美しき日本奈良 ~五條市 新町通り~
昨年12/24、五條市新町地区が重伝建に選ばれた、おめでとうございます! 12/25付の奈良新聞「五條新町、重伝建に選定 県内3件目」によると《五條市の五條新町地区が、国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)に選定されることが24日、決定した。文部科学大臣が同日の官報で告示した。県内では橿原市今井町、宇陀市松山地区に続いて3件目の重伝建で、地元では記念のイベントも予定されている》。
正式名称は「五條市五條新町伝統的建造物群保存地区」で、全国で88番目の重伝建に選ばれた。88番目とは覚えやすい数字だ。末広がりだし、仏教では「四国八十八ヵ所巡礼」にあるとおり、108つの煩悩のうちの根本的な煩悩(三界の見惑八十八使)の数とされている。今年の奈良検定ソムリエの記述問題に「橿原市今井町の伝統的建造物群保存地区について」が出題されたが、来年は五條新町が有力候補だろう。
《五條新町地区は大和と紀伊・伊勢を結んだ交通の要衝で、「関ケ原の合戦」後に五條二見藩が成立、既にあった町場を結んで町並みが形成された。街道沿いの宿場町として栄え、漆喰(しっくい)塗りの重厚な町家が建ち並んだ。慶長12(1607)年の棟札が残る栗山家住宅は国の重要文化財に指定されている。選定されたのは同市五條1丁目など7ヘクタール》。栗山家住宅は、建築年代の判明している民家として、日本最古の建物である。重文だが、現在も住居として使用されているため、非公開となっている。
《地元のイベントは来年1月22日に開催。テーマは「市(いち)」と「江戸時代」で、記念式典や記念講演会のほか、通りでは時代パレードが練り歩き、夕方からは一部をライトアップ。模擬店や地場産品販売などもあり、町並み全体を盛り上げる。吉野晴夫市長は「まだまだ整備しなければならない点もあるが、多くの人が訪れることが期待される。観光の足がかりにできれば」と話している》。
私は、祖母(父の母)の実家(御勢家)が五條新町にあるので、子どもの頃からよくお邪魔した。江戸時代にタイムスリップしたような感覚にとらわれたものだ。以前にも「むかし町・五條市新町通り」として、当ブログで紹介したことがある。最近は、アレックス・カーのプロデュースにより「五條 源兵衛」という町家レストランも開店した。私もお訪ねしたところ、雰囲気も味も、素晴らしいお店だった。
奈良検定のテキスト『奈良まほろばソムリエ検定 公式テキストブック』(山と渓谷社刊)には《江戸時代に建てられた町家の占める割合が高い全国屈指の町並みである。平成2年(1990)、住民の視点で新町を考える「新町塾」を発足させ、色々な活動を行っている。その1つとして毎年5月に開催されるフリーマーケット「かげろう座」には大きな関心が寄せられ、多大な成果を上げている。「新町塾」の活動の基本理念は「感動・興味・工夫・経験・行動」で、古い町並みを活かした町づくりが住民の手で行われ、江戸時代に繁栄した商家町として落ち着いた良好な歴史的景観が維持されている》(「五條の町並み」)とある。五條新町のことは『結び会 もうひとつの奈良観光』(ビレッジプレス刊)にも、「悲恋物語、再生物語。新町通り」の章で詳しく紹介されている。
さて、いよいよ土曜日、「重伝建選定記念イベント」が、新町周辺で行われるのである。市の「広報五條2011号外」によると《祝 1月22日(土) 重伝建選定記念イベントを行います。テーマは「市」と「江戸時代」》《慶長13年、二見城主だった松倉重政が城下町として建設した五條新町は、約400年の時を経て、日本の五條新町として国に認められたのです》《これを祝して、五條新町の特徴である「市」と「江戸時代」をテーマに重伝建選定記念イベントを実施します。色々な催しを用意して、皆さんをお待ちしています》。
なお《当日はできるだけ和装でお越しください。着物での来場者には記念品を配布いたします》とあるから、和服をお持ちの方は、ぜひチャレンジしていただきたい。当日のスケジュールを広報誌から拾うと、
正午~ オープニングイベント
時代行列(西方寺前出発)、バンド演奏等(まちなみ伝承館)
午後1時~ 記念式典
主催者、来賓あいさつ、功労者表彰、絵画表彰
午後2時~ 豚汁配布、もちまき(伝承館裏吉野川河川敷)
午後2時30分~ 記念演奏(吉野川あばれ太鼓ほか)
午後3時30分~ 文化庁・清永洋平氏の記念講演(伝承館展示室)
午後5時~8時 新町ライトアップ点灯(29日まで)
※その他 まちや館の無料公開、柏田家の20組限定特別公開(午後2時30分~まちなみ伝承館にて入場券配布)、松倉重政公位牌特別公開(西方寺)
餅まきや豚汁の振る舞いなどの手作り感覚がいい。まちや館の無料公開や柏田家の限定特別公開というのも、有り難い。
土曜日の天気は、曇り時々晴れ、降水確率は30%と、まずまずのようだ。相変わらず寒さは厳しいが、ぜひ暖かい服装で(できれば和服で)新町を訪れていただきたい。
※印刷用画像は「広報五條2011号外」参照
