tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

二胡はシルクロードの響き(in 奈良大宮ロータリークラブ)

2013年03月18日 | 奈良にこだわる
二胡(にこ)という楽器をご存じだろうか。中国の伝統的な擦弦楽器(バイオリンのように弦を弓で弾く楽器)である。《擦弦楽器の一種で、2本の弦を間に挟んだ弓で弾く。琴筒はニシキヘビの皮で覆われている。原型楽器は、唐代に北方の異民族によって用いられた奚琴という楽器であるとされる》(Wikipedia「二胡」)。「胡」は「(北方または西方の)異民族」という意味なので、シルクロードを通って伝来した楽器なのだろう。中国人の女性音楽グループ「女子十二楽坊」でメインを務めるのも二胡で、演者の数が最も多い。







3月12日(火)、奈良大宮ロータリークラブ例会の卓話の時間、ウチの会社OBのMさんがお得意の二胡を演奏されると聞いて、駆けつけた。Mさんはもともと太極拳をされていて、そのBGMとして流れる二胡の調べに感銘を受け、教室に通って練習されたのだそうだ。現在Mさんは、奈良市内のプラスチック製品メーカーの役員を務めておられる。これまでならまちわらべうたフェスタや奈良町座サロン、また奈良市の珹寺(れんじょうじ)や桜井市の等彌神社でも奉納演奏され、好評を博した。





この日の会場は、奈良ホテル「大和の間」(新館)。天井が高く絨毯も厚い。シチュエーションとしては申し分ない。そこに、ビートルズも愛用したVOXの真空管アンプを持ち込み、セッティングされた。このアンプは温かみのある音が出て、広がりも大きいのだ。





演題は「シルクロードの終着点 奈良の響き」。シルクロードを伝い、中国から日本に渡ってきたこの楽器を、シルクロードの終着駅といわれる奈良の地で披露しようという洒落た趣向である。楽器は中国のものでも、日本人が日本風に弾くので、いわば「和魂漢才」である。だから衣装も着物に袴だ。演目は





1.草原情歌
2.郷音(シャンイン)
3.蘇州夜曲
4.燕になりたい
5.イ・サン
6.竹田の子守歌
7.悲しい酒
8.シルクロードのテーマ







中国の曲に始まり日本の曲で締める、というラインナップである。独奏もあればカラオケ用の伴奏音楽つきもあって、これはよく考えたものだ。私はこれまで「蘇州夜曲」は中国の歌だと思っていたが、これは西條八十作詞・服部良一作曲の、れっきとした日本の歌謡曲なのだそうだ。「シルクロードのテーマ」はシンセサイザーもいいが、二胡もよく似合う。最後にMさんの「一緒に歌いましょう」の声かけで、「荒城の月」と「琵琶湖周航の歌」を全員で歌い、とても楽しく締めくくられた。





Mさんは「リクエストがあれば、どこにでも弾きに行きますよ」とのこと。演奏を希望される方がいらっしゃれば、ぜひ私にご連絡いただきたい(当ブログのコメント欄でも、Facebookでも)。

かつて奈良県(観光振興課)は、「五感で楽しむ奈良」を提唱していた。シルクロード由来の二胡の調べは、まさに「奈良の響き」である。天平時代の奈良は、渡来人が行き交う国際的な文化首都だった。M先輩には、そんな奈良で二胡を奏で、ぜひ天平の雰囲気を再現していただきたいと思う。
コメント (2)
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