鳥瞰ニュース

空にいるような軽い気分で・・・

『メタボ猿』と『愛を与えたい症候群』

2008年04月18日 18時06分45秒 | 個人的主張など
【堺市が管理する大浜公園(同市堺区)の猿山に住むアカゲザルが、集団肥満に陥っている。常駐する管理人も金網もないため、見物客から餌をもらい放題になっているのが原因らしい。おなかはだらんと垂れ下がり、ついたあだ名は「メタボ猿」。市大浜公園事務所は昨年からダイエット食に変えたが、焼け石に水だ。
猿山の周りには「害になる食べ物を与えないこと」と書かれた看板が四つあるが、毎日10~20人がパンや菓子を投げ与えている。近所の女性は、朝食の残飯やバナナ、かりん糖、ピーナツなどをやるのが日課という。「大きな猿に餌を取られる小さな猿がかわいそうで」
日本モンキーセンター(愛知県)の加藤章園長によると、10年ほど前から猿山の周囲を透明なプラスチック製の壁で覆って餌を投げ込めないようにしたり、専用の餌を限定販売したりと見物客の餌やり対策が進んだ。「まだそんな管理をしている公園があったとは。無制限に食べ物が与えられる状況を放置しているのは明らかな虐待。早く手を打つべきだ」と忠告する。 
 長谷川昌治・大浜公園事務所長は「食べ残しがなかったので餌の量や内容は適切だと思っていた」と話す。今年度中にも金網の設置などを含めた改修を検討するという。】asahi.comより抜粋


画像には何ともすごい体型の猿が映っている。昔、中学校でならった美術の本に高村光雲作の老いた猿を彫ったものが載っていた。芸術と現実の違いを思ったりする。だが現実は現実なりにすばらしい迫力で、何とも多くの示唆に富んでいるではないか。マスコミに取り上げられて、市の関係者にすれば『まいったな!困った!』状態だろう。しかし無制限に食べ物が与えられる状態を放置するのが虐待なのか? 何だか釈然としない。目くそ鼻くその気がしてしまうのだ。

猿は見ていて飽きないと言う人は多い。猿を見ながら、人の社会をのぞき自分の生き方を見たり自分の来し方を思い起こしたりしているのだろう(実は私がモデル)。すべての猿が肥満になっているのではなくて力の上位の猿がひどいらしい(もしかしたらオスだけ?)。飽食、怠惰、強欲、権力、独占、倦怠、その他多くの生きた比喩がサル山にはあるのだ、たぶん。小猿は活発で遊びまわり肥満になったりする暇がない。肥満の小猿がいたら、これはもう人間並みの堕落なのだ、たぶん。

猫おばさんと呼ばれる人がいる。猫好きが高じて野良猫を捨ておけない人達のことだ。大阪と奈良の境で目撃したことがある。車道脇で餌やりの用意をするおばさんと、その前方に距離をおいて猫が数匹『あ、これがそうか!』と思った。野良猫をつかまえては獣医に避妊手術をしてもらっている知人もいる。猫おじさんも見たことがある。ドバトやユリカモメに餌をやる人は、これはもうどこにでもいる。それが猿になっただけのこと。しかも心ならずもか計らずもか市民の娯楽のために飼われているサル山の猿だ。マスコミに取り上げられ、専門家?の警告があったとて、金をつぎ込んで何もかも窮屈にすることはない。いいではないか、このままで・・と思うのだ。

情が深くて、それを持て余してしまうような人がいる。赤ん坊を見たら「抱かして」と奪うように母親から抱き取る。赤ん坊を見ると乳房が張って痛くなる女の人さえいるのだからして・・。ペットとしての犬猫も家族としての想いから極端に擬人化した接し方をしている人も多い。衣食足りて礼節を知ると言うけれど、衣食足りて愛があふれている状態なのかも知れない。

飽愛(豊愛?あるいは満愛?)の時代なんです。愛を与えたい症候群なのです。愛のはけ口を閉ざさないで下さいな・・・。そんなもの、社会的に有意義な方に目を向けたらいいのに・・献血でも介護ボランティアでも何でもありますよ、人の役に立ちますよ、満足が得られますよ・・・と言うなかれ。愛はまったくもって現れ方は個人的で人それぞれ独特なんでありますからして・・・。
コメント
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