tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

中川政七商店が「ルソンの壷」に登場します!(2011Topic)

2011年08月27日 | お知らせ
明日の朝、株式会社中川政七商店社長・中川淳さんが、NHK総合テレビの「ルソンの壷」に登場されます! タイトルは「13代目の挑戦 老舗“ブランド化”戦略」です。以前当ブログでは、中川さんが書かれた『奈良の小さな会社が表参道ヒルズに店を出すまでの道のり。』を紹介したことがあります。
※トップ写真は「暮らしの道具」デザインコンペで中川淳賞(審査員特別賞)を贈呈する中川社長。受賞者は坂本尚世さん(あかり作家)

番組の放送日(関西地域・鳥取・香川・徳島)は
8月28日(日)午前 7:45~ 8:10

再放送(関西地域のみ)は
8月31日(水)午前11:05~11:30

です。番組のHPには《現代風にアレンジした和雑貨で成長を続ける中川政七商店。この10年で売り上げは倍増、直営の小売店は全国28店舗を数える。元々、高級な麻を扱う織物問屋だったが、時代と共に着物離れが進み、麻は売れなくなった。そこで13代目の社長・中川淳さん(37)は徹底したブランド化を展開。商品の背景にある雰囲気や作り手の思い・会社の考え方を消費者に訴えた。業績を回復させ、成長を続ける中川さんのブランド戦略に迫ります》とあります。

奈良の伝統工芸に「奈良晒(ならざらし)」があります。『奈良まほろばソムリエ検定公式テキストブック』(山と渓谷社刊)によりますと《麻の織物で肌ざわりがよく、汗もはじくので、鎌倉期以来、神官や僧尼の衣に好まれてきた。江戸時代初め、清須美源四郎(きよすみ・げんしろう)が晒法を改良、徳川家康に誉められ、幕府の保護を受けて販路も拡大した。明暦三年(一六五七)、奈良町の惣年寄が麻布に検査印を押すことになった後、半世紀余が生産の最盛期であった。毎年三十万疋から四十万疋(一疋は二反)の産額で、南都随一の産業といわれた》。

《原料の青苧(あおそ 乾燥した麻皮)は山形・秋田などの東北から、北陸からは糸にして送られてきた。仲買は賃織りに出し、製品は晒問屋に売り、問屋はそれを晒屋に出した。晒屋は、その織布を藁灰の灰汁で煮て、木臼でつき、何回も灰汁をかけ晴天に乾かした。これで、白く光沢がでて、染めても美しい上布になる。十八世紀の半ば近くから、越後・近江・能登などの他国布の台頭で、幕末には数万疋と沈滞した。永らく、独占的な立場と名声に馴れて、販路の拡大、品質向上への努力をしなかったからである。今、技術・技法の保存と新規需要の開拓を進めている》。

末尾にある「技術・技法の保存と新規需要の開拓を進めている」のが、まさに中川政七商店さん、というわけです。「奈良の小さな会社がNHKのビジネス番組に登場するまでの道のり」を、ぜひご覧ください。
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観光地奈良の勝ち残り戦略(50)黒川温泉に学ぶ集客ノウハウ

2011年08月26日 | 観光地奈良の勝ち残り戦略
黒川温泉のドン後藤哲也の「再生」の法則
後藤哲也
朝日新聞社

こないだの土曜日、行きつけの古本屋に行くと「単行本3冊 1,000円」というセールをやっていた。これは見逃せないと、単行本コーナーを探し回って見つけたのが後藤哲也著『黒川温泉のドン 後藤哲也の「再生」の法則』朝日新聞社刊(定価1,200円・通常売価650円)という本だ。帯には《地図にも載っていなかった黒川を超人気温泉地に仕立てあげた男の一代記。地域おこしと会社再建のヒント満載!》とあった。

正直いって、特に期待していたわけではない。文庫本でもなかなか買えない3冊1,000円という安さに惹かれてカゴに放り込んだだけである。ところが家に帰って読み出してみると、これが面白くて止まらない。結局、片っ端から黒鉛筆で傍線を引きながら、その日に全部読んでしまい、翌日曜日には黄色の蛍光ペンで、特に気に入ったところをマークしながら再読した。

