透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

吉島家住宅 観察記(2)

2006-06-14 | A あれこれ
↓ 長さ10mの梁(060610)



○梁の端部、柱や壁との取り合い



下の写真は上の写真で右側の壁とぶつかっている梁の端部の詳細です。この梁の長さは5間半、約10m。太さは2尺、60cm位はありそうです。この梁を円柱と見なして計算し、重量を求めてみると、どうやら1.5トン!位はありそうです。普通乗用車の重量の約1.5倍。

在来木造の梁で一般的に使用される長さ2間、3.6mの梁の重量は50kg位ですから、約30倍!ということになります。 朱色の箱の上の梁のところで重ねるようにして繋いでも構造的には成立すると思いますが、敢えて一本の梁を使ったのでしょう。この吉島家住宅が建てられたのは明治の末期、当時の職人達の心意気を感じます。

このような建築を保存することも当然必要なことだと思うのですが、それを支える職人達の技術の継承も国の責務として行なう必要があると思います。それも職人達の高齢化を考えると急務だと思うのですが・・・。