奥さんに確かめると「この店を持つ前、主人は薩摩っ子ラーメンで修業していたんですよ」。やはり、そうだったのだ。
http://gourmet.yahoo.co.jp/0006712522/M0027001013/
「空心町のニンニクラーメン」として知られる「薩摩っ子ラーメン」は、強烈な刻みニンニクと豚骨スープで一世を風靡したラーメンだ。私は田原本店によく足を運んだものだ（土曜日に食べても、月曜日には「臭い」と言われた）が、今は田原本店も東生駒店も押熊店も、閉店したそうだ。しかしその味が県内で唯一、近鉄・JRの奈良駅にほど近い船橋通りの入口で味わえるとは、誠に有り難いことである。
丼の底に沈んだ「ガバ」のニンニクをスープとともに流し込んでいると、体が芯からぽかぽか温まってくる。こめかみがジーンとなってくると、気分もハイになる。今のような寒い時期には、ピッタリのラーメンである。
ご主人（川端公則さん＝きみちゃん）には「お客さん、ラーメンを食べ慣れていますね」と見破られてしまった。
毎日新聞の特集記事は、こんな言葉で締め括られている。《地元の友人や毎日のように様子を訪ねる横田さんらの姿に、優子さんは「ここはあったかい町。昔のように盛り上げたいですね」と意気込みを語った》。
大手チェーンで修業をした後、奥さんの故郷に帰ってこられたのだ。かつて栄えた商店街はシャッター通りになっていたが、地元の人たちの温かい目に見守られ、お店は繁昌している。
巨大ショッピングセンターの進出があいつぐ奈良県下では、寂れていく商店街が多い。ショッピングセンターへは車が必須なので、子供やお年寄りには、とても不便である。祖父母と孫が、駄菓子屋で店主とダベりながら買い物をするという光景は、今やすっかり失われている。
船橋通り商店街は、近くの奈良県立大学とタイアップして、フリマや木工教室を開いて生き残りの道を探っている。私も時々訪ねて、見守っていくことにしたい。
http://mytown.asahi.com/nara/news.php?k_id=30000130802250001
※奈良市芝辻町11-43 ℡0742-55-8702 11:00～21:00(ラストオーダーは20:30)
水曜定休