Amazonの本書「商品の説明」欄には、《自然を楽しむには、地域全体での雰囲気作りが必要。著者は旅館組合の執行部に入ってから、温泉地全体の改革を牽引する。雑木の植樹を進め、旅館や店の外壁を黒を基調としたものに変え、旅館の看板を撤去するなど、「日本のふるさと」を存分に味わえる景観作りを進めたのである。こうした経験から、どんな商売も「顧客が何を求めているか」を目を凝らして探し、真心を込めて提供することが重要と指摘。企業経営にも生かせる「再生の法則」をまとめている》とある。

「これは面白い。ぜひブログの『観光地奈良の勝ち残り戦略の』50回記念に紹介しよう」と決意したのだが、何しろマーカー部分があまりにも多い。これをキーボードで再入力するには相当時間がかかるので、当分は書けない。諦めて関連サイトを探しているとき、俣野成敏氏のブログ「経営パワー研究所∞」を発見した。このブログでは、本書の内容を詳細にわたって紹介していた。そこで、同ブログ記事を引用しながら、本書の要点を紹介する。長くなるが、地域おこしに取り組んでおられる人は、ぜひ最後までお読みいただきたい。御用とお急ぎの方は、太字の部分だけでもどうぞ。

地図にも載ってない田舎のさびれた温泉地であった黒川温泉。それは、高度成長期に各地の温泉街が次々と旅館を大型ビル化する中、外資も相手にしなかった中小旅館の寄せ集めに過ぎない温泉地だった。鬼怒川温泉の鬼怒川ホテルや加賀温泉の加賀屋といったような大規模なホテルや旅館がないので、個々の資本力を活かした大規模な集客活動もできない。そんな黒川温泉が、どうやって競争力を身に付けたのか。それは、全体像を絵にするという発想であった。

地域全体が一つの旅館、道は廊下、各旅館は部屋という「黒川温泉一旅館」のコンセプトである。大規模なホテルでは、囲い込みがなされる。館内から外には出さないで自分の所だけにお金を落としてもらうためだ。大型バス用の駐車場、旅行会社への紹介料、屋内に屋台やゲームセンター、カラオケルーム、お土産屋、果ては朝市まであって、お客は館外には一歩も出ないで済んでしまう。一方、黒川温泉はと言えば、大型の観光バスが入れないので、団体客はこない。中小の旅館がひしめきあっているから、部分最適でしか物事を考えられない。この慣習を打破したのが、後藤哲也氏であった。

町全体を一つの旅館に見立て、旅の楽しさや旅情を満喫してもらうために、町を散歩するときに他の旅館の温泉にも自由に入れる木製の札を出す。この札を持って宿泊客はカランコロンと音を立てながら温泉街の情緒を楽しむ。気に入った露天風呂があったら、判を押して入浴させてもらう。しかも、全部のお風呂に入れなかったら、その札は次に来たときにまた使えるようになっている。お客は、旅館を見比べながら後藤氏が隅々まで工夫を凝らした温泉街全体に溶け込み、また来ようねと誓う。

黒川温泉の成功要因を後藤哲也氏の書籍から読み解くと、固定費に対する限界利益の貢献を最大化したということに行き着く。つまり、旅館同士は競争しているが、風呂は固定費だから、町全体で風呂を融通しあって共通固定費化したわけだ。オープンになることによってネットワーク化したことが町全体としての価値を高め、町全体が看板になった。

全体像があって初めて個々の旅館の繁栄がある。その喜びの声は、黒川の全体像が下敷きになっているから、お互いがひがみ合うことも少ない。大きく話せばこんな戦略だが、この戦略を戦術レベルにまで落とし込むことに、後藤哲也氏の強い信念、並々ならぬ苦労、我々経営者が学ぶべき思想が散りばめられている。

今や年間2,000万人超の来場者数を誇るTDL。このTDLが、日本のエンターテイメント界では他の追随を許さない存在であるということに異を唱える人はいないでしょう。では、そんなTDLと黒川温泉との共通点とは何でしょうか。その一つがリピート率。このリピート率はどこから生まれるかと言うと、探究心です。

後藤氏は、こう言い放ちます。『経営幹部がディズニーランドの運営方針を話すのを聞いとると、めざす方向は違うけれども、やっとることは僕たちとまったく同じなんだ、と本当にそう思いました。簡単なこってす。ディズニーランドも僕たちも、お客さんを喜ばすためには、どげんすればいいか、ちゅうのを常に真剣に考えとるわけです。研究熱心な点も感心ですな。人々に感動を与える温泉地ができたちゅうと、熊本の山奥にまで足を運んでくるのですから。』(P32~33)

