注意:除幕式のみ、7月6日(金)午前に開催されます!
多神社(おおじんじゃ)は、太安萬侶ゆかりの神社である。『奈良まほろばソムリエ検定 公式テキストブック』(山と渓谷社刊)によると《多神社(磯城郡田原本町多)正式名は多坐弥志理都比古(おおにますみしりつひこ)神社。祭神の神八井耳命(かむやいみみのみこと)は神武天皇の第二皇子で、この地を本拠地とした古代豪族の多氏の祖神である。『延喜式神名帳』では式内大社として登載され、四時祭の項の相甞神七十一座の中に「多社二座」とあり、臨時祭では二座とも祈雨神祭・名神祭に預かっていた。久安五年(一一四九)の『多神社注進状』には当社の旧名を春日宮として多氏の奉斎する神で、『古事記』の編者である太安萬侶は多臣蒋敷(こもしき)の孫と記している》。
※トップ写真は多神社本殿。当記事の写真2点は、T女史(奈良まほろばソムリエ友の会・広報部会)が撮影されたものである。Tさん、有難うございました!
この由緒ある神社で7月7日(土)、太安萬侶祭が開催される。当初は安萬侶の命日である6日(金)に開催の予定だったが、雨で順延されることになった(ただし午前中の除幕式のみ、7月6日に開催されることに再び変更されたので、ご注意を)。田原本町観光協会のHPによると、
飛鳥川と天の川「やすまろさんといっしょに~七夕の夕べ」
多神社で「太安萬侶祭」が行われます。また、太安萬侶卿の偉業を記念して「古事記献上1300年記念碑」が小杜神社の境内に建てられます。そして夕方からは「やすまろさんといっしょに~七夕の夕べ」でお楽しみください。
午前10時 記念碑除幕・奉告祭(小杜神社)※7月6日に開催。以下は、7月7日に開催される
午前11時 太安萬侶祭(多神社)
午後5時半 「七夕の夕べ」(多神社境内)
午後7時 灯火会(多神社境内、参道)
行事内容
▽七夕飾り▽
町内各幼稚園、保育園と地元の子供たちによる やすまろさんへの願いを込めた短冊を笹に飾り、多宮司が祓い清めます。
▽ 奉納行事▽
開会挨拶(古事記1300年紀事業実行委員会委員長)
やすまろさんの話(多忠記宮司)
尺八演奏「晟琳会」(太安萬侶卿の歌など)、風流舞(田原本町観光協会)、田原本吹奏楽団演奏
▽ 灯火会▽
多神社は飛鳥川と隣り合っています。境内に燈篭を並べて「天の川」を再現し、飛鳥川と競演します。
▽ 地元特産野菜などの販売▽
奉納行事主催
田原本町古事記1300年紀事業実行委員会
共催・協力
飛鳥川川辺のまちづくり懇談会、多神社総代会、多壮年会、安万侶会、田原本町、町観光協会、町商工会、奈良県河川課、桜井土木事務所、町内各幼稚園、保育園など
問合せ先
古事記1300年紀実行委員会事務局(町観光協会) TEL & FAX 0744-33-4560
太安萬侶の「参り墓」といわれる古墳
この「古事記献上1300年記念碑」は、太安萬侶の「参り墓」といわれる古墳に、安萬侶の遺骨の一部を納骨する計画だったが、古墳のある農地の転用手続きに約2年かかることが分かり、記念碑を建てることに変更されたものである。msn.産経ニュース(5/23付)「太安万侶顕彰の記念碑建立へ、奈良の多神社」によると、
《古事記を編纂した太安万侶ゆかりの多神社(奈良県田原本町)の境内で22日、安万侶の偉業を顕彰する記念碑の着工に向けた地鎮祭が行われ、安万侶の末裔という多忠記(ただふみ)宮司ら関係者が工事の安全を祈願した。着工は6月4日の予定で、地鎮祭では、多宮司が祝詞を奏上した後、鍬入れの儀などが行われた。多宮司によると、記念碑は、玉垣で囲まれた縦5・5メートル、横7メートルのエリア内に設置。エリアの中央には土を盛り、縦1・5メートル、横2・5メートルの石碑を記念碑として建立する》。
《記念碑には「太安万侶卿」「古事記献上1300年記念」の文字や古事記の序文の一部も刻まれる。完成式は7月5日の予定。安万侶の命日とされる同6日に偉業を顕彰する「安万侶祭」を行うとしている。同神社では、今年が古事記編纂1300年の記念の年にあたることから当初、安万侶の「参り墓」との言い伝えがある町内の古墳に、奈良市内の寺から譲り受けた安万侶の遺骨の一部を納骨する計画だった。しかし、古墳のある農地の転用手続きに約2年かかることが判明し、計画を変更。境内に記念碑を建てることを決めた。多宮司は「古事記編纂1300年の記念の年にあわせた記念碑の建立で、安万侶の偉業を見直すきっかけになれば」と話している》。
古事記完成1300年を機に、太安萬侶の偉業が広く知られることは、とても有り難いことである。ぜひ、太安萬侶祭に足をお運びいただきたい。