
ニホンミツバチの蜂蜜を店に出させてもらったけれど、1個売れただけで、その後はさっぱり売れない。
値段が高過ぎ設定だったからだが、売れないからと値段を下げることはしたくない。
それならと、今年は不作だという里芋を出してみることにした。
他所でリサーチしてみると、けっこう良い里芋でも意外な安さで売られていてがっかりだ。
良いものを選んで袋詰して、これならこれくらいという値段を心に秘めて、持っていき理事長に値段を決めてもらう。
思惑よりも2割ほど安い値段を言われたが、蜂蜜のこともあり、素直に従った。
8パック持っていったのだが、すぐに大半が売れたらしく、帰ってしばらくしたら理事長から嬉しそうな電話があった。
当日売上分は夕方6時にメールで自動的に入ることになっていて、結局わが里芋は完売だった。
理事長は自分の事のように喜んで電話をくれたけれど、私にすれば自信のある生産物を自分の思う値段で売りたいと言い出せなかった悔いが残る。
需要と供給で頃合いの値段を決めるのは、探りさぐりやっていくしかないようだ。
それにしたって遊び半分に少し出荷してみるかなどという規模の販売は、手間隙を考えたらバカバカしくてやっていられない。
とか言いつつも、わずかでも小銭を稼ごうとやるわけだけれど、やっていられないのにやるモチベーションが必要だ。
たぶんそこででてくるのが、『お客様が喜んでいただいている笑顔』てなことになるのではないかと思われる。
そういう立前を常に自分に言い聞かせていたら、それが本音のように思い込んで、すらすら口にできるようになるのだろうか。
細々と小遣い稼ぎをしようとしている片手間に、吉幾三の『俺ら東京さ行くだ』の歌詞にある「銀座で牛(べこ)飼うだ」を思い出した。