TDLの経営幹部は、それが九州の片田舎であろうと、企業の質が向上するためなら、経営幹部以下の社員を送り込み、徹底して他者に学ぶ姿勢ができていると言います。これが、王者が王者であり続けられる所以なのでしょう。後藤氏が、このこと以上に感心したTDLの経営方針とは・・・

『ディズニーランドのシンボルは「シンデレラ城」だそうだが、それを見上げると、その先にはオフィスビルや高層マンションが目に入ってくる。これでは、どうにもなりません。経営幹部が言うには、それを防ぐのに何と周囲に新しい建物が建たんように、周辺の土地を買い進めてしもうたちゅうことです。これぞ最高の景観防衛策ですな。ディズニーランドの周囲には、「ちぐはぐな景色」は出現せんわけです。』(P34)

そう、これが演出です。黒川温泉が作り上げたのが「日本のふるさと」なら、TDLが作り上げたのは「非日常」。そして、どちらも自らのテーマとして作り上げた演出効果を死守しようとしています。守るべき会社経営のポリシーとは何か、また守るためには何をすべきか、こんなことを考えさせられるわけです。

『最初は、「ここはどこか?」ちゅうて自問するところから始まったとですよ。』(P6)と言うように、後藤氏は研究のために、由布院、軽井沢、京都といった観光地に足繁く通い、「黒川温泉とは何ぞや?」との自問自答を続けることから始めた。そして、今から25年ほど前、京都の観光地で大きな変化が起き始めていることに気付く。それは、日本庭園を訪れる人がじわじわ減り始め、その人々が、自然の木が植わっているお寺に向かったという変化だった。

後藤氏は言う。『今にして思えば、この人の流れの変化に気づいたことが、僕の人生に最大の転機をもたらしたとです。こん時何も感じとらんかったら、今の黒川温泉はなかった。(中略)何せ、誰にもわかる急激な変化というものではありませんでしたからなあ。もしも、漠然と京都に通って見過ごしとったら、僕は田舎の一旅館のオヤジで終わっとっただろうと思います。』(P42)

ここで後藤氏から学ぶべきは、外から答えを得ようとする時でさえ、外からの情報は判断材料の一要素に過ぎず、答えは自分の内から湧き出るまで待つという姿勢ではないだろうか。気づきを得るための行動と執念。これらが感じる力を生み出す。見学や視察とは何なのか?

ここで、大いに考えさせられる後藤氏の珠玉の言葉を紹介したい。『些細な変化に気づいたことは、単なる幸運じゃなかったと思うとですよ。ちょこっと自慢話に聞こえるかもしらんけれども、ふだんから「勉強」を怠らずに物事をじーっと観察するのが習慣になっとったから、人の流れの変化がわかったとです。』(P42)

23歳当時の後藤哲也氏には、黒川全体を考えるという余裕はなかった。ただ、「負けたくない、負けちゃちゃいかん」という一心だけだった。交通事情の悪い黒川では、山菜料理だけでは人は呼べない。温泉地の売り物は、温泉に始まり温泉に終わる。ところが、後藤氏の有する「新明館」は、狭い土地にへばりつくように建ってる建物しかなく、敷地を広げるのは物理的に不可能だった。お客さんに喜んでもらうにはどうしたらよいか、それでも後藤氏は必死に考えた。

そして、後藤氏は驚くべき行動をとる。なんと、身内の猛反対を押し切り、一人で裏山を掘り始めたのだ。しかも、彫り始めた当時は、電気ドリルもない時代、岩質が柔らかいので、ツルハシさえも使えなかった。仮オープンまで3年間、今の形になったのは、裏山を掘る決意をしてから10年後の歳月を経た後だった。起死回生の起点となった洞窟風呂の入り口には、約50年前にこの風呂を一人で掘ったことが記された看板が立てられている。そこには、「(哲也は)お客さんに喜んでもらおう」とただひたすらに頑張りました。」とある。

ここで我々が見るべき点はどこか。「与えられた条件」は自分では変えられない。その変えられない条件の中で何かできることはないか、打開策を必死で考える。このことではないだろうか。自分に与えられた環境でできることは、すべてやりつくしているか?この自問自答を忘れないようにしたい。


