イチイは一位に違いないと、ほぼ疑問も持たずにきたけれど、CASIOの広辞苑によれば、(笏(シャク)の材料としたので、一位の位に因み「一位」とあてた)・・・とある。
別の漢字に、櫟・赤檮・石櫧もあり、説明の最後には、『スダオノキ。アララギ。オンコ。柴松。』ともあった。
短歌のアララギ派というのは、一位の志に根ざす名であったか。
笏は聖徳太子の持つヘラのような物のこと。
わが家には昔から雌雄一対のイチイが植えられている。
誰か、志を高く持ちたいと思った先祖が居たということになろうか、志だけは・・・。
雌木は小さいので、私がしばらく生家と疎遠になっている間にいつの大雪でそうなったか、徐々になのか、倒れている。
倒れているけれど、根が跳ね上げられているわけではなく、生きていて実を着ける。
赤い実を上から見ると、黒い種が見える構造をしており、噴火口の逆のような奇妙さ。
熟す前の種は緑色で、赤く熟してくると黒くなる。
熟した赤い実は甘いので子どもの頃からよく食べたが、種を噛んでしまったり、舐め回すと猛烈に苦い。
したがって、ぱくぱくといった食べ方はできず、甘いことを確認してみる程度の含み方しかしなかった。
実は9月頃熟すとあるけれど、7月でもうちらほら熟している。
大きさは小さめのブルーベリー位。
このところの断続的な雨と高温は、どんな植物だって驚異的に育つのではないかと脅威を感じる。