本年(2013年)1月13日に実施された第7回奈良検定(奈良まほろばソムリエ検定)の最上級資格「奈良まほろばソムリエ」の結果が発表された。カッコ内は前回の数字である。
※トップ写真は、2010年4月に撮影した八重桜
受験者数252人(277人)、合格者数38人(63人)
合格率15.1%(22.7%)
最高得点85点(87点)、平均点57.8点(62.0点)
合格率がたった15%と、噂どおり「チョー難しくなった」のである。ちなみに初回(第3回検定=2009年)からの推移を見ると
31.3%(2009年)→29.4%(2010年)→34.9%(2011年)
→22.7%(2012年)→15.1%(2013年)
私が合格したのは2010年だが、この頃は3割前後の合格率だったのである。昨年の「22.7%」で、合格率は初めて20%台前半にまで落ちた。これに対し、私は「難しすぎる」と言ったが、「京都検定1級(最上級)の合格率はヒト桁~10%台なので、これで良い」という反論があった。今回のソムリエの15.1%は、直近の京都検定1級の合格率15.2%を下回る。いよいよソムリエは京都検定1級より難しくなったのである。
私見では、こんなに難しくする必要はないと思う。それでなくても奈良検定受験者は年々減少しているのである。奈良検定の目的は《奈良に精通した「日本文化の伝道者」の育成と、ホスピタリティーの向上》である。以前にも指摘したが、
(4)ルイス・フロイスの『日本史』に記載されている松永久秀の多聞城を絶賛した書簡を差し出した宣教師は誰か。
ア.ドン・ジュスト イ.ルイス・デ・アルメイダ
ウ.ミゲル・ミノエス エ.ベルナール・プティジャン
こんな知識がないと「奈良に精通した日本文化の伝道者」になれないのだろうか(正解はイ.)。明らかに「落とすための試験」になっている。
いくら珍問・奇問を出しても「四択」なので、どこにマークしても25%の確率で正解となる。だから見かけの平均点がさほど落ちていないだけで、実態はもっと深刻なのである。出題者は、過去に出された問題を避けるあまり、重箱の隅をつつく出題に走るのだろうが、「奈良に精通した日本文化の伝道者」に必須の知識は、さほど多くない。過去問そのままでなく、過去問をアレンジして新しい問題に組み替え、本当に「ホスピタリティーの向上」に必要な知識を試す出題とすべきではないだろうか。いくら何でも10%台の合格率は異常である。
また受験経験者として言わせてもらえば、試験の形式にも問題がある。試験は4択が30問(60点)、あと記述式が3問(200字が10点×2問、400字が20点×1問の計40点)である。しかも試験時間は他の級と同じく90分しかない。ソムリエ試験で、とにかく時間をとられるのが記述式で、ちゃんとした答案を書くのは大変なのである。「ホスピタリティーの向上」に資する能力も、記述式で試される。しかし結果(点数)を大きく左右するのは、まぐれでも25%の確率で正解する4択なのである。配点や制限時間を見直さないと、記述式にマトモに取り組めない。
ともあれ私の周囲では、この難関をかいくぐり、同じ職場のS水さんやOBのM田さんが合格された、おめでとうございます! いつも「古社寺を歩こう会」に来てくださる清水千津子さんも合格された、おめでとうございます!いただいたメールには「奈良まほろばソムリエ、なんとか合格しました。今日、合格の認定証とバッジをもらいました」「ソムリエの会にも入会したいと存じますが、どのグループに入るか、迷っています」と、すでにNPO法人奈良まほろばソムリエの会の入会も検討されている(私はとりあえず「交流グループ」を薦めておいたが、「啓発グループ」も良い)。
ホテルサンルート奈良・社長の中野聖子さんも合格された。Facebookには「ありがとうございます!ギリギリ70点ですが、やっと合格出来ました!これからも一生懸命勉強します!」と書かれ、すぐに約220の「いいね!」と37件ものお祝いコメントが入っていた。中野さん、おめでとうございます。
合格された皆さん、おめでとうございます。ぜひNPO法人奈良まほろばソムリエの会にご入会ください!残念ながら合格には届かなかった皆さんも、NPO法人奈良まほろばソムリエの会に入会できます(NPO化に伴い、「奈良を愛する者」なら、誰でも入会できるよう変更されました)。ぜひ入会され、一緒に奈良を学びましょう!