黒川温泉 観光経営講座 (光文社新書)
後藤哲也 松田忠徳
光文社

ブログ(経営パワー研究所∞)からの引用は、以上である。本書には、十津川村長のこんな逸話も紹介されている。《熱心な人は数多いが、最近では、奈良県十津川村の更谷慈禧(さらたに・よしき)村長には感心しましたなあ》《新明館に泊まりに来た村長は、こう言いました。「温泉を観光開発の起爆剤に使いたい。後藤さんの理念を聞かせてほしい」》。

《十津川村は04年6月に「源泉かけ流し宣言」を行って全国的に注目されましたが、宣言を行う前に、僕に心構えを聞きに来たちゅうことでした。深夜までいろいろ話したが、更谷村長は風呂掃除まで手伝いたいと言い出しました。僕は、毎日、露天風呂の掃除をするのが日課になっちょります。別に断る理由もないんで、風呂掃除を手伝ってもらいました。来る人は多いが、風呂掃除までするのは珍しいことです》。

また本書には、黒川温泉の若手たちが感銘を受けたという、長野県野沢温泉の当時の若手リーダー(現在は旅館組合長)森行成氏の言葉も紹介されている。《「町づくりの原点は、自分の町を好きになることから始まる。まずは、故郷を良く知ることだ。阿蘇の温泉地にも、きっと地域独特のいいものがあるはず。まずは、それを探し出してほしい。そして、自分の旅館を経営するだけでなく、半分のエネルギーを地域のために注ぐくらいの気持ちを持て」》。

「実践と創造のリーダーシップ研究会」のHPには、後藤氏へのインタビュー記事を読んだ藤井美子さんの「黒川温泉を人気温泉に変貌させた後藤哲也氏のリーダーシップ」という文章が紹介されている。

1.明確なビジョンを持つ
後藤氏は、父親から経営を引き継ぐのと時をおなじくして、お客様を満足させるためには、「安らげる雰囲気をつくること」が重要だと考える。安らげる雰囲気を作るためには、自分の旅館の周りだけ自然と同じように木を植えようが、極端な話、旅館から一歩外に出ると周囲が無味乾燥なコンクリートの大型ホテルでは何にもならない。

そこで、後藤氏が考えたことは、温泉街全体が協力して取り組んでこそ、はじめてお客様がくつろげる旅館を実現できる。温泉街全体が「黒川温泉」という一つの旅館、個々の旅館はその一部屋、道は廊下、その廊下を浴衣を着たお客様が自由気ままに、散歩を楽しめるような温泉街にしたいという考えを実現すべく、まずは自分の旅館から始めていった。 下線部の部分が後藤氏の考えているビジョンであり、この熱い思いこそが黒川温泉の再建への機動力であると思う。ビジョンを明確に持ち、変化に対応する事が必要である。 ビジョンを明確に持たなければ、結果も手に入れることは難しい。

2.たゆまない勉強、そして本質を捉える
(後藤)「それが確信となったのは、毎年勉強で訪れていた京都で、観光客の流れの変化に気づいたときです。それまでは綺麗に剪定された松の木や錦鯉の泳ぐ池のある、格調高い日本庭園がある寺が人気だったのですが、25年ほど前からさまざまな木が混じりあった人の手が加わっていない自然そのままの景色の残る寺に人が集まるようなったんですよ。そのときに、いくら美しくても人工的につくられたものではなく、そのままの姿のものを人々は欲しているとわかったんです。」 勉強して(体験学習)変化に気づき、その物事を追う。後藤氏は自分の目で確かめる事が一番大切であると考えている。そして、いつでも変化に気付ける様にアンテナをはる。結果、人は何を本当に欲しているか?と本質を捉える。

3.大きな視点で物事を見る
ある旅館の主人から「後藤さんのやり方を教えて欲しい」と言われ、その人の想いに応えるべく、全て自分の考えている事をアドバイスしていく。
(後藤)「私もその人の思いに応えるべく、風呂のつくり方や木の植え方はもとより、どのような温泉をお客さまが求めていて、どういう雰囲気をつくればリラックスしてもらえるのか、ということまでアドバイスしました。すると、他の旅館の主人も次々と話を聞きに来るようになったという具合に、黒川温泉全体に広がっていったんです。そういう動きさえスタートすれば、黒川温泉をどうにかして成長させたいという思いは全員共通ですから、そのために必要な取り組みを私が考え、すべての旅館で実践していったわけです。

