tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

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左官名人・植田俊彦さんが今井町で実演!(2012Topic)

2012年07月19日 | お知らせ
左官屋さん、といってもピンとこない人が増えたと思うので、まず説明しておく。Wikipedia「左官」によると《左官(さかん)とは、建物の壁や床、土塀などを、こてを使って塗り仕上げる職種のこと。(中略) 日本家屋の壁は、竹などを格子状に編んだ小舞下地(こまいしたじ)の両面に、藁(わら)を混ぜた土を塗り重ねる土壁、消石灰・麻等の繊維・糊でつくった漆喰が用いられるが、それらの仕上げに欠かせない職種》。
※トップ画像は「総合建築 植田のブログ」より拝借

《最近になり、漆喰・珪藻土・土等の自然素材を使用した壁が見直されると共に、手仕事による仕上げの多様性や味わいを持つ、左官仕上げの良さが再認識されてきている。特に「和モダン」と呼ばれる、日本らしさと欧米のモダンスタイルを併せ持つ建築には、多彩な左官仕上げが使われる事が多い》。

植田俊彦さんは、淡路島の左官名人として知られる。左官職人であり、工務店(総合建築 植田 兵庫県淡路市志筑1462-7)の親方である。その植田さんが今井町の若林稔さん(今井町町並み保存会)のお宅に来られるという。若林さん宅は昭和の新しい建物であるが、今井の町おこしイベントなどに泊まりこみで協力してくれる学生たちに、日本古来の建築の良さを体験してもらい、また人をお迎えする意味を分かってもらいたいと考え、中二階を作り、壁も土壁の漆喰塗りにされる。そこで植田さんが左官の腕を振るわれるのである。若林さんのブログ「我家のリニューアル5 そして左官講習会」(梅香のつれづれ日記)によると、


※以下の写真は若林さんのブログ「梅香のつれづれ日記」から拝借

我が家の改修・完成見学会にあわせて、淡路島から植田俊彦先生をお招きして、左官工事の見学+教室を実施します。

前置きが長くなりますが、KCN(近鉄ケープルネットワーク)カメラマン植田一宏氏(「地域プランナー・コーディネ―タ―」仲間)が、高校生の映像制作指導に今井町を選択。打ち合わせに来られて我が家の土壁復元を見て、彼のおじさんが淡路島の左官屋で有名なんですよ、という話からトントン拍子に話が弾んで、6月28日、そのおじさん(植田俊彦先生)が来宅、久住章さん(カリスマ左官)に師事され、そして今は世界を舞台に日本の左官を啓蒙されている超有名人と判明。

その植田氏が今井町には興味があったという話と、設計家の奥野氏(奥野浩 設計工房)の恩師が久住さんと親交があったという御縁が重なって、今回改装予定がなかった我が家の和室2室の壁を使ってイベントをやろうよということになった。総塗り替えですよ(実は想定外でしたが、我が家の全面改装になってしまった)。




「左官工事の見学会&左官教室」は、以下の4つのパターンで開催されるそうだ。植田さんのほか、堺の設計士・奥野浩徳さん、吉野の棟梁・辻田幸三さんと施主の若林さんも加わる。

1.左官仕事の実演(7/28~29)
28日(9時~)は講習を受けて下地づくり。29日は仕上げの実演(16時まで)
2.植田俊彦氏との夜なべ談義(7/28夜 会費は@3,000円)
3.練習用の壁塗りパネルによる体験(7/28~29)
材料費、昼食(おにぎり)代込みで@1,000円
4.植田俊彦氏との協働(プロの左官屋さん対象 7/29のみ)
※以上のお申し込みは、電子メールで若林さんへ。
syodou-yamakitiman@nifty.com


植田さんは各地で講習会を開催されている。その様子がブログ「若き左官職人のための左官講習会」に出ているので参考にしていただきたい。植田さんの「総合建築 植田」(建築職人プロジェクトチーム)のHP「わたしたちのこと」には、こんなメッセージが書かれている。

家が好きで、みなさんに喜んでもらえる家づくりをしたいという思いで大工・左官という「職人」のプロジェクトチームとして平成8年にスタートしました。私たちは職人の技とネットワークを生かし 大工自らが使用する木材を吟味して 壁は左官が漆喰をほどこし 人と自然に配慮した家づくりをめざしています。

自然素材で気持ちよく暮らしたい 子供たちが元気に過ごせる家がほしい 「住む」ということにこだわりたい などという方はぜひ私たち職人プロジェクトチームにおまかせください。私たちは建て主のかたとのコミュニケーションを大切に 建てる前も 建てた後も 顔のみえる関係を家づくりの基本と考えています。


近年は、住宅様式の変化や建設工期短縮のため、壁の仕上げは塗装やクロスが増えてきた。ビルやマンションでは、コンクリートにモルタルを厚く塗らない工法になったり、プレキャストコンクリート工法(工場であらかじめコンクリート製品を製作したあと、現場へ運搬し設置)の増加などで、塗り壁や左官工事は減少の一途である。伝統的な左官仕事というのはどういうものか、私も覗きにいこうと思っている。舞台が今井というのも、素晴らしい。皆さんも、いかがですか?
コメント (2)
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