インドネシアといえば名だたるイスラム教徒の国。だから豚は不浄なものであり、食用は禁じられている。しかし、その首都ジャカルタで、とんこつラーメンが人気なのだとフジサンケイビジネスアイ(8/11付)が報じていた。見出しは「1時間待ちの店も!インドネシアにとんこつラーメン続々進出」。筆者は、インドネシア邦字紙「じゃかるた新聞」の米澤勇輝氏である。全文が産経新聞のニュースサイト「SankeiBiz」に、上・下の2部に分かれて掲載されている。
※トップ写真は、豚竹林(09.10.13撮影)
《インドネシアの首都ジャカルタで、とんこつ味を売りにする日本のラーメン店がにわかに人気だ。豚がタブーとされるイスラム教徒が人口約2億4000万人の約9割を占めるといわれる国で、キリスト教徒や仏教徒の比率が高い華人を主なターゲットに市場が急成長。とんこつのみならず、鶏スープなども扱うことでイスラム教徒の客も取り込もうと、店舗ごとに工夫も凝らしている》。
《ジャカルタと東ジャワ州スラバヤで10店舗を構え、出店数を拡大している「ラーメン38(サンパチ)」。2003年、日本人が多く住む南ジャカルタで、日本食スーパーの2階に1号店を開店した。以来、豚肉を扱う店舗を8店、鶏スープを扱う店を2店に増やし、インドネシアで本格的にラーメンチェーン経営を始めたパイオニア的存在として知られる。年内にはジャカルタを中心に4店舗を増やす計画で、従業員は350人を超える見込みだ》。
《ジャカルタ中心部にある富裕層向けのショッピングモール(複合商業施設)などにも出店しており、認知度も上昇している。辛さの段階を選べる「地獄ラーメン」が若者を中心に人気で、地元テレビや雑誌にも頻繁に取り上げられている。価格は4万5000~6万2000ルピア(約410~560円)程度。インドネシアで居酒屋や割烹(かっぽう)料理店など22店を展開するDAISEIグループの竹谷大世社長(36)が経営する。割烹や懐石の料理人として修業を積んだ竹谷社長は、インドネシア在住歴10年の経験と日本で学んだ調理技術を生かし、ラーメンも含めて主なレシピは自分で手がけてきた。食材は地元産を使い、市場のニーズをうまくくみ取りながらスープの味をととのえ、麺の硬さも選べる》。

《竹谷社長は「初めは自宅の2階を改造して製麺をしていた」と振り返る。「従業員は皆、本当によく頑張ってくれる。(客をもてなす)自覚を持って接客するよう教えています。目標はグループ全体で従業員1000人です」と強調する。そのうえで、「今後は、鶏ベースで、価格も下げた小規模店舗を、モールなどのフードコートに出店して中間層以下の顧客を呼び込みたい。『社員は家族』をモットーに一丸となって頑張っていく」と語る》。
《今年6月には、「博多一幸舎」もジャカルタで海外初進出を果たした。福岡生まれの博多ラーメンを売りに、7月にはシンガポールにも進出している。ジャカルタでは、華人が多く住み、近辺には豚肉を扱う中華料理屋が立ち並ぶプルイット地区に店を構えた。近辺に日本のラーメン店4軒が密集する激戦区だ》。
《博多一幸舎は口コミで人気が広がり、ジャカルタ店は全58席で1日8時間の営業時間内に平均500杯を売る。材料は地元の食材で鶏スープも扱う。麺とスープはもちろん自家製。最近は、在留邦人や華人で、連日1時間待ちになるほど。これまでにインドネシア企業48社からフランチャイズの申し入れを受けているという。華人の多く住む地域を中心に、2年でラーメン専門店を9店、居酒屋を5店開くのが目標だ》。