後藤氏のアドバイス、話し方はその旅館の主人にどう映ったのか、推測するに偉そうではなかった、教えてやるという態度でもなく、見返りを要求するものでもなく、出し惜しみをするようなこともなかったと感じる。それはなぜか、後藤氏の思いは一旅館、新明館の経営ではなく、黒川温泉という大きな旅館の経営にあったからと思われる。そうした視点から、他の旅館の主人は同じ目標に向かって進むメンバーであり、フォロアーであった。

4.先ずは自分から
(後藤)「自分でやってみせるということでしょうね。旅館の周りに木を植えるということについても、最初は「木を植えてお客さまが来るわけないじゃないか」という目で見ていた人たちばかりでしたが、実際にそれで新明館にお客さまが集まるようになれば真剣に考えるようになります。単に口で言っているだけでは説得力がありません。」後藤氏は教えるだけでは説得力がないと考え、自分が黒川温泉を変えると言う強い信念をもって、自らが先頭に立って行動に移す。他の旅館経営者が、後藤氏の行動を見て、自分たちも考え行動するようになる。率先垂範

5.考えを伝えていく
(後藤)「ええ。でも、正直なところまだまだ不十分です。黒川温泉が一体となって心のふるさとを演出しているからこそ、お客さまが満足してくれているのに、自分の旅館だけの力だと勘違いしてしまうことがあります。先日も勝手に公共の駐車場に特定の旅館の幟が立てられていました。そうした行動が続くと、旅館同士の信頼が崩れ、黒川温泉の魅力も失われてしまいます。もっと若い経営者にわたしの考えを伝えていかなければと感じています。」  後藤氏のビジョンである、温泉街全体が協力して「黒川温泉」という一つの旅館ができあがったからこそ、旅館一軒一軒が合わさってチームになり、これからは更に一体となって信頼関係を維持することが求められる。その為に、今後、後藤氏がしていかなければならないことは、自分の考えを伝え続けていくことである。

6.成功を遂げた、リーダーのケースを学ぶ意味―後藤氏のケースから学べること
 後藤氏のインタビュー記事を通して学べることは以下のようなことである
(1)熱い明確なビジョンの必要性
(2)毎日が勉強であり、アンテナをいつも広げておくこと
(3)自分の目で確かめ、本質を捉える
(4)大きな視点で物事を見る
(5)率先垂範の実行
(6)自分の想いを素直に伝え、指導していくこと
(7)変化に対応すること
(8)チーム一体となって信頼し維持していく
(9)状況判断が的確に行える事
(10)何より大切なことは状況に応じた行動をとること


成功を遂げたリーダーのケースに学ぶ意味は、その(リーダー)行動、考え方からリーダーシップ(影響を及ぼす行動)の要素を見い出し、それをスキルとして身につけるにはどうすればよいかを整理することであると思う。

奈良県下には、由緒ある温泉町がある。吉野山、洞川、十津川温泉郷などがそれだ。立派な「むかし町」も多い。今井町は別格としても、宇陀松山、五條新町。ならまち、城下町郡山、三輪、御所まち、菟田野、榛原 等々。町おこしのシーズ(種)は至る所にあるのだ。後藤氏に学ぶリーダーが、奈良県に現れることを期待しつつ、「観光地奈良の勝ち残り戦略」の50回目を結ぶことにしたい。
コメント (3)
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バサラ祭りは8/27~28!東大寺、薬師寺で奉納演舞も(2011Topic)

2011年08月25日 | お知らせ
奈良県では古くから「祭り始めはちゃんちゃん祭り、祭り納めは おん祭り」といわれる。4月1日、天理市の大和(おおやまと)神社の「ちゃんちゃん祭り」で祭りが始まり、12月、春日若宮の「おん祭り」で締める、という意味であるが、「奈良の夏を締める」のが、パサラ祭りである。それがいよいよ、この土日(8/27~28)に催される。バサラ祭りの公式ホームページから引用すると
※トップ写真はバサラ祭り「県庁伐折羅(バサラ)」チーム(8/27撮影・追加)

2011バサラ祭り計画書

バサラ祭り実行委員会 実行委員長 更屋圭一

『ひとり一人、違う個性豊かな輝きを持った個人が輝きあって、この街の明日を照らす大きなひとつの光りになりたい』- そのような思いで古都・奈良に立ち上げた「バサラ祭り」は、今年十三年目を迎え、奈良の夏を熱く彩る祭りとして、まほろば奈良への感謝と敬意を込めて、奈良の魅力をもっと引き出し、まちと人をもっと元気にすることを目指して、2011バサラ祭りを開催致します。2011バサラ祭りは日本の心のふるさと奈良から、新たな時代の幕開けを告げます。

