tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

おふさ観音の恵比寿天(大和七福八宝めぐり・其の弐)

2011年01月01日 | 大和七福八宝めぐり
県下8社寺を巡拝する「大和七福八宝めぐり」、初回は安倍文殊院の弁財天だったが、今日は橿原市のおふさ観音(観音寺)を紹介する。Wikipediaによると《おふさ観音は、奈良県橿原市小房(おうさ)町にある寺院の通称名である。山号は十無量山。正式名称は高野山真言宗別格本山 十無量山 観音寺。イングリッシュローズが境内に所狭しとあふれる寺院として知られている。大和三山の耳成山と畝傍山のほぼ中央に位置する寺院で、本尊は十一面観世音菩薩》《1650年(慶安3年)、この辺りにあった鯉ヶ淵という池の中から白いカメに乗った観音が現れ、それを発見した付近に住む娘おふさが小さな堂を建立して観音を祀ったことが起源とされている》。


こんなにたくさんの秋バラが咲き残っていた(写真はすべて10.12.18撮影)

密教のお寺なので、祈祷も受け付けて下さる。お寺のHPによると《ご本尊さまは十一面観音様で、元々身体の健康を授けて下さると言われておりました。近年はそれ以外にも開運厄除け、子授け、ボケ封じなどさまざまなお願い事をかけられる方が増えております。また当寺はいわゆるご祈祷所で、ご祈祷申し込み希望者には僧侶がお経を読んで観音様にお願いをさせていただきます》。



七福神の恵比寿さまは、境内の「恵比寿尊天社」(=トップ写真)というお社に祀られている。しかし、なぜ密教寺院に恵比寿さまがお祀りされているのか、よく分からなかった。それを調べるために、昨年12/18(土)、お寺を訪ねた。貫主(住職)の密門光範氏にお会いして、疑問が氷解した。恵比寿さまは、当地の地神さん(地主神)だったのである。



地主神(じぬしのかみ)とは《日本の神道などでは、土地ごとにそれぞれの地主神がいる、とされている。その土地を守護する神であるとされているのである》《新しい土地の開発に際し、その土地古来の神に許可を得るためや、封じ込めるために、地主神は祀られた。中世には、神社、寺院の建立の際、その土地古来の神を地主神としたり、鎮守社を新設して地主神とすることもあった》(Wikipedia「地主神」)。



恵比寿さまは、大和七福八宝の会のHPによると《七福神唯一の我が国古来の神さまです。もと漁民の神として、海運守護、大漁の徳をお持ちの他、特に商売繁昌の霊験があらたかで「エビスさん」として知られています》。おふさ観音では、毎年1月の第3日曜日に「恵比寿大祭」(えべっさんさん)が営まれる(今年は1/16)。大阪の今宮戎では、1月10日を十日戎(本戎)、前日を宵戎、翌日を残り戎とし、この3日間を祭礼の日としているが、これは決まったものではないのだ。奈良の南市恵比寿神社では、4~5日がお祭りの日である。



画像は「楽々はがき2009」から拝借



おふさ観音境内の奥には、円空庭という瀟洒なお庭がある。12万体の木彫仏を彫った行脚僧の円空とは関係がない。円は悟り、空は無限を表わし、「見る人に心の安らぎを与えてくれる庭」という意味なのだそうだ。池にはたくさんの亀や大きな鯉がいて、心を和ませてくれる。こういうお庭が無料で楽しめるところが、京都と違う奈良の大らかさである。お庭のつきあたりには、「茶房 おふさ」があり、喫茶・軽食が楽しめる。お庭を見ながら、のんびりくつろげる癒しの空間である。



日本経済も奈良県経済も、相変わらず厳しい状態が続いているが、恵比寿さまに商売繁盛を、十一面観音さまに心身の健康をお祈りに、ぜひおふさ観音をお訪ねいただきたい。
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読者の皆さま、あけましておめでとうございます!

2011年01月01日 | お知らせ
当ブログご愛読者の皆さま、新年あけましておめでとうございます! 昨年は、1300年祭に明け、1300年祭に暮れた1年でした。おかげさまで当ブログのアクセスIP数(人数)は、1日平均1,300人に増え、毎日約4千ページビュー(件数)ものアクセスをいただくことができました。今年も、当ブログをご愛顧いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

後世、奈良県の歴史は「戦前・戦後」ならぬ「1300年祭以前」と「ポスト1300年祭」(祭前・祭後)に区分されることになることでしょう。このお祭りで、奈良県の対外イメージは、著しく改善・向上しました。何より県民の意識が変わり、自信がつきました。

いよいよ来年(2012年)は、古事記編纂(献上)1300年です。県は10年間にわたり、「記紀万葉プロジェクト」を展開します。早くも元日の毎日新聞奈良版は2ページにわたり、同プロジェクトの大特集です。奈良新聞も、知事の新春対談で《「記紀・万葉」に光 深め親しむ10年のプラン》として大きく取り上げたあと、2ページにわたり同プロジェクトにまつわる記事を載せています。

奈良県民は、大いなる目標を得ました。1300年祭で培った「もてなしの心」をフルに発揮して、これからの10年、多くの来県者をお迎えしたいと思います。皆さん、今年も奈良県を大いに盛り上げましょう!

※トップ画像は「楽々はがき2009」より
コメント (6)
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