食べているのは日本人や中国人が中心のようだが、インドネシアにまで日本のとんこつラーメンが広まったというところが、すごい。とんこつスープは、赤道直下のこの国で手軽にスタミナを補給するのには、うってつけなのだ。ニンニクも、たっぷり入れるのだろう。
私はたまに高級フレンチ店で、高価なスープをいただくことがあるが、「これなら、○○ラーメン店のスープの方が、ずっと上やな」と思うことがある。ラーメンはシンプルな料理だから、スープには創意工夫と手間暇をかける。美味しいスープは、骨の髄まで染みわたるほど旨い。とりわけとんこつスープは、臭味を抜いてうま味だけを取り出すのが難しい。これを上手にやっている店には、声援を送りたくなる。
節電疲れの夏、疲労回復と夏バテ防止に、とんこつラーメンを一杯、食べたくなってきた。まずは冷たい生ビール、肴は「叉焼(チャーシュー)盛り合わせ」で…。
※トップ写真は、豚竹林(09.10.13撮影)
《インドネシアの首都ジャカルタで、とんこつ味を売りにする日本のラーメン店がにわかに人気だ。豚がタブーとされるイスラム教徒が人口約2億4000万人の約9割を占めるといわれる国で、キリスト教徒や仏教徒の比率が高い華人を主なターゲットに市場が急成長。とんこつのみならず、鶏スープなども扱うことでイスラム教徒の客も取り込もうと、店舗ごとに工夫も凝らしている》。
《ジャカルタと東ジャワ州スラバヤで10店舗を構え、出店数を拡大している「ラーメン38(サンパチ)」。2003年、日本人が多く住む南ジャカルタで、日本食スーパーの2階に1号店を開店した。以来、豚肉を扱う店舗を8店、鶏スープを扱う店を2店に増やし、インドネシアで本格的にラーメンチェーン経営を始めたパイオニア的存在として知られる。年内にはジャカルタを中心に4店舗を増やす計画で、従業員は350人を超える見込みだ》。
《ジャカルタ中心部にある富裕層向けのショッピングモール(複合商業施設)などにも出店しており、認知度も上昇している。辛さの段階を選べる「地獄ラーメン」が若者を中心に人気で、地元テレビや雑誌にも頻繁に取り上げられている。価格は4万5000~6万2000ルピア(約410~560円)程度。インドネシアで居酒屋や割烹(かっぽう)料理店など22店を展開するDAISEIグループの竹谷大世社長(36)が経営する。割烹や懐石の料理人として修業を積んだ竹谷社長は、インドネシア在住歴10年の経験と日本で学んだ調理技術を生かし、ラーメンも含めて主なレシピは自分で手がけてきた。食材は地元産を使い、市場のニーズをうまくくみ取りながらスープの味をととのえ、麺の硬さも選べる》。

ラーメンきみちゃん10.11.15撮影
《竹谷社長は「初めは自宅の2階を改造して製麺をしていた」と振り返る。「従業員は皆、本当によく頑張ってくれる。(客をもてなす)自覚を持って接客するよう教えています。目標はグループ全体で従業員1000人です」と強調する。そのうえで、「今後は、鶏ベースで、価格も下げた小規模店舗を、モールなどのフードコートに出店して中間層以下の顧客を呼び込みたい。『社員は家族』をモットーに一丸となって頑張っていく」と語る》。
《今年6月には、「博多一幸舎」もジャカルタで海外初進出を果たした。福岡生まれの博多ラーメンを売りに、7月にはシンガポールにも進出している。ジャカルタでは、華人が多く住み、近辺には豚肉を扱う中華料理屋が立ち並ぶプルイット地区に店を構えた。近辺に日本のラーメン店4軒が密集する激戦区だ》。
《博多一幸舎は口コミで人気が広がり、ジャカルタ店は全58席で1日8時間の営業時間内に平均500杯を売る。材料は地元の食材で鶏スープも扱う。麺とスープはもちろん自家製。最近は、在留邦人や華人で、連日1時間待ちになるほど。これまでにインドネシア企業48社からフランチャイズの申し入れを受けているという。華人の多く住む地域を中心に、2年でラーメン専門店を9店、居酒屋を5店開くのが目標だ》。

どんたく本店(1/21撮影)
食べているのは日本人や中国人が中心のようだが、インドネシアにまで日本のとんこつラーメンが広まったというところが、すごい。とんこつスープは、赤道直下のこの国で手軽にスタミナを補給するのには、うってつけなのだ。ニンニクも、たっぷり入れるのだろう。
私はたまに高級フレンチ店で、高価なスープをいただくことがあるが、「これなら、○○ラーメン店のスープの方が、ずっと上やな」と思うことがある。ラーメンはシンプルな料理だから、スープには創意工夫と手間暇をかける。美味しいスープは、骨の髄まで染みわたるほど旨い。とりわけとんこつスープは、臭味を抜いてうま味だけを取り出すのが難しい。これを上手にやっている店には、声援を送りたくなる。
節電疲れの夏、疲労回復と夏バテ防止に、とんこつラーメンを一杯、食べたくなってきた。まずは冷たい生ビール、肴は「叉焼(チャーシュー)盛り合わせ」で…。