■ 開催日時:『バサラ祭り』 2011年8月27日(土)・8月28日(日)
■ 開催場所:
8月27日(土) 奉納バサラ 〔奉納行列・上三条通り-猿沢池横〕
〔奉納演舞・東大寺・薬師寺〕
8月28日(日) 奈良バサラ 〔パレード・JR奈良-春日参道三条通り〕
〔ステージ・JR奈良会場 奈良公園会場(県庁前登大路)〕
■ 参加人数/予定 :50チーム、1500人
■ 目標動員数 :100,000人
■ 目標HPアクセス数 :40,000件
主 催 :NPO法人 バサラ衆 バサラ祭り実行委員会
後 援/予 定 :奈良県 奈良市 大和郡山市 奈良県教育委員会 奈良市教育委員会 大和郡山市教育委員会 奈良県ビジターズビューロー 奈良市観光協会 大和郡山市観光協会 平城遷都1300年記念事業協会
協 力/予 定 :東大寺 薬師寺

参加チーム(踊り隊)ごとの詳細なタイムスケジュールは、こちらに載っている今年は例年同様の三条通や奈良公園(県庁前)に加え、東大寺(中門前)、薬師寺(大講堂前)、JR奈良駅前(東口および西口)でも演じられる(ただし小西さくら通りやもちいどのセンター街での演舞はないので、ご注意を)。

大人しい祭りの多い奈良では珍しい「動」の祭りである。バサラ祭りは、年を追うごとに踊りのレベルが上がっている。チームや踊り手ごとの成長ぶりを見るのも、楽しい。皆さん、ぜひ今年もバサラ祭り見物にお越しください。お食事処は、当ブログの「グルメガイド」「ならまちで昼食を」をご参考に。
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やなせ ななのコンサート&トークは8/28(日)開催、入場無料!(2011Topic)

2011年08月24日 | お知らせ
歌う。尼さん
やなせ なな
遊タイム出版

畿央大学(北葛城郡広陵町)の「第3回やまとフォーラム」(8/28)が、いよいよ近づいてきた。当ブログでも紹介させていただいたように、当日は歌う尼さん、やなせななさんのコンサート&トーク(基調講演)も行われる。タイミング良く、朝日新聞奈良版で、連載「人生あをによし」(8/21から全21回)が始まった。8/20までは筆ぺんの「呉竹」前社長の綿谷正之さんが登場されていた。墨汁(墨滴)や筆ぺんの誕生秘話など、読みごたえのある連載だった。

やなせさんの連載は、初回は「祈り歌い広がる縁」(8/21)、2回目は「赤ん坊 お経は歌だった」(8/22)、続いて「祖父も向かったお浄土」(8/23)と、興味深いお話が続いている。初回の自己紹介では、《私は高取町の小さなお寺(浄土真宗本願寺派・教恩寺)に生まれ育ち、現在もそこてぜ暮らしています。お寺の歴史は、それほど古くはありません。江戸時代の終わり頃に開山され、私で6代目になります》。

《代々お寺の仕事だけでは生計を立てることができず、何か他の職に就きながら、同時に僧侶としての役割を果たす、という2足のわらじ式で寺を守ってきたそうです。幼い頃からお経を読み、お寺の仕事を手伝うのが嫌いではなかった私も、これだけでは生活できないらしいことを、子どもなりに理解していました。お寺を守るためには働く必要がある。私が選んだ職業は、シンガーソングライターでした…》。

続きは8/28(日)のやまとフォーラムで、やなせさんの歌とともにお聞きいただきたいと思う。参加は無料。皆さん、ぜひお越しください。
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元興寺地蔵会とまんぷく供養(2011Topic)

2011年08月23日 | お知らせ
8/23~24の両日、元興寺(奈良市中院町11)で恒例の「地蔵会」が営まれる。今朝(8/23)の奈良新聞「きょうから元興寺地蔵会」によると、《奈良市中院町の元興寺で23、24の両日、地蔵会が営まれる。約2500基の石仏や石塔が灯明に彩られ、23日には児童映画の上映やヨーヨーつりなどの屋台も出る。両日とも午後5時から本堂で法要があり、灯明に点灯。屋台は同6時からで、児童映画は同7時40分から上映される(雨天中止)》。

《24日はプロの料理人が腕をふるう「まんぷく供養」が午前11時から午後4時まであり、各種の屋台が楽しめる。夜は尺八と琴の奉納演奏(午後6時)や「音と光のマンダラ」と題した特別法要がある。問い合わせは同寺、電話0742-23-1377》。何といってもお楽しみは、24日の「まんぷく供養」である。主催者のブログによると

<食>~個性派プロ料理人によるこだわりの屋台~
   今年の屋台のメニューが確定しましたので、お知らせいたします!