※トップ写真は、2010年4月に撮影した八重桜
受験者数252人(277人)、合格者数38人(63人)
合格率15.1%(22.7%)
最高得点85点(87点)、平均点57.8点(62.0点)
合格率がたった15%と、噂どおり「チョー難しくなった」のである。ちなみに初回(第3回検定=2009年)からの推移を見ると
31.3%(2009年)→29.4%(2010年)→34.9%(2011年)
→22.7%(2012年)→15.1%(2013年)
私が合格したのは2010年だが、この頃は3割前後の合格率だったのである。昨年の「22.7%」で、合格率は初めて20%台前半にまで落ちた。これに対し、私は「難しすぎる」と言ったが、「京都検定1級(最上級)の合格率はヒト桁~10%台なので、これで良い」という反論があった。今回のソムリエの15.1%は、直近の京都検定1級の合格率15.2%を下回る。いよいよソムリエは京都検定1級より難しくなったのである。
私見では、こんなに難しくする必要はないと思う。それでなくても奈良検定受験者は年々減少しているのである。奈良検定の目的は《奈良に精通した「日本文化の伝道者」の育成と、ホスピタリティーの向上》である。以前にも指摘したが、
(4)ルイス・フロイスの『日本史』に記載されている松永久秀の多聞城を絶賛した書簡を差し出した宣教師は誰か。
ア.ドン・ジュスト イ.ルイス・デ・アルメイダ
ウ.ミゲル・ミノエス エ.ベルナール・プティジャン
こんな知識がないと「奈良に精通した日本文化の伝道者」になれないのだろうか(正解はイ.)。明らかに「落とすための試験」になっている。
いくら珍問・奇問を出しても「四択」なので、どこにマークしても25%の確率で正解となる。だから見かけの平均点がさほど落ちていないだけで、実態はもっと深刻なのである。出題者は、過去に出された問題を避けるあまり、重箱の隅をつつく出題に走るのだろうが、「奈良に精通した日本文化の伝道者」に必須の知識は、さほど多くない。過去問そのままでなく、過去問をアレンジして新しい問題に組み替え、本当に「ホスピタリティーの向上」に必要な知識を試す出題とすべきではないだろうか。いくら何でも10%台の合格率は異常である。
また受験経験者として言わせてもらえば、試験の形式にも問題がある。試験は4択が30問(60点)、あと記述式が3問(200字が10点×2問、400字が20点×1問の計40点)である。しかも試験時間は他の級と同じく90分しかない。ソムリエ試験で、とにかく時間をとられるのが記述式で、ちゃんとした答案を書くのは大変なのである。「ホスピタリティーの向上」に資する能力も、記述式で試される。しかし結果(点数)を大きく左右するのは、まぐれでも25%の確率で正解する4択なのである。配点や制限時間を見直さないと、記述式にマトモに取り組めない。
ともあれ私の周囲では、この難関をかいくぐり、同じ職場のS水さんやOBのM田さんが合格された、おめでとうございます! いつも「古社寺を歩こう会」に来てくださる清水千津子さんも合格された、おめでとうございます!いただいたメールには「奈良まほろばソムリエ、なんとか合格しました。今日、合格の認定証とバッジをもらいました」「ソムリエの会にも入会したいと存じますが、どのグループに入るか、迷っています」と、すでにNPO法人奈良まほろばソムリエの会の入会も検討されている(私はとりあえず「交流グループ」を薦めておいたが、「啓発グループ」も良い)。
ホテルサンルート奈良・社長の中野聖子さんも合格された。Facebookには「ありがとうございます!ギリギリ70点ですが、やっと合格出来ました!これからも一生懸命勉強します!」と書かれ、すぐに約220の「いいね!」と37件ものお祝いコメントが入っていた。中野さん、おめでとうございます。
合格された皆さん、おめでとうございます。ぜひNPO法人奈良まほろばソムリエの会にご入会ください!残念ながら合格には届かなかった皆さんも、NPO法人奈良まほろばソムリエの会に入会できます(NPO化に伴い、「奈良を愛する者」なら、誰でも入会できるよう変更されました)。ぜひ入会され、一緒に奈良を学びましょう!