昨年12/24、五條市新町地区が重伝建に選ばれた、おめでとうございます! 12/25付の奈良新聞「五條新町、重伝建に選定 県内3件目」によると《五條市の五條新町地区が、国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)に選定されることが24日、決定した。文部科学大臣が同日の官報で告示した。県内では橿原市今井町、宇陀市松山地区に続いて3件目の重伝建で、地元では記念のイベントも予定されている》。
正式名称は「五條市五條新町伝統的建造物群保存地区」で、全国で88番目の重伝建に選ばれた。88番目とは覚えやすい数字だ。末広がりだし、仏教では「四国八十八ヵ所巡礼」にあるとおり、108つの煩悩のうちの根本的な煩悩(三界の見惑八十八使)の数とされている。今年の奈良検定ソムリエの記述問題に「橿原市今井町の伝統的建造物群保存地区について」が出題されたが、来年は五條新町が有力候補だろう。
《五條新町地区は大和と紀伊・伊勢を結んだ交通の要衝で、「関ケ原の合戦」後に五條二見藩が成立、既にあった町場を結んで町並みが形成された。街道沿いの宿場町として栄え、漆喰(しっくい)塗りの重厚な町家が建ち並んだ。慶長12(1607)年の棟札が残る栗山家住宅は国の重要文化財に指定されている。選定されたのは同市五條1丁目など7ヘクタール》。栗山家住宅は、建築年代の判明している民家として、日本最古の建物である。重文だが、現在も住居として使用されているため、非公開となっている。
《地元のイベントは来年1月22日に開催。テーマは「市(いち)」と「江戸時代」で、記念式典や記念講演会のほか、通りでは時代パレードが練り歩き、夕方からは一部をライトアップ。模擬店や地場産品販売などもあり、町並み全体を盛り上げる。吉野晴夫市長は「まだまだ整備しなければならない点もあるが、多くの人が訪れることが期待される。観光の足がかりにできれば」と話している》。
私は、祖母(父の母)の実家(御勢家)が五條新町にあるので、子どもの頃からよくお邪魔した。江戸時代にタイムスリップしたような感覚にとらわれたものだ。以前にも「むかし町・五條市新町通り」として、当ブログで紹介したことがある。最近は、アレックス・カーのプロデュースにより「五條 源兵衛」という町家レストランも開店した。私もお訪ねしたところ、雰囲気も味も、素晴らしいお店だった。
![]() | 大和吉野川の自然学 |
御勢久右衛門編著 | |
トンボ出版 |
奈良検定のテキスト『奈良まほろばソムリエ検定 公式テキストブック』(山と渓谷社刊)には《江戸時代に建てられた町家の占める割合が高い全国屈指の町並みである。平成2年(1990)、住民の視点で新町を考える「新町塾」を発足させ、色々な活動を行っている。その1つとして毎年5月に開催されるフリーマーケット「かげろう座」には大きな関心が寄せられ、多大な成果を上げている。「新町塾」の活動の基本理念は「感動・興味・工夫・経験・行動」で、古い町並みを活かした町づくりが住民の手で行われ、江戸時代に繁栄した商家町として落ち着いた良好な歴史的景観が維持されている》(「五條の町並み」)とある。五條新町のことは『結び会 もうひとつの奈良観光』(ビレッジプレス刊)にも、「悲恋物語、再生物語。新町通り」の章で詳しく紹介されている。
さて、いよいよ土曜日、「重伝建選定記念イベント」が、新町周辺で行われるのである。市の「広報五條2011号外」によると《祝 1月22日(土) 重伝建選定記念イベントを行います。テーマは「市」と「江戸時代」》《慶長13年、二見城主だった松倉重政が城下町として建設した五條新町は、約400年の時を経て、日本の五條新町として国に認められたのです》《これを祝して、五條新町の特徴である「市」と「江戸時代」をテーマに重伝建選定記念イベントを実施します。色々な催しを用意して、皆さんをお待ちしています》。
なお《当日はできるだけ和装でお越しください。着物での来場者には記念品を配布いたします》とあるから、和服をお持ちの方は、ぜひチャレンジしていただきたい。当日のスケジュールを広報誌から拾うと、
正午~ オープニングイベント
時代行列(西方寺前出発)、バンド演奏等(まちなみ伝承館)
午後1時~ 記念式典
主催者、来賓あいさつ、功労者表彰、絵画表彰
午後2時~ 豚汁配布、もちまき(伝承館裏吉野川河川敷)
午後2時30分~ 記念演奏(吉野川あばれ太鼓ほか)
午後3時30分~ 文化庁・清永洋平氏の記念講演(伝承館展示室)
午後5時~8時 新町ライトアップ点灯(29日まで)
※その他 まちや館の無料公開、柏田家の20組限定特別公開(午後2時30分~まちなみ伝承館にて入場券配布)、松倉重政公位牌特別公開(西方寺)
餅まきや豚汁の振る舞いなどの手作り感覚がいい。まちや館の無料公開や柏田家の限定特別公開というのも、有り難い。
土曜日の天気は、曇り時々晴れ、降水確率は30%と、まずまずのようだ。相変わらず寒さは厳しいが、ぜひ暖かい服装で(できれば和服で)新町を訪れていただきたい。
※印刷用画像は「広報五條2011号外」参照
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