Curry&Cafe 香炉里
・チキンとほうれん草のカレー(ハーフ) 
・牛スジのカレー(ハーフ) 
・カレーのホットケーキ 
・アイススパイスティー 
傳統御菓子處 おくた&こたろう
・あ!マンゴ(マンゴ水ようかん)お茶付 
・あずきバー・アイスキャンディー 
美酒楽菜 しゃらく
・大和牛のつけ麺生パスタデミグラス風味 
・大和肉鶏のつけ麺生パスタトマト風味 
・大和牛のビーフシチューライス    
・明石焼き風たこ焼き         
・氷パフェ
スリランカ料理 ハンターナ
・チキンカリーとイエローライス
中華料理 ふぁんろん
・冷たいラーメンチキンスープのジュレ添え(塩) 
・冷たいラーメンチキンスープのジュレ添え(醤油) 
・冷やしジャジャー麺 
・スティック中華ポテト 
・ビネガージュース(フレーバー:ピーチ・ブルーベリー・トロピカルフルーツ) 
・ビネガーサイダー(フレーバー:同上)
タイ料理 RAHOTSU
・タイ風冷やし茶づけ(冷製カオマンガイ) 
・炭火焼き…手羽先、ネーム(ソーセージ)、豚腸、サテ(鶏串)4種盛り
・タイビール 
・サングリア 
花想花&をかし東城 
・創作総菜盛り合わせ 1.長芋そうめん 2.自家栽培玉ねぎ豆腐 3.もずくの和風ジェノベーゼ  4.花想花特製タンドリーチキン 5.自家栽培ポテトサラダ 6.淺利のなめろう 7.うずら卵のスモーク
・ロールケーキ
・ブルーチーズタルト
・アイスコーヒー
ベトナム料理 コムゴン
・冷たいフォー煮豚煮卵のせ 
・ジュース
欧風料理 Friponne 
・シェフの特製スペシャルメニュー! 当日までのお楽しみです♪

今年の屋台は上記のようなメニューとなりました!さらに今年は東北支援ブースとして、福島から奈良に来られた方と蛍の会で協力して、浪江町のご当地グルメである「ふとっちょやきそば」を販売します!ふとっちょやきそばについてのサイトを発見しましたので是非こちらをご覧ください!どのメニューも、それぞれ料理人たちが腕によりをかけ、丹精込めて作り上げたものばかりです。ぜひこの機会にご賞味ください♪ また、今年は売り上げの20%を東日本大震災の義援金として寄附いたします。

<音> ~おまつりにかかせない音楽イベント~ 
今年の出演団体 琉球國まつり太鼓 琉球舞踊 奈良市吹奏楽団
流れる音楽に耳を傾け、舞い踊る姿に心打たれる…そんなひとときも、あってよいのではないでしょうか。
 
<遊> ~食べるだけじゃありません!~
今年の遊びイベント 去年大人気だったレインボーラムネくじ スーパーボールすくい ヨーヨー釣り 夢まつり恒例のしーるじゃんけん 暑い夏にぴったり! 水鉄砲的あてゲーム みんなで暑さなんて忘れるくらいに遊んじゃおう~!サポーターも、こどもたちといっしょに遊ぶのを楽しみにしています^^

夢まつりに来場されたみなさまが、美味しい料理を食べ、ゆったりと音楽をきき、子供たちは思いきり遊んだりなどして、老若男女、思い思いに楽しんで頂ければ幸いです。みなさまのご来場を、心からお待ちいたしております!


「まんぷく供養」は、今年も充実している。通常の屋台の食べ物ではなく、ならまち周辺のプロの料理人が腕によりをかけて提供する、美味しい料理の数々。1日で終わってしまうのがもったいない一大「食」イベントである。ぜひ、足をお運びいただきたい。
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