画像はP氏提供
これなんでしょう?
・・
ミミズ? とのこと。
私の知人を名乗っているが、違う人間かも知れないという疑いを持った。
科学的態度で検証するなら、すべてを疑うことから始めなければならない。
私の直感がミミズであるはずがないと訴えてきた。
物心ついて半世紀を超える人生のなかで、3回遭遇したことのある郊外ビルではないかと思った。
失礼・・コウガイビルで、コウガイは笄、浮世絵の馬ズラ女の髪に挿してある銀杏の葉状飾り、の頭部を持つ陸生生物。
名乗られた知人をP氏としよう。
Pに私の直感を返信したら、見つかった場所はp’邸で、p"iがシマイシビルではないかと言ってるとのこと。
私以外にもp'撮影画像が送付され検証されている様子に、私の気持ちは勇み立つ。
何かが何かを丸呑みして消化途中なのではないかとも考えた。
そもそも一個の生き物ではなくて、何かの排泄物ではないのか!?
それとも、腸の一部ではないのか!?
やりとりしたチャットもどきショート・メールでは『居た』とある。
そうしている内に、相手は知人Pに違いないと確信を持てて、しかもその未知生物を譲り受ける約束までできた。
待つ間にネット検索をしてみた
コウガイビルではなさそうだ。
透明なミミズは存在するのか?
平たくないので、p"iの提示したシマイシビルなどのヒルの仲間ではなさそうな気がする。
ところで断面が丸いミミズの仲間に背腹の別はあるのだろうか?
もしかしたらプラナリアの一種ではないか?
ウズムシの仲間なら透きとおっているのもいるし、かなり伸び縮みする。
絶滅危惧種にキョウトウズムシというやつがいるそうで、京都だからこれかと思ったが、どうも違う。
こんなにもごろごろした内容物が見えるはずもない。
私の一番の着目点は透明であることと、頭と思われる部分が大きいということ。
しかしこれとて、頭と見えるのは折り返しているかも!?
クロバネキノコバエの幼虫という候補もあらわれたが、長すぎる。
回虫という線もありそうだが、理科室でみた標本では真っ白だったし、いくら体内に居るからとてウンコを食べて腸そっくりはないだろうと思われる。
レントゲン写真なのか!?!
いやいや床と思われる木目がリアル過ぎる。
そうこうしている内に2時間もたたずに、ついに密閉されたチャック式ナイロン小袋に水と一緒に入っているそいつを引き取った。
私の指図があいまいだったので水中に泳がされているそいつは、水に揺れて少し動いているように見えた。
全長5センチほどのそいつを、本当はこうして欲しかった状態の、濡らしたテッシュペーパーに乗せてガラス小瓶に入れた。
動かないから死んでないにしても溺れてしまって仮死状態か?
寸詰まり望遠鏡のような、ハンディ顕微鏡で観察した。
100均で買ったオモチャだけれど、役に立つ。
結論としては、ミミズの細いタイプ。
『だから始めから言ってるじゃない!』という態度は真理探究をめざす科学的姿勢に反する。
何より多角的検証が大切なのだ。
さて、生まれたて(孵化)でないのは、画像から推測できる。
これだけの内容物からすると成体かも知れない。
透明な体が納得できないが、そういう種類なのか!?
何かを浴びたか何かを取り入れた影響で透けてしまったか?!
ペロリと裏返った?・・それはないか。
体表が溶けてしまい、粘膜状態の死に際だったのか!?
下の画像は、私が引き取ってから半日近く経って撮ったもの。
先っぽはミミズらしくなった。
その他はゼラチンが溶けてクソばかりの状態。
もしかしたら、私が引き取ったときは動かないだけでまだ生きていたのかも。
最後の…は排出したウンコだろう。
科学にたずさわらないニンゲンの鳥瞰的検証は以上で終わる。
検体は小さな庭に埋めるか、ゴミとして捨てるかは迷うほどのことではない。
本日は燃えるゴミの日。
私の未知生物への愛はくすぶっている。