tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

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天誅組決起150年で、関連イベント続々!

2013年03月14日 | 天誅組
 実録 天誅組の変
 舟久保藍
 淡交社

今年(2013年)は、天誅組の変から150年目の記念年である。天誅組の変とは《幕末の文久3年(1863年)8月17日に吉村寅太郎をはじめとする尊皇攘夷派浪士の一団(天誅組)が公卿中山忠光を主将として大和国で決起し、後に幕府軍の討伐を受けて壊滅した事件である。大和義挙、大和の乱などとも呼ばれる》(Wikipedia)。

天誅組ゆかりの東吉野村や五條市からは、関連イベントが続々と発表されている。まず「吉野村天誅組150年顕彰記念事業実行委員会」は、3回の連続講演会、2回のウォーキングのほか慰霊祭を開催する。詳細はこちら(PDF)をご参照いただきたい。

五條市の「天誅組保存伝承・顕彰推進協議会」は、講演会、ウォーキングのほか、天誅組総裁・吉村虎太郎にちなんだ歌舞伎を開催する。詳細はこちら(PDF)

天誅組決起150年にちなんで、20年ぶりに関連本も出版された。舟久保藍著『実録 天誅組の変』(淡交社刊)である。天誅組研究家の舟久保藍さん(「維新の魁・天誅組」保存伝承・顕彰推進協議会 特別理事、生駒市在住)が、天誅組決起の時代背景から挙兵後の動きまでを詳細に追った労作だ。

版元の紹介文には《幕府の直轄領であった大和五條(奈良県五條市)は現在でも穏やかな地方都市ですが、文久3年(1863)8月17日、尊王倒幕を目指した一団によって突如占領されました。「天誅組」と呼ばれたその一団は、幕府に追討を命じられた諸藩の包囲を受け、約40日にわたって西吉野、十津川と転戦し、東吉野で壊滅します。しかし、彼らが目指した倒幕は5年後に実現し、明治維新を迎えることになりました。「維新の魁」とも呼ばれる彼ら天誅組の実態を詳細にまとめた一冊》。

 天誅組 (講談社文芸文庫)
 大岡昇平
 講談社

Amazonで「天誅組」を検索すると、大岡昇平の小説『天誅組』がヒットする。この小説は、産経新聞朝刊に1963年11月18日から翌年9月25日まで、310回にわたって連載された。司馬遼太郎の『竜馬がゆく』は、産経新聞夕刊に1962年6月21日から1966年5月15日までロングラン連載された。天誅組総裁の吉村虎太郎は龍馬の1歳下で、2人は同じ頃に土佐藩を脱藩している。そんな2人の物語が産経の朝刊と夕刊で同時進行していたということには、感慨深いものがある。

しかし大岡昇平著『天誅組』は、決起に至るまでを描いた小説であり、肝心の決起後のことはほとんど出てこないので注意を要する。決起後のことは『実録 天誅組の変』が最も詳しく、情報も最新である。待ちに待った天誅組本だったのである。

天誅組に関連する地域は、五條市、東吉野村をはじめ、高取町、十津川村など、奈良県中南部の地域である。天誅組決起150年で、たくさんの方が県中南部に足を運ばれることを期待している。
コメント